著書

(1)昭和初期政治史研究 単著 昭和44年5月 東京大学出版会

昭和5年にロンドンで開かれた海軍会議において補助艦艇保有率が協定され,日本は英米の7割弱と定められた。この政策決定をめぐって国内の様々な政治勢力が提携・対立抗争した。それを分析する事を通じてこの前後における日本政治の構造を明らかにした。

(2)十五年戦争 単著 昭和51年8月 小学館

「日本の歴史」30として,昭和6年の満州事変の勃発から昭和20年の太平洋戦争敗戦にいたるまでの歴史的展開を概説したもの。(索引等を含めて406頁)

(3)近代日本研究入門 共編著 昭和52年12月 東京大学出版会

非マルクス主義的な立場から,日本近代を研究しようとする人々に向けた入門書で,序説と第一部時代,第二部構造,第三部研究の手引からなる。「はじめに」を共編者である中村隆英氏と連名で,第一部の中の「派閥と民党」制」(33-49頁),「戦時体制」(87-104頁),第三部の中の「歴取りについて」(279-286頁)を執筆。他の分担執筆者は,佐藤誠三郎,坂野潤治,三谷太一郎,中村隆英,渡辺昭夫,原朗,三谷博,佐々木隆,宮崎ふみ子,有馬学,森山茂徳,小風秀雅,成田賢太郎,北岡伸一,福地惇,野村実,宮地正人,板垣哲夫(本文398頁)

(4)大正期「革新」派の成 単著 昭和53年12月 塙書房

大正8年前後に簇生する「改革」「革新」「革命」等を標榜する団体-黎明会,東大新人会,早稲田の建の団体を取り上げて分析し,それに共通する「革新」的な性格を明らかにした。(300頁,他に人名索引13頁)

(5)昭和十年代史断章 単著 昭和56年 9月 東京大学出版会

東京帝国大学法学部の助教授から教授であった矢部貞治を取り上げ,彼自身の日記や執筆したものに基づき,彼自身の政治思想や彼の関わった様々な集団-海軍の政治懇談会,昭和研究会などの政治姿勢の変化のありさまを明らかにした。(本文302頁,人名索引9頁)

(6)昭和期の政治 単著 昭和58年 8月 山川出版社

昭和58年頃までに発表した昭和期の政治を分析対象とした論文等を纏めたもので,下記論文3,9,12,13,15,18,22,23,その他26,30解説,37(論文等に★を付した)を収録した。(本文400頁,人名索引9頁)

(7)近衛新体制・大政翼賛 単著 昭和58年11月 中央公論社[新書]

大正末期に生まれ次第にその力を増大して行った「革新」派が,大政翼賛会に収斂するまでの歴史的展開を叙述した。(234頁)

(8)昭和史をさぐる 単著 上 昭和59年 3月・下昭和59年 5月 光村図書出版株式会社

比較的最近に公開された史料を素材にして,戦前期昭和の政治を新しい角度から語ったもの。(上-212頁,下-236頁),尚平成3年「朝日文庫」で文庫化された(470頁)

(9)昭和期の政治[続] 単著 平成 5年12月 山川出版社

概ね昭和58年以降に発表した昭和期の政治に関わる論文等を纏めたもので,下記論文8の一部・16・24・27・28・29・30・31・33・34・35・36・37,その他53・54・55・57・60・61・63・64(論文等に★★を付した)を収録した。(468頁,人名索引15頁)

(10)日本近代史の再構築 単編 平成 5年 4月 山川出版社

若い研究者の16本の論文を集めた論文集,編者として「はじめに」(1-9頁)を執筆。それを別に本文411頁。

(11)人類は戦争を防げるか 共著 平成 8年10月 文芸春秋

平成7年10月中旬に児島襄氏を司会者として開催された日・米・中の国際シンポジウムに提出された論文と17時間に及ぶ討論のほぼ全部を収録したもの。提出した論文は「『聖戦』と国際正義」(33-43頁),発言も多く記録されている。他に論文を提出し,討論に参加したのは,児島襄,渡辺昭夫,マリアス・B・ジャンセン,ゴードン・M・バーガー,ブルース・カミングス,兪辛 ,朱宗震,劉傑の諸氏。(516頁)

