注目の要旨・全文
消費税率引き上げの必要性を明記した政府税調の答申など
【社会】温暖化対策で経産省 ITの電力下げろ 水冷式サーバーなど開発へ2007年11月23日 朝刊 地球温暖化の防止に向けて、経済産業省は来年度からIT機器の省電力化に乗り出す。その目玉として、インターネット上での情報伝達の要となる大型サーバー機器の冷却を、空冷式より冷却効率が高い水の循環で行い、電力消費を抑える技術開発を民間と共同で始める方針。 IT化の進展によってサーバーやパソコンなど関連IT機器の電力消費量が、年間五百億キロワットと国内総電力消費量の5%を占めるまでに拡大。二酸化炭素(CO2)換算で年間二千六百万トンに相当し、温室効果ガスの主要な排出源となりつつある。このため経産省は、IT機器の省エネを目指す「グリーンITプロジェクト」を創設。来年度に総額四十八億円の予算を要求する。 このうち、水冷式サーバーの開発には事業費二十億円を見込む。サーバー内に複数搭載されている硬貨ほどの基幹部品、中央演算処理装置(CPU)の上に金属製の箱を設置。箱に極細パイプを取り付けて水を送り込む。サーバーの熱で四〇−五〇度になった排水は、乾燥剤の原料「シリカゲル」の熱吸引作用で冷やし、車のラジエーターのように循環させる仕組み。 送風ファンと室内冷房により電力消費量が多くなりがちな空冷式の従来型サーバーに代わる水冷式サーバーを開発することで、電力消費量を二−三割削減させることを目指す。 また、大型ディスプレーの電力消費量を半減させる「有機EL」といった次世代画面の開発などにも取り組む。経産省によると、今のペースのままだと二〇二五年には、IT機器の電力消費量が現状の五倍近い年間二千四百億キロワットに伸びる見通しだが、一連の取り組みで四割程度少ない年間千四百億キロワットへの抑制を目指す。 サーバー インターネットなどネットワーク上に情報を提供するコンピューター機器。膨大な電子データを保存、他のコンピューターに伝達する。通信会社や金融機関は、多数のサーバーを集積したデータセンターを持ち、データを管理している。経産省によるとサーバーの台数は現在約60万台。2025年には180万台以上と予測する。
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