▽厚生連資産を評価
経営難に陥った津和野共存病院などの公設民営化を目指す島根県津和野町は、二十二日開かれた町議会臨時会の全員協議会で、施設の鑑定評価に基づいて十一億円余と算出した買収予定費を明らかにした。町内には地域医療の今後に不安も高まっており、町は買収費の財源確定による再建手続きを早急に進めたい考えだ。
町は九月の町議会で病院施設の買収方針を示して以降、国や県との協議を実施。同病院を運営する石西厚生農業協同組合連合会(厚生連)の資産鑑定も進め、今月十四日には厚生連理事会へ買収予定費を提示。この日の議会では教育委員選任も含め、病院対策の中間報告があった。
厚生連の資産に関し、町が専門家に依頼した調査の中間報告では、同病院や日原診療所、老人保健施設の医療機器、医師住宅を含む土地、建物の評価額は計十一億三千二百万円に上る、という。
町が厚生連に対して買収予定費を提示した十四日の理事会では、一応の理解を得られたという。町はさらに関係機関と協議し、金額を詰める。財源に関しては返済に有利な起債を研究しており、県や国の対応を期待。確定後は議会に対して説明し、予算化を図る方針。中島巌町長は「早急に解決の道筋を固めたい」と話している。(谷本和久)
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