世界のアニマルマジシャンへ 独学で技考案 西区の板倉さん
2005/05/21 「たくさんの人を驚かせ、楽しませたい」と話す板倉さん=西区押部谷町 舞台の照明が変わる。その瞬間、スポットライトに照らされた右手から、トランプに続き、本物のネコが次々に飛び出す―。西区押部谷町の十六歳の少年が、日本初の「アニマルマジシャン」を目指し、活動している。独学で新しい技を編み出し、自作のホームページで全国から出演依頼を受け付ける。夢は「世界にアニマルマジックを広げる」。後継者不足に悩むマジック界からも、期待が集まっているという。(広畑千春) 板倉千宏=本名・高野達也さん(16)。小学六年の冬、通信教育で覚えた手品をクラスで披露。教室を満たした歓声に、「将来はプロのマジシャンになる」と決め、中学卒業と同時にプロとして歩み始めた。 滑らかな手の動きや技のタイミングなど毎日五―六時間練習する。二年前「動物が次々に登場したら面白い」と、帽子からハトを出すなど、これまではショーの一部だった芸をメーンに据えた「アニマルマジック」を考案した。 動物がメーンのマジックは日本初といい、登場させる動物は数十匹のネコに、ハト、ハムスター…。約千二百種類の芸のうち、半分で動物を使う。両親や中学の担任も宣伝などで応援。口コミで人気が広がり、今は自作のホームページで出演依頼を受け付けている。アシスタント六人と横浜から広島まで飛び回り、昨年秋には全国のマジシャンが集まるイベントにも出演した。 同級生は、高校二年になった。観客にやじを飛ばされ、辞めたくなったこともあるという板倉君だが、「夢を追い掛けている今が面白くてたまらない」とひとみを輝かせる。舞台を見て「自分もやりたい」と声を上げる“門下生”も出てきた。「年間三百本の公演が目標。いつか板倉一門を世界に通用させたい」と夢は果てしない。 [ 閉じる ]
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