BSEの国内感染源「代用乳」有力 肉骨粉説の見解覆す2007年11月22日 国内で発生した牛海綿状脳症(BSE)の感染源は、子牛が飲む代用乳の原料のオランダ産油脂が有力とする調査結果を、吉川泰弘・東京大教授(獣医学)らの研究グループがまとめた。国内で感染牛7頭が確認され、農林水産省は03年9月に英国産輸入牛で製造した肉骨粉やイタリアから輸入した肉骨粉の可能性を指摘し、代用乳には否定的な見解を示していたが、今回の研究成果は、それを覆すものだ。 国内では、これまで33頭の感染牛が確認されている。代用乳に使う油脂は02年から輸入も含めて規制され、今は感染源になる恐れはないという。 食品安全委員会プリオン専門調査会の座長を務める吉川教授によると、感染牛のうち13頭は95年12月から96年8月の短期間に生まれ、北海道と関東に集中していた。95年暮れにオランダから輸入された油脂で作った代用乳が13頭すべての体内に入った可能性が強いという。一方で英国やイタリア産牛の肉骨粉は、その販路をたどると13頭の牛がいずれも口にする可能性がなかった。 吉川教授は、代用乳による感染牛がこれ以外におり、01年の全頭検査実施前に死んだため、見逃されて肉骨粉や代用乳用の油脂になったとみている。99年から約2年間に北海道で生まれた牛16頭が感染したのも、この飼料が原因と推定できるという。 ただ、これだけ多くの牛が感染するには、数十頭の感染牛の油脂が代用乳に使われる必要があるが、オランダでの現地調査でも病原体が混入した確かな証拠が見あたらなかったという。 吉川教授は「状況証拠はクロだが、油脂が相当高濃度に病原体に汚染されるなどの条件が必要だ。現状のデータでは、分からないことが多い」としている。 この記事の関連情報健康
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