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母港に帰還へ、香港寄港を拒否された米空母戦闘群
2007.11.23
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14:07
JST
- CNN/AP
ホノルル――神奈川県・横須賀を事実上の母港とする米海軍の通常型空母キティホークと戦闘群の艦艇5隻が香港寄港を中国当局に拒絶されていた問題で、米太平洋艦隊司令部当局者は22日、同戦闘群は寄港をあきらめ母港へ向かっていることを明らかにした。
司令部当局者は、中国の寄港拒否について、米中間で模索する軍事協力関係を踏まえ「前向きには受け止められない行動」との不快感を表明した。同空母戦闘群は感謝祭の休暇を兼ね、香港に計4日間停泊する計画だった。しかし、香港沖に到着後の22日午前、停泊を拒絶されたことを受け、出航していた。
香港には水兵らと再会するための家族数百人が既に到着していたという。中国外務省の報道官は同日、「人道的観点」を理由に寄港を一転認めると発表していた。報道官は一転しての寄港許可について「人道的配慮からだけの措置である」と述べた。米当局にも連絡済みだという。寄港を拒否した理由には触れなかった。
中国当局による米軍艦船の香港寄港拒否は、米中関係の曲折などを受け、過去にもあった。今回の拒否について、米議会が先に、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世に最高勲章を授与、チベットを自国領とする中国が強く反発したことなどを背景要因とする見方も出ている。
また、米太平洋艦隊司令部によると、キティホークが香港沖に到着する4日前、南シナ海で悪天候に遭い、給油などを求め香港寄港を要請した米掃海艇2隻が拒否された事実も明らかにした。