学術論文

(1)明治17?23年の立憲改進党-国会開設以前における政党の一考察 単著 昭和38年 3月 東京大学社会科学研究所編『社会科学の基本問題』下(東京大学出版会,255-294頁)

従来自由民権運動の中で軽視されていたていた立憲改進党の将来の日本像とその活動を分析する事によって,23改進党-国会開設年の国会開設をめざした全国に裾野を持った政党運動であり,政府とも一面同調する所があった事を明らかにした。

(2)明治十年代前半に於ける府県会と立憲改進党 単著 昭和39年 6月 史学雑誌 73巻 6号(1-37頁)

国会を持たない当時の立憲改進党が,活動の場として注目したのが民選になった府県会で,多くの府県会議員をその共通の要求によって組織し,その要求を以て政府を動かし,またその過程で党の強化を計ろうとしていた事を明らかにし,結局政府の府県会の活動に対する制限によって必ずしも成功しなかったが,国会開設に向かっての組織運動としての役割を果たした事を明らかにした。戦後の

(3)戦後千葉県における選挙と政党-特に都市化・工業化の進展と関連して- 単著 昭和40年 3月 東京大学社会科学研究所編『京葉地帯における工業化と都市化』(東京大学社会科学研究所,499-530頁)

戦後の千葉県の各種選挙の結果と政党の在り方を分析し,都市化・工業化の進む都市地帯中での革新票の伸びが顕著である事,革新が中央に向かって強く,保守が地方に向かって強い事,依然派閥構成による保守が進出大企業との連携を強化しつつあるのに対して,革新が労組依存と戦前からの農民運動の遺産の食いつぶしで組織が停滞している事などを明らかにした。★

(4)杉田定一・坪田仁兵衛関係文書にみる明治20年代の選挙と地方政治 共著 昭和40年10月 社会科学研究 17-1(199-232頁)

福井県の自由党系政治家の中心であった杉田定一と坪田仁兵衛の関係文書を使って,国会開設前後から明治20年代末に至る時期の選挙と政党の状況を分析し,政治家個人間及び地域間対立などによるその複雑な様相を紹介した。坪田仁兵衛関係文関係文書はこの時遺族から初めて利用を許されたものであった。坂野潤治との共著

(5)ロンドン海軍軍縮問題をめぐる諸政治集団の対抗と提携(1・2) 単著 昭和41年2月・昭和42年2月 社会科学研究 17-4・19-2(1-162・77-142頁)

後に前記著書1となったもので,1は序章と政友会,枢密院,平沼 系,右翼の各章,2は海軍,内閣及び民政党の二つの章からなる。

(6)Conflicts and Coalitions in Japan,1930: Political Groups and The London Nava Disarmament Conference 単著 昭和45年 Sven Groennings, W.W.Kelley,and Michael Leiserson,ed. The Study of Coalition Behavior. pp.160-176. New York:Holt,Rinehart and Winston,Inc.

昭和5年にロンドンで開かれた海軍会議において補助艦艇保有率が協定され,日本は英米の7割弱と定められた。この政策決定をめぐって国内の様々な政治勢力が提携・対立抗争した。それを分析する事を通じてこの前後における日本政治の構造を明らかにした。

(7)右翼運動と対米観-昭和期における「右翼」運動研究覚書 単著 昭和46年 9月 細谷千博他編『日米関係史』3(東京大学出版会),257-306頁

いわゆる右翼運動を歴史的に定義し,その成立から日米開戦に至る時期を二・二六までの前期とそれ以後の後期に分け,特に後期において,南進派=全体主義派と北進派=国体明徴派の相違を含みながら,結局開戦に直面して全体がそれを支持するに至った状況を明らかにした。★dorothy Borg and SyunpeiOkamoto ed.Pearl Harbor as History--Japanese-American Relato in 1931-1941,Columbia University Press,1978,pp.487-509 に The Role of Right-wing Organizatoin in Japan として収録された。

(8)「挙国一致」内閣期の政界再編成問題1-3 単著 昭和47年8月・昭和49年3月・昭和50年12月 社会科学研究 24-1(56-130頁)・25-4(59-147頁)・27-2(25-108頁)

