◇非常勤の派遣減り、根本解決には課題
医師不足を理由に名張市立病院(同市百合が丘西1)が先月導入した内科・循環器科の完全紹介外来制に伴い、両科の10月の初診外来患者が前月比で27%減ったことが分かった。掛かり付け医の紹介状がなく、診察を断った患者は52人に上った。同病院は「(患者減で)医師の外来負担は確実に軽減した」と話している。【金森崇之】
同病院によると、両科の初診外来患者は222人で、9月より82人少なかった。受け付けた紹介状の総数は、昨年4月以降では最も多い計355枚だった。
病院全体の患者数が医師不足により減少傾向にあり、10月の両科の外来患者数は前年同月と比べると221人(49・9%)の大幅減。1日平均でも9月の約17人に対し、10月は約10人だった。
一方、紹介状が無くても、重症患者など54人の受診を例外的に許可した。同病院は「紹介制は浸透しつつあるが、今後も広報に努めたい」と話している。
しかし、三重大からの非常勤医師の派遣が月約4回から約2回に減らされた影響もあり、両科の医師の日・宿直日数は月約6回と、紹介制導入前から変わっていない。同病院は、アルバイトの非常勤医師の雇用も検討しており、「根本的な解決には、伊賀・名張両市が進めている救急輪番制の確立を待つしかない」と話している。
〔伊賀版〕
毎日新聞 2007年11月23日