労働党11年ぶり政権確実 イラク一部撤兵へ 豪総選挙2007年11月24日22時30分 オーストラリア総選挙は24日投開票され、野党・労働党が下院(定数150、小選挙区制)の過半数の議席を獲得し、ジョン・ハワード首相(68)率いる自由・国民両党の保守連合から11年ぶりに政権を奪回することが確実になった。次期首相になる労働党のケビン・ラッド党首(50)は若さを訴え、経済政策では与党に近い路線をとって支持を広げた。公約に掲げた京都議定書の早期批准やイラクからの一部撤兵に向け、豪州はかじを切ることになる。
ハワード首相は24日夜演説し、「私はラッド氏に電話し、労働党の勝利を祝福した。私は首相の職を去る」と敗北を認めた。自身の選挙区でも苦戦しており、現職首相が落選すれば1929年以来となる。首相は小泉純一郎元首相、ブレア前英首相とともに「テロとの戦い」を主導する米ブッシュ大統領の盟友だった。 ラッド氏は同夜、地元ブリスベンで「国民みんなで歴史の新たなページを記そう」と勝利演説した。対米関係重視では変わらないものの、1500人規模の部隊の段階的撤兵を訴えたイラク派兵などでブッシュ政権から距離を置くとみられ、国際政治での米国の立場にも影響を与えそうだ。 また12月3日からインドネシア・バリ島で「ポスト京都」の枠組みを話し合う国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP13)に自ら参加する方針。「ポスト京都」に向けた論議にも弾みがつくと見られる。 豪州選挙委員会によると、25日午前0時(日本時間24日午後10時)現在、開票率74%で、労働党が72議席を確保し、改選前の60議席から大きく躍進。公共放送ABCは、労働党が86議席を獲得する見通しと報じており、地滑り的圧勝となりそうだ。保守連合は47議席にとどまり、改選前の87議席を大幅に下回る見通し。 労働党は昨年末にラッド氏が党首に就任して支持率が上昇、選挙中の世論調査でもリードを保ってきた。企業寄りとされる雇用法制の改革や病院職員の待遇改善、インターネットの普及など公教育の改革を公約に掲げ、幅広い支持を集めた。 ハワード首相は好調な経済を背景に安定感をアピールした。選挙戦早々に大規模な減税策を発表し、支持率の浮上を図ったが、労働党が直後に同規模の減税策を掲げて埋没した。また、11年という長期政権のマンネリ感を一掃できなかった。 PR情報この記事の関連情報国際
|
ここから広告です 広告終わり どらく
一覧企画特集
特集
アサヒ・コム プレミアム朝日新聞社から |