▽医療センターと中国労災病院、地元専門部会が承諾
産科医師不足を受け、広島大や広島県が産科医療の集約化を検討する中、呉市地域医療検討専門部会(豊田秀三会長)は二十一日、呉、江田島市をエリアとする呉二次保健医療圏で来年四月から、分娩(ぶんべん)可能な医療機関を呉市の国立病院機構呉医療センターと中国労災病院に集約することを承諾した。呉共済病院での分娩はできなくなる。
■広島大・県の意向反映
呉市、五つの公的病院、呉市医師会で構成する専門部会は、十月十五日から三回開いた。高度医療に対応できる設備や地理的条件などを考慮し、二病院に医師を集中させる広島大と県の提案を承諾。広島大などに三病院体制の継続も要望したが実現しなかった。
集約の方針は二十九日、県や江田島市を含めて開く呉地域保健対策協議会で報告される。
産科医師数は現在、呉医療センターが七人、呉共済病院が三人、中国労災病院は二人。
集約化で、広島大が医師を引き揚げる呉共済病院に産科医師はいなくなるが、呉医療センターに現在と同じ七人、中国労災病院には広島大からの派遣で六人が配置される予定という。
三病院での分娩件数は昨年度、五百六十八〜六百十五件だった。今後の分娩については、産科医師が実務者会議で振り分けを考え、広島市内の病院への受け入れ要請も検討。呉市は近く、市保健所内に市民の不安を解消するための相談窓口を設ける。(増田咲子)
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