都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例の制定依頼について
平成19年11月22日
教育庁
東京都教育委員会は、このたび、団塊世代教員の大量退職時代を迎え、ベテラン教員の多くのマンパワーが失われていく中で、様々な問題の解決と学校の質の維持・向上に、これまで教職を長く経験してきた者の豊富な知識と経験を活かしていくことを目的として、現行の非常勤講師(時間講師)のほかに新たに日勤講師(非常勤教員)を設けるため、別添のとおり都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例を制定依頼いたしましたので、お知らせします。
問い合わせ先 教育庁人事部勤労課 電話 03−5320−6802 |
〔別紙〕
都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例の制定依頼について
都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例を知事あてに制定依頼する件について、東京都教育委員会の権限委任等に関する規則第2条の2に基づき、教育長の臨時代理により処理したので報告する。
I 再雇用制度を取巻く状況
1 都全体での見直し(総務局)
平成19年11月15日妥結内容
再雇用制度の原則廃止(平成20年度から)
主な廃止理由
- 大量退職によるマンパワー不足
- 職務上の制約(特に月13日勤務の場合)
定年退職後の雇用は再任用に一本化
ただし、再任用に引き続く者、勧奨退職者を対象とした再雇用制度は、月16日勤務のみで一部残存させる。
既退職者の取扱い
月16日勤務の再雇用又は再任用で任用可能とする。
2 教育職員における状況・課題
(1)教員の大量退職
平成20年度以降大量退職時代を迎え、ベテラン教員の多くのマンパワーが失われていく。
(2)再雇用制度の廃止
都の制度として一体的に運用しており、総務局の廃止方針を受けて、教員の再雇用制度についても廃止することになる。
(3)再任用一本化における課題
- フルタイム誘導にあたっての課題
任用期間中、年金支給が停止されるため、教諭の場合、短時間勤務との年収額の逆転現象が発生する。 - 短時間再任用の活用上の制約
常勤でない点から、学級担任となれず、小学校全科は活用不可能である。
中学校・高等学校は、教科担任制なので活用可能だが、定数内のため、その分現役の常勤職員が減る。そのため、大量採用すると担当業務に時間的な制約があることからマンパワーがダウンする。
(4)現行の再雇用の担っている業務の担い手
再雇用制度の単純な廃止は、これまで再雇用の活用により対応してきた業務の担い手を欠くことになり、教育の質の低下をもたらす。
II 対応策
1 退職者活用の方向性
(1)再任用制度
- フルタイム勤務…新規採用を抑制し、ベテラン教員の能力の活用を図る観点から、引き続き活用を図る。
- 短時間勤務…中学校・高等学校の教科担任として、できる限り任用を拡充していく。
(2)新非常勤教員制度(新設)
新たな非常勤教員制度を設けて、再雇用が担ってきた業務のうち、欠かせない業務の受け皿とする。
さらに、新非常勤教員制度では、月原則16日勤務とし、個々人に対し職務内容を明示するなど積極的活用を図り、教育の質の一層の向上につなげていく。
2 新非常勤教員制度概要
(1)導入目的
団塊世代教員の大量退職時代を迎え、ベテラン教員の多くのマンパワーが失われていく中で、様々な問題の解決と学校教育の質の維持・向上に、これまで教職を長く経験してきた者の豊富な知識と経験を活かしていく。
(2)職務内容
学習・教科指導、その他都教育委員会が指定する職務
職務内容例
- 学力向上のための指導(TT、少人数指導、補講・補習等)
- 校務分掌業務、副担任業務
- 教育相談業務、保護者対応
- 小一問題対応
- 初任者等若手教員への支援・助言 等
(3)制度化の手法
非常勤講師条例を改正し、現行の時間単位講師とは別の日勤の講師(非常勤教員)を設ける。
(4)任用条件
教員経験年数等の一定要件を備えている者を対象に選考を実施、任用する。当面は、都公立学校教員退職者を対象とし、数年後からは公募も実施する。
(5)任用数等
業務量及び新非常勤教員希望者数の精査を行った上で、配置数、配置基準を設定する。
(6)勤務条件等
- 勤務日数は月平均16日とし、月毎に勤務日数を設定する。
- 1日原則8時間勤務とする。
- 報酬は月額制とし、現行の16日再雇用職員報酬と同水準とする。
(平成19年報酬額:197,000円)
導入スケジュール
- 講師条例改正(平成19年四定)
- 選考実施(平成19年12月〜平成20年1月)
- 任用開始(平成20年4月)
III 条例改正の概要
都立学校等に勤務する講師の報酬等に関する条例の一部を改正する条例(概要)
(1)日勤講師の定義(第2条)
- この条例において「日勤講師」とは、都立学校等に勤務する教員で常時勤務することを要しないもの(再任用短時間勤務職員を除く。)のうち1日を単位として勤務するものをいう。
(2)勤務時間(第9条)
- 日勤講師の勤務時間は、休憩時間を除き、1日につき8時間とする。ただし、職務の性質によりこれにより難い場合の勤務時間は、1日につき8時間を超えない範囲内において教育委員会規則で定める。
(3)休暇の付与(第10条)
- 日勤講師には、次に掲げる休暇を教育委員会規則で定める基準により付与するものとする。
一 年次有給休暇
二 特別休暇 - 前項第2号に規定する特別休暇は、選挙権の行使、結婚その他の特別の事由により、日勤講師が勤務しないことが相当である場合における公民権行使等休暇、子どもの看護休暇、慶弔休暇及び夏季休暇とする。
(4)報酬の額等(第11条)
- 日勤講師には、月を単位とし、非常勤職員の報酬及び費用弁償に関する条例第2条に定める額を超えない範囲内において教育委員会規則で定める額の報酬を支給する。
- 前項に規定するもののほか、報酬の支給方法その他必要な事項は、教育委員会規則で定める。
(5)報酬の減額(第12条)
- 日勤講師が、第9条に規定する勤務時間の全部又は一部を勤務しないときは、第10条第1項各号に掲げる年次有給休暇又は特別休暇を承認された場合を除き、教育委員会規則で定める方法により算定した額を減額して報酬を支給する。
- 前項の規定にかかわらず、教育委員会規則で定める事由により勤務しない場合は、教育委員会規則で定めるところにより報酬の減額を免除することができる。
(6)費用弁償(第13条)
- 日勤講師が公務のために出張し、又は赴任したときは、その費用を弁償する。
(7)施行期日(附則)
- 平成20年4月1日