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2007年11月24日

 富山県立山町の常願寺川上流で土砂崩れが発生、一時は川幅の三分の二が埋まった。三年前に吊り橋まで流した白山別当出合の土石流とともに「生きている山」の素顔を見た思いである

一世紀以上に及ぶ砂防工事が続く立山や白山の山ヒダには、人力の遠く及ばない荒々しい自然が今も残っている。噴煙こそ見せないが、立山も白山も「火山」であることをあらためて考えるのである

つい二十年ほど前まで使えた言葉「死火山」「休火山」は、今や死語である。もう噴火しないとされた死火山や、何百年も静かな休火山が突然噴火するケースが続いたために「火山」で統一することになったのである

先日、長崎県島原市で「火山都市国際会議」が開かれた。来月からは気象庁が国内の各火山を対象にして噴火警報を出すことにもなった。北陸は深刻にならなくてもいいだろうが、立山や白山を注意深く監視し続ける必要があるのかもしれない

もっとも、人間社会には「死火山」と思っていた人が突然復活し、あるいは「休火山」であるはずの元大物がマグマを噴き出す政界山脈というのもある。これらの観測も実に難しい。


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