ランビックは培養された酵母を使用せず、自然にある野生酵母を利用して発酵させるベルギーの伝統的なビールです。
ランビックに使われる酵母は生息地が限られており、生産地はブリュッセルとその近郊の一部に限られています。
多くのランビック醸造所では麦芽にしない小麦を30%ほど、残りは大麦麦芽を使用しています。ホップも通常は新鮮なものを使うのですが、ランビックの場合は3年以上も寝かせて酸化した古いものを大量に使います。これはホップの香りや苦みを必要とするのではなく、酸化防止のために利用するからなのです。
通常の何倍もの時間をかけて煮沸された麦汁は、「屋根裏」に設置されたふたの無い浅くて広い容器に入れ冷されます。ここで野生酵母をとり入れるのです。ランビック醸造所では野生酵母のために窓や通気孔も開けたままにし、掃除や改装もしません。冷却された麦汁は古いオークの樽に入れられ発酵し、その後2〜3年以上熟成されます。
樽には驚く事にクモの巣がいっぱいはられていますが、これも取り除かれる事はありません。クモはビールに好ましくない微生物を運んでくるショウジョウバエを食べてくれるからです。
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