和歌山労働局(和歌山市)が、就職活動中の学生にどのような企業で働きたいかを聞いたところ、残業が少なく休暇が取りやすい「仕事と生活の両立ができる企業」を最も望んでいることが分かった。能力次第で昇進や昇格ができる企業や、給料の高い企業を望む割合は低かった。和歌山労働局は「若い人の価値観が変わっている。仕事やお金以外に価値を見いだす傾向がある」と話す。 和歌山労働局は8月、学生がどのような働き方を望んでいるのかを把握するため、県内企業への就職を希望する大学生や短大生らを対象にしたアンケートを実施。326人(男200、女126)が回答した。 どのような企業で働きたいかの質問(複数回答)では、「仕事と生活の両立ができる企業」が56・4%でトップ。残業が少なく休暇を取りやすい企業を望む声が多かった。 「責任ある仕事を与えられ、やりがいが感じられる企業」が46%、「自分の持っている知識や技術が生かせる企業」が36・8%で続いた。「能力次第で昇進、昇格できる企業」は28・2%、「給料が高い企業」は15・3%で低かった。 和歌山労働局は「給料が高い企業を求める割合が一番低く意外だった。お金よりも別のところに価値を見いだしている」と話す。 いつまで働く予定かとの質問については「定年まで」の回答が61・3%でトップ。男性は84・0%で女性の25・4%を大きく上回った。女性は「結婚、出産まで」と「結婚、出産により一旦退職し、子育てが一段落して再び働く」を合わせた割合が61・1%と高かった。結婚や出産で退職する理由としては「家事、育児と仕事を両立することが難しいと思われるから」が48・5%、「仕事より育児や子育てを自分の責任でやりたいから」が39・4%と高かった。 希望する職種については複数回答で、事務が52・8%でトップ。販売・サービスが33・1%で2位。営業は29・8%で3位だった。技術職(11・3%)や専門職(5・5%)は低かった。男女別では男性は営業が43・0%でトップ。次いで事務36・0%、販売、サービス31・0%。これに対し、女性は事務が79・4%、販売、サービスは36・5%だった。