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大関魁皇が引退へ
大関魁皇(35=友綱)が、今場所限りで引退することが23日、明らかになった。地元の福岡・直方市後援会の幹部が明かした。勝ち越しがかかったこの日は、横綱白鵬(22)に突き落とされ、7勝6敗とした。仮に残り2日の間に勝ち越してかど番を脱出しても、千秋楽まで取り切って20年の土俵人生に別れを告げる。
魁皇が、わずかに残った気力を振り絞って、最後の2番に臨む。左太もも裏痛に苦しむなど、満身創痍(そうい)の体にムチを入れ、気力だけで13日目まできた。大関として優勝争いに絡めず、役割を果たせなくても、相撲への愛着が支えになっていた。その愛情が薄れたわけではない。執着に変わる前に、キッパリ辞める決意を固めた。
地元後援者は「たとえ勝ち越しても大関は今場所を最後に引退すると聞いています。千秋楽の翌日には、こっち(直方市)に戻って、引退あいさつをすると思います。我々も心の準備はしています」と証言した。実は、九州場所前の恒例行事となった直方激励会で、魁皇は応援してくれた恩人たちに決意を伝えていた。
この日、勝ち越しを懸けて挑んだ白鵬戦で、踏み込みが浅く、力負けした。「まっすぐ当たったと思いましたけどね、押し込まれて何にもできなかった。力を残してもしょうがないんで、あと2日、全力でやります」と振り返った。横綱相手とはいえ、軽々とリンゴを握りつぶしたかつてのパワーは影を潜めた。大関の地位を築かせてくれた力強い右上手投げも、今場所は1度も試みていない。
友綱親方(元関脇魁輝)は「引退を相談されたことはないよ」と、今場所限りの引退を否定した。魁皇も打ち出し後、福岡・粕屋郡の部屋に戻り、引退に関する質問には「今場所がまだ終わってないし、今は相撲に専念するだけです」と明言は避けた。まだ付け人にも「引退」の2文字を告げていないが、長年支えてくれた何人かには本音を伝えている。
今場所前に魁皇は「入門の時は何にも知らずに入ったから、せめて引退の時期はオレが決めたい」と話していた。過去、2度の引退勧告をしている師匠も「ここまできたら、大関が決めればいい。オレは見守るだけだよ」と引退時期は一任。88年春場所入門の同期・貴乃花、若乃花、曙らがそれぞれの道を進む中、遅咲きの大関も、来月からは第2の人生を歩むことになる。
引退後は、部屋付きの親方として、指導者の道に進む。外国人や学生相撲出身者が多い今「オレらの時代は、けいこ場で倒れる寸前までけいこして満足感があったけれど、今はすぐ力を抜くんだよな。時代の流れかもしれないけれど、古き良きものを守りたいね」と話したことがある。平成を代表する大関が、たたき上げの日本人横綱を育てる日も、そう遠くはない。
◆魁皇博之(かいおう・ひろゆき) 本名・古賀博之。1972年(昭和47)7月24日、福岡県直方市生まれ。88年春場所、元横綱貴乃花、曙、若乃花らとともに初土俵。90年名古屋場所で三段目優勝、91年名古屋場所で幕下優勝。92年初場所の新十両時に「古賀」から「魁皇」へ改名した。93年夏場所新入幕、94年夏場所新3役。00年夏場所に14勝1敗で初優勝を果たした。同年7月に大関昇進。3賞獲得15回(殊勲10、敢闘5)。幕内優勝5回。得意は左四つ、上手投げ。184センチ、171キロ。家族は99年に結婚した元プロレスラーの充子夫人。血液型A。
[2007年11月24日9時12分 紙面から]
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