関係記事:(いずれも朝日コム

「人間の盾」で活動の代表、イラク救援募金5百万円流用  (2004/02/02 16:03)
http://www.asahi.com/national/update/0202/019.html

 イラク戦争中、「人間の盾」として現地で反戦活動をしていたアラブイスラーム文化協会のジャミーラ・高橋代表(63)=東京在住=が、「イラクの子どもたちの救援に」などとして集められた募金約500万円を、東京都内のモスク(イスラム教会)関係者に預け、モスク側はこれを土地・建物の購入などに用立てていたことが分かった。朝日新聞記者の取材に対し高橋さんは「モスクが学校開設のために必要としていたのでイスラムのためになると判断し、預けた。請求すれば返してもらえる」とし、「一時的に流用」したことを認めている。

 文化協会は昨年7月、日本ボランティア会(本部・東京)がイラク救援を掲げて集めた街頭募金など約200万円を受け取った。昨年9月までに同協会や関連団体が「米軍が使用した劣化ウラン弾の被害者のために」などとして集めた募金や寄付金も合わせた約500万円を、東京・大塚のモスク、日本イスラーム文化センターの代表に預けた。

 昨年9月29日付で交わされた高橋代表とモスク代表との契約では、500万円はモスク側が隣接するイスラム学校開設用の土地・建物の購入資金に充てるために借用する形を取り、今年3月29日に返すことになっている。が、両者が合意すれば、借用契約はさらに延長できるという。

 モスク側は「我々が援助を要請したことは確かだが、イラク救援募金だと分かっていれば受け取らなかった。早急に返したいが、すぐにはめどが立たない」としている。

 また、高橋代表は、休業中の神奈川県小田原市の医薬品会社が無許可の工場(貸倉庫)で製造・販売していた有機ヨード剤(商品名ネオマキス)を一般からの募金をもとにした資金でこれまでに260万円分以上購入。無許可製造の注射液などとともに、「劣化ウランの被害やがんに効く」などとしてイラクの病院などに届けていたことが分かり、神奈川県衛生部が調査を始めた。


モスク側、全額を返金 イラク募金流用問題   (2004/02/05 10:44)
http://www.asahi.com/national/update/0205/013.html

 「イラクの子どもを救うため」などとして集められた募金をジャミーラ・高橋・アラブイスラーム文化協会代表(63)が流用していた問題で、募金500万円を借用していた東京・大塚のモスクは4日までに、全額を同協会に返金した。

 高橋氏は「モスクに用立てたことは不注意でした。おわび申し上げます」との声明を出した。うち200万円はすでに募金団体の日本ボランティア会(渡辺千鶴会長)に返し、残り300万円は劣化ウラン被害の調査をしているカナダの団体に寄付することで関係者の了解を求めている。

 日本ボランティア会は「本来の趣旨を生かすため」、返金された募金を全額、イラク救援金として国連児童基金(ユニセフ)に寄付したという。


ユニセフ、募金2百万円受け取り拒否 イラク募金流用   (2004/02/07 17:18)
http://www.asahi.com/national/update/0207/023.html

 「イラクの子どもを救うため」などとして集められた募金をアラブイスラーム文化協会のジャミーラ・高橋代表(63)が流用していた問題で、高橋代表から募金200万円の返還を受けた日本ボランティア会(渡辺千鶴会長)が、全額を日本ユニセフ協会に送金したものの、ユニセフ側が受け取りを拒否し、返金していたことが7日、わかった。

 理由をユニセフ協会広報室は「日本ボランティア会が昨年、ユニセフへの寄付実績も委託もないのに、『イラク救援ユニセフ募金』などとして街頭募金を展開したため」とした。ユニセフは日本ボランティア会との関係について、これまでも「一切ありません」と注意を呼びかけていた。

 ボランティア会の渡辺会長は今回が初の送金であると説明するとともに、拒否されたことは認めた。が、「送金前にユニセフを名乗った街頭募金はしていない」などと話している。同会はイラクで医療援助などをしている日本国際ボランティアセンター(JVC)にも寄付を打診したが、JVCも6日、受け取りを断ることを決めた。

 これによりアラブイスラーム文化協会で保管している300万円も合わせ、計500万円の市民の善意が宙に浮いた形になっている。日本ボランティア会では「イラク救援をしている団体で受け取ってもらえるところを探す」としている。

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