中国新聞オンライン
中国新聞 購読・試読のお申し込み
サイト内検索

岩国医療センター、愛宕山新築移転に合意 '07/11/23

 ▽民間売却を基本

 山口県と岩国市、国立病院機構岩国医療センター(黒磯町)は二十二日、老朽化したセンターを同市の愛宕山地域開発事業跡地へ新築移転することで合意した。米海兵隊岩国基地の滑走路沖合移設に伴って住宅団地造成を進め、赤字のため事業を中止した愛宕山開発にとって、跡地の一角の処分に一定のめどがついたことになる。

 三者は年内に協議会を設け、具体的な作業に入る。ただ、医療センターの現在地は民間売却する方針だが、難航も予想される。売却先が決まらない場合は市が買い取ることでも三者は合意した。

 西村亘副知事、井原勝介市長、斎藤大治院長がこの日、県庁で非公開で会談し、合意に達した。三人によると、事業跡地百二ヘクタールのうち、市が「まちづくりエリア」とする十五ヘクタールの一部を医療センターが購入。上下水道や道路などのインフラ整備は県と市が担当する。

 医療センターの現在地八・八ヘクタールは民間に売却できなかった場合、市が公共事業用地として購入する。しかし、三年前の土地評価額は三十億円を超え、民間が購入する可能性は未知数。財政難の市が買い取る場合は県が支援する方針でも合意したものの、負担割合などは未定。井原市長は「財源の検討はこれからだ」と述べた。

 医療センターは一九四二年に開院した岩国海軍病院が前身。三次救急指定を受けた山口県東部唯一の医療機関で、老朽化のため約二年半前から愛宕山への移転を希望するとともに、現在地と移転先の用地との等価交換を望んでいた。斎藤院長は「本年度中に基本設計に入り、二〇一二年度に移転したい」と述べた。(川井直哉)

【写真説明】愛宕山地域開発事業の跡地への移転が決まった国立病院機構岩国医療センター




MenuNextLast
安全安心
おでかけ