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【溶けゆく日本人】快適の代償(9)機器の魔力 (2/3ページ)

2007.11.23 08:34
このニュースのトピックス溶けゆく日本人

 仕事や生活に役立つ便利な機器が次々と誕生している。しかし、一方で人々がそうした機器に慣らされ、見失ったものも多いのではないだろうか。

 こんな話がある。オール電化の家庭で育った小学生が、学校の理科の実験で燃焼器具のそばに不用意にノートを置き、燃やしてしまった。自宅では火の出ないIHクッキングヒーター(電磁調理器)を使っており、近くに本やノートを置いても問題はなく、火の怖さを理解していなかったのだ。ノートに火が移っても対処の仕方が分からず、友達が水をかけて火を消すのを、ぼんやりとながめていたという。

 現代では携帯電話やパソコンは必需品だが、大阪市の30代の男性会社員は相当な“携帯中毒”だ。電話やメールでのやり取り、ネットによる情報収集など、外回りの仕事のほかプライベートでも頻繁に携帯を使う。夜間の急な電話に応答したり、朝起きてすぐにメールチェックができるよう、眠るときも枕元に携帯を置いておく。そんな生活を続けているため、「自宅近くでちょっと買い物をしたり、散歩をするときも携帯がなければ不安。携帯の使えない乗り物に長時間乗ったときはいらいらする」と打ち明ける。

 カーナビや携帯電話が原因の車の事故も多い。道交法が平成11年に改正され、運転中に携帯電話を持って通話したり、カーナビ画像を注視することが禁止され、16年には携帯のメール画面を注視することなども罰則の対象となったが、違反者は増える一方。警察庁によると、カーナビや携帯の18年の違反取り締まり件数は前年より40万件近くも増え、90万6118件に。交通安全白書によると、カーナビの注視による18年の交通事故発生件数は921件に上った。

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