銭湯。最近めっきりその数を減らしてしまいましたが、そこはまさに下町のワンダーランド。一言で言えば、演歌がガンガン流れる地元のオッチャンオバチャンの社交の場です。また、番台には街中ではあまり見かけないようなシャンプー、石鹸類がわんさか置かれ、その横っちょにある冷蔵庫の中には、「おふろドリンク」と呼ばれる個性的な飲み物たちが詰め込まれています。 脱衣所から浴室に一歩足を踏み入れると目に飛び込んでくるのが黄色い洗面器。それがMr.Tのお気に入り、「ケロリン」洗面器です。実際、製造年によってさまざまなバリエーションがあるようです。聞いた話によると、そもそものケロリン洗面器は白色だったとのことですが、汚れやすいという理由で昭和43年頃から現在の黄色になったとのことです。 |
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一見痛み止め薬の広告入りの黄色い洗面器なのですが、ただの洗面器と思えば大間違い。睦和商事という会社が一手に製造を引き受けているこの洗面器は、「万年桶」とも呼ばれるほど丈夫なものなのです。実際Mr.Tは、先述の「白ケロリン」を所有しています。入手したのはごく最近のことなのですが、前所有者の話では、実際にすでに廃業した銭湯にて使われていたものだとのこと。製造年度から少なく見積もっても37年は現存していることになります。実際、経年変化に伴う多少のくすみはありますが、傷はほとんどなく、割れ、欠けも全くありません。 |
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また、ケロリン洗面器には、小さくて浅めの「関西版」と大きくて深めの「関東版」の2種類の大きさがあります。この大きさの違いの所以は銭湯文化の違い。そもそもは「関東版」が標準であったものが、関西では浴槽からかけ湯をする習慣があり、大きくて深めの洗面器ではかけ湯に不向きだとの理由から、小さくて浅めの関西版が生み出されたとのことです。 |
使えば使うほど味が出るこの黄色い洗面器。東急ハ○ズやロ○トにて入手することが可能です。興味がおありの方は、ぜひ一度お試しください。なお、「白ケロリン」は現在生産していないので、中古品を探すことになります。非常にレアな品物ゆえ相場はかなり高めですが、某ネットオークションにて格安出品されることがありますので、入手したい方はこまめなチェックをお勧めします。