船橋市は22日、市立医療センター(金杉1、小澤俊院長)で03年6月に医療事故があり、患者の遺族に慰謝料2400万円を支払うことで示談が成立したと発表した。27日開会の12月定例市議会に関連議案を提出する。
同センター総務課によると、患者は同年5月に慢性呼吸不全で入院した習志野市の女性(当時72歳)。女性は自発呼吸が困難になったため、同年6月5日に気管切開の手術を受け、のどに人工呼吸器のチューブを挿入した。
しかし、同日夕、チューブが抜けたことを知らせる警報器が作動。医師らが駆け付け、約10分後にチューブを再び接続したが、意識不明の状態が続き、05年4月に死亡した。
女性は個室に入っており、当時、付き添いはなかった。チューブが抜けた原因は分からないものの、市は医療センター側の管理体制に不備があったと判断した。慰謝料は全国自治体病院協議会(東京都千代田区)からの保険金を充てるという。同課は「今後このようなことがないよう、再発防止に努めたい」と話している。【袴田貴行】
毎日新聞 2007年11月23日