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世代論:ケイタイ格差、キャバクラ自由主義な「ジェネレーションZ」とは!?

 80万部を記録した「下流社会」の著者で、シンクタンク「カルチャースタディーズ研究所」主宰の三浦展さんが、バブル崩壊期に誕生し、小学生のころから携帯電話や携帯音楽プレーヤーを使ってきた15~22歳(07年時点)を「ジェネレーションZ」(Z世代)と名付け、16日、その特徴を東京都内で報告した。Z世代のキーワードは「ケイタイ格差」「キャバクラ自由主義」「よさこいナショナリズム」「バーチャル・スピリチャリズム」とのこと。いったい、どんな若者たちなのだろうか。

 調査は、三浦さんと総合広告会社「スタンダード通信社」などが、85~92年生まれの若者を対象に7~10月に実施。パソコンによるインターネット調査(有効回答1173人)、携帯電話調査(同3653人)、イベント会場などでの個人面接(同約100人)--を通じ、それぞれ質問に答えてもらった。

 まず三浦さんが指摘するのは「ケイタイ格差」。PC回答者と携帯回答者の回答を比べると、生活水準を「上流」と答えた人は、PC回答者の方が携帯回答者より10ポイント以上多い結果となった。また、携帯回答者には「勉強嫌い」が多いが、PC回答者よりも「今後の生活に対する希望」を持っていることが分かった。この他にも、携帯利用者とPC利用者の間にさまざまな「格差」があるという。

 次に、性については自由になっているが、なりたい職業と実際になれる職業のギャップに悩んでいる「キャバクラ自由主義」。「なりたい職業」を聞いたところ、1位ミュージシャン、2位音楽関係、3位雑貨屋……と「いかにも夢見がちな職業」(三浦さん)が続き、なんと11位にはキャバクラ嬢・ホステスがランクイン(21.8%)。ちなみに公務員は16位で17.9%だった。

 また「なりたい職業」と「性体験」の相関関係を調べたところ、「複数の異性と経験がある」と答えた人がなりたい職業は、1位がキャバクラ嬢・ホステス(41.8%)で、2位が経営者、社長(37.8%)という面白い結果に。一方、「今後の生活に対する希望」が「ない」人がなりたい職業は、1位が薬剤師(24.5%)、2位がキャバクラ嬢・ホステス(24.4%)。三浦さんは「薬剤師を選んでいる人は非常に手堅く、自分の夢を実現する職業というよりつぶしのきく職業を選んでいる。キャバクラ嬢・ホステスはとりあえず今希望がないから給料の高い職業を選んでいるのでは」とみている。

 さらにZ世代の特徴は「日本が好き・地元が好き」。この世代では「よさこい」や「ソーラン節」を踊ったことのある人が23.5%、女子高生の携帯回答者では5割以上に上ることから、「よさこいナショナリズム」と命名した。「よさこい」だけでなく、浴衣や甚平、和柄プリントの小物など「和物」に対する抵抗がなく、音楽ジャンルでは8割が「Jポップ」を好む。好きな映画も、女子の半数が「洋画」より「邦画」を選んでいるのが特徴だ。

 最後に、三浦さんは「バーチャル・スピリチャリズム」を挙げた。「奇跡を信じる」人がPCで3割、携帯で7割に上り、携帯の女子の55%が「人間には前世がある」と信じている。また43%が、スピリチュアルカウンセラーの江原啓之さんを信じていた。

 三浦さんは、「90年代のバブルの崩壊によって日本社会の価値観が大きくゆらぎ、震災、オウム、酒鬼薔薇事件(神戸児童連続殺傷事件)などショッキングな事件が相次いだ。あるいはお父さんの会社が倒産した経験があるなどして、90年代に物心がついたZ世代は、これまでの日本人とは同じものを信じることができないのではないか」と指摘している。

 ちなみに、「ジェネレーションZ」は、「ジェネレーションX」、「ジェネレーションY」に続く世代、ということで「Z」と名付けられたという。「Z」の次は何になるのか……。【米岡紘子】

 2007年11月18日

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