守山市民病院(守山市)に入院していた女性(当時72歳)が意識障害に陥った末、死亡したのは病院側の過失だとして、女性の遺族が同市を相手取り、慰謝料など約3850万円の損害賠償を求める訴訟を大津地裁に起こした。
訴状によると、女性は96年に筋肉が弱って動けなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」を発症。別の病院で呼吸困難を改善するために気管を切開する手術を受けた。女性は守山市民病院に転院して以降、人工呼吸器を装着。しかし、98年10月、看護師が呼吸器を取り外したまま、他の仕事で病室を離れた結果、女性は心停止状態に陥り、いったんは蘇生したが、意識は回復せず、01年6月に死亡した。
原告側は「病院は診療契約に基づいて適切な医療を提供する義務を怠った」と主張。被告の同病院は「弁護士と検討して対応を決めたい」としている。【豊田将志】
毎日新聞 2007年11月22日