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阿波踊り体操、ロスでブーム 徳島大教授が考案

2007年11月20日

 徳島県の阿波踊りの動きを取り入れた健康体操「阿波踊り体操」が、肥満大国の米国ロサンゼルス市で静かなブームになりつつある。緩やかな踊りの動きでダイエット効果や、生活習慣病予防を狙う。ロス生まれで大ヒットした「ビリーズブートキャンプ」との最大の違いは手軽さ。ビリー隊長の厳しいレッスンから「脱走」した人にも、「これなら続けられる」と好評だという。

写真2世ウイーク・フェスティバルで披露された阿波踊り体操。米国人にも好評だという=8月、米国ロサンゼルス市で

 同県は93年から糖尿病死亡率が14年連続で全国ワースト1。糖尿病につながる肥満を解消するため、県が05年に発表した体操は、腕を高く上げて頭の前で前後させたり、足を腰のあたりまで上げ下げしたりする阿波踊りの動きが取り入れられている。約3分半、肩や腰などの筋肉を鍛える。イスに腰掛けたままできるシニア編もある。

 アメリカ進出のきっかけをつくったのは、ロサンゼルス徳島県人会長の藤井真知子さん(54)。かつて、ブートキャンプのDVDを購入したが、「5分もやったら息が切れた。きつすぎて続かなかった」と挫折した。

 徳島に里帰りした今年1月、参加した健康教室で体操を知った。「お祭り好きのアメリカ人にも受けるはず」と、考案者の徳島大学の田中俊夫教授(スポーツ社会学)に声をかけた。

 今夏、渡米した田中教授は、平均年齢が80歳を超える老人ホームや、日系人の会合で、体操を披露。藤井さんがリーダーの現地の阿波踊りグループ「徳島連」のメンバー約40人が、普及のリーダーになるために、細かい指導を受けた。ロスのリトル東京で開かれた日系人社会の祭り「2世ウイーク・フェスティバル」では、観客約200人を前に実演した。

 その模様は現地の日本語新聞などで大きく取り上げられ、藤井さんの元には、70、80代の日系2世らから「ぜひうちの町でも実演して」「体操のDVDがほしい」と要望が相次ぐ。

 生活習慣病が日本以上に深刻な米国。人口は日本の2倍強だが、糖尿病の患者は8倍以上の推定2千万人とも言われる。田中教授は「阿波踊り体操は、ハードな運動やダイエットに二の足を踏む人たちを救える。米国でのニーズは日本以上に高いはず」と話す。

 阿波踊り体操の問い合わせは徳島県健康増進課(088・621・2220)。

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