自治体の財政支援などを条件に最長1年間の存続延長が示された長野赤十字上山田病院(千曲市)の問題を受けて、「長野赤十字上山田病院の医療の充実に向けた緊急シンポジウム」が23日、千曲市総合観光会館で開かれた。住民ら約140人が参加し、09年度以降の病院存続を願う声が相次いだ。【谷多由】
シンポジウムは「長野赤十字上山田病院を存続させる会」が企画。最初に山梨県医師会勤務医部会会長の飯田龍一・社会保険山梨病院長が、医療が抱える問題について講演。続いて行われたパネルディスカッションでは地域住民や病院職員などさまざまな立場から同病院の今後について意見が出された。
千曲市のケアマネジャーで、病院存続の署名活動を続けている丸山貴広さんは「閉院にまで陥ったのは医師不足の問題だけではない。スタッフの意識改革も必要では」と同病院の対応を指摘。
同病院の検査技師、南雲啓二さんは「医療は期限を切ってやめられるものではない。病棟で患者さんを見ると病院がなくなった後のことを不安に思う」と発言した。
「長野赤十字上山田病院を存続させる会」の井澤仁男代表委員は「病院を残してほしいという気持ちは私たちだけではなく住民の皆さんも一緒だと実感。いずれは県や国にも働きかけないといけない問題」と話した。
毎日新聞 2007年11月24日