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医療機関間救急車搬送 「緊急性ない」出動せず

名古屋市消防局 来春にも 疑問生じれば調査実施

 名古屋市消防局は、医療機関の間で救急車による患者の搬送を求める通報があった場合、緊急性がないと判断した場合は出動しない方針を固めた。救急車の適正利用を呼び掛けるための一環で、来年4月にも踏み切る。

 同局によると、2006年の救急車の出動件数は約10万件で、10年前に比べて2倍近くに増えている。06年の出動件数のうち、58.8%が入院の必要のない軽症のケースで、本当に救急車が必要な人への影響も心配されている。

 このため、同局は医療機関から「入院して治療を受けている患者がほぼ治ったので、別の病院に搬送してほしい」といった通報があった場合、緊急度や重症度を判断し、断る場合もあるとしている。

 しかし、病院や救急隊のどちらか一方で判断に疑問が生じた場合、同局で1次調査を行う。納得しない場合は、地元の医師会などを交えて2次調査を実施する。こうした検証の仕組みをつくるのは全国で初めてという。

 同局は、国が緊急度などに応じて搬送の先順位を決める「トリアージ制度」を導入した後、緊急度がない搬送を拒否する制度を一般の市民に広げたい考えだ。

2007年11月24日  読売新聞)
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