HIVの感染件数に関し、世界規模では減少傾向にあるのに対し、英国内では逆に増えており、英国は西・中央ヨーロッパ諸国の中で唯一、HIV感染が増加した国となったことが、国際機関「国連合同エイズ計画(UNAids)」の調べで明らかになった。
全世界における新たなHIV感染の報告件数は昨年だけで、3,950万件から680万件減り、3,270万件となったのに比べ、英国では7,700件から1,225件増え、8,925件となったという。
英国の感染件数増加は、感染テストが普及したことや、同性愛者間、異性愛者間にかかわらず、性交による感染が相変わらず続いていることに起因するとみられている。
英国のエイズ基金団体「テレンス・ヒギンズ・トラスト」では、地域社会、あるいは全国レベルでの対策がHIV感染を予防するために十分ではないとして、HIV感染問題に新たな焦点をあてる必要があると訴えているという。
今回の調査報告ではさらに、ベトナム、インドネシアを中心としたアジア地域や東ヨーロッパでのHIV感染拡大にも懸念が寄せられており、感染者数は東ヨーロッパと中央アジアで合計160万人、南および東南アジアでは400万人とされているが、感染が最も深刻な地域は感染者数2,250万人という、アフリカのサハラ砂漠地域であるとされる。
なお、「国連合同エイズ計画」では、感染者数の世界的な減少傾向はこれまでの努力が実を結んだ証拠であるとし、今後も感染予防にますます尽力していく意向を表明しているという。
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