■悩めるチベットを利用?
先日の苦渋のダライ・ラマ法王の意思表示がなければ
純粋にGJなんですが、そこにはしたたかさが漂っています。
「独立を支持」となぜ言わぬ^^
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鳩山幹事長、チベットの高度な自治を支持・中国反発も
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071123STXKF002423112007.html
(日経)
民主党の鳩山由紀夫幹事長は23日午前、都内のホテルで、来日中のチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世と会談し、14世が中国に求めている「高度な自治」を支持する考えを表明した。
チベット独立の精神的象徴でもある14世の日本入国を「祖国分裂活動に場を与える」(劉建超報道局長)と批判している中国政府が鳩山氏の発言に強く反発するのは必至だ。
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-強く反発するのは必至だ-
という言葉はテンプレです^^
さて普通に聞くと「兄ポッポGJ」なんですが
非常に高度な民主党戦略であります。
ようは米民主党などが求める(これは正しい)チベット問題解決について
仲介者をきどるアピールでしょう。
しかも、それほど中国の反発を呼ばないという読みもある。
ダライ・ラマ法王はチベット民主化のために
現実的な判断をしなければならない状況にあります。
数日前の流れから
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台湾独立支持せず ダライ・ラマ 中国意向受け入れ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007112202066310.html
(東京)
来日中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ十四世が、在日の中国民主化運動家らとの会談で、中国政府がダライ・ラマと直接対話を再開する条件としている台湾独立の不支持を、事実上受け入れる意向を示したことが二十一日分かった。
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ダライ・ラマは台湾の将来について「独立、統一、現状維持のいずれを選ぶかは、台湾住民が決めるべきことだ」としながらも、独立派の動きに関しては「国益を考える必要がある」と疑問を呈したという。この発言は、実質的に台湾独立を支持しない考えを示したものとみられる。
中国の温家宝首相は今年三月、ダライ・ラマと直接対話を行う条件として(1)チベット独立を放棄する(2)台湾独立を支持しない-の二つを列挙。ダライ・ラマは既に、チベットが中国の枠内で「真の自治」を目指すことを再三表明している。
今回の発言は間接的ながら温首相への回答ともいえ、七十二歳と高齢のダライ・ラマが中国との対話実現を急いでいる事情をうかがわせている。
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法王は「中国の枠内」での自治を求めています。
これは、
・チベット問題に対する国際世論の高まり
・北京五輪などを控えた中共執行部の譲歩の現実性
を見て
強固な独立意志を後退させつつ
現に問題となっている弾圧の停止と形骸自治の正常化を
北京の顔を立てつつ、為しえようと模索しているわけです。
共同なので、細かなニュアンスまではわからない。
ただ、法王の「中国の枠内での真の自治」に呼応する形での
「高度な自治」支持表明というのは
法王の示唆する形式上の中国統治容認下での自治の達成という
中国の顔をたてた形での祖国解放を
北京も受け入れる事を検討している段階
であることを認識した上でのアピールと考えればよい。
これであれば、国際世論に対応しつつ
中共、チベットの仲介者的立場をもアピールできるわけです。
まさにしたたかというか、鳩山プロットなわけで
法王の台湾独立不支持言質を待ち構えての
「高度自治支持」表明。
で
民主は小沢大訪中団を二週間後に中国へ向かわせます。
まさに「手土産」状態。
多少の中共の反発表明は掛け合い漫才でしょう。
民主・小沢代表が12月訪中 千人規模の「大訪中団」に
http://b.hatena.ne.jp/entry/5919862
法王の苦悩とは何か・・・
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私の後継者は例外的な方法で選出、 とダライ・ラマ法王
http://www.tibethouse.jp/news_release/2007/071018_hhdl.html
(ダライ・ラマ法王日本代表部事務所)
ダライ・ラマ法王は、自分の後継者は、生まれ変わりを探しだすという過去数世紀にわたっておこなわれてきた伝統的な方法でなく、何人かの高僧の中から選出することもあり得る、とダライ・ラマ法王が公表した。
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中共の非人道的統治は常軌を逸しています。
現実的段階を模索し苦悩するチベットを
政治的プロットに取り込むのはなんだかなぁ・・と。
まぁ、今後の中共と民主の掛け合い漫才に興味はありますが。