著書『昭和初期政治史研究』で分析した時期以後昭和13年の近衛新党の試みに至る時期の既成政党・新官僚グループ・「右翼」・社会大衆党・軍部の5つを取り上げ,その中における「復古-革新」派の形成過程を分析しようとしたものであったが,「右翼」の途中で中断してしまった。既成政党・「新官僚」グループ(国維会・内閣調査局・昭和研究会・国策研究会)・「右翼」(中野正剛と東方会・赤松克麿と日本革新党★★)の各章からなる。

(9)昭和13年近衛新党問題研究覚書 単著 昭和48年 3月 年報・政治学・1972・近衛新体制の研究(134-180頁)

日中戦争に対処するために近衛を最高指導者とする新党結成が計画され,結局失敗に終わったが,この問題は殆ど研究されていなかった。関係者の史料を発掘し,その経過の事実関係,性格,失敗に終わった原因を明らかにした。★

(10)「藩閥」研究と「伊藤 博文関係文書」 共著 昭和48年 7月│日本歴史 302(50-59頁)

「伊藤博文関係文書」を用いて,伊藤の人的なネットワークと政策について,若干の数量的分析を行ったもの。坂野潤治との共著

(11)明治8年前後の佐々友房と熊本-小橋元雄宛佐々書簡を中心に- 共著 昭和50年 4月 日本歴史 323(62-84頁)

収集した小橋一太関係文書と共にその父元雄の関係文書もあり,その中に後に熊本国権党のリーダーとなる佐々友房書簡が数通含まれており,それらを使って明治八年前後の佐々の状況,佐々及びその周辺の政治状況の判断や政治的見通し,特に征韓論について分析したもの。坂野潤治との共著

(12)近衛文麿と野坂参三 単著 昭和50年 8月 中央公論・歴史と人物8月号,36-43頁

敗戦直前の時期のこの二人の発言(前者は上奏文,後者は中国共産党大会での演説)を中心に,対照的な戦後を展望した敗戦構想を分析したもの。★

(13) 保守と革新-戦後日本政治史の一側面 単著 昭和50年 9月 神川信彦編『政治と人間』(潮出版社,10-51頁)

戦後日本政治史を概観したもの。「民主戦線と反共連盟」「保守対革新(一)」「保守対革新(二)」の三章からなる。★

(14)藩閥政府と民党 共著 昭和51年 1月 岩波講座 日本歴史 15(260-301頁)

「藩閥」「民党」「超然主義」の三つのキーワードを定義することを通じて明治18年前後から明治27年に至る時期の政治構造を明確化しようと試みたもの。福地惇との共著

(15)昭和政治史研究への一視角 単著 昭和51年 6月 思想 624 (949-962頁)

従来昭和戦前期について「ファシズム」という用語が多用されて来たことを批判し,昭和戦前期を分析する分析用語を提起し,またこの時期についての研究課題を述べたもので,その後「ファシズム論争」といわれた論争の出発点となった。★

(16)艦隊派総帥末次信正 単著 昭和51年 8月 中央公論・歴史と人物 8月号 (74-82頁)

昭和初期のロンドン条約問題をきっかけに条約派・艦隊派の対立が顕在化したが,加藤寛治と並んで艦隊派の総帥とされた末次信正の昭和期を中心とした考えと行動を諸種の史料によって追い,その果たした役割を追跡したもの。★★

(17)統制派と皇道派ということ 単著 昭和51年 9月軍事史学 12-2(2-24頁)

軍部研究を如何に進めるべきかという観点から,その一つの方法として軍部内の様々な集団を追う事,そのために主要軍人の遺族の持っている一次史料の収集にもっと力を入れるべきだと主張した。

(18)小林躋造内閣運動をめぐって-戦中政治史の一断面 単著 昭和51年10月 みすず 200 (40-51頁)

近衛周辺の東条内閣打倒の動き,特に次期総理として小林躋造海軍大将をかついだ工作とその周辺を追い,そこでの「革新」派=「赤」論 を検討したもの。★

(19)大正中期?昭和30年の反既成政党勢力-茨城県の場合 共著 昭和52年 8月 社会科学研究 29-2(91-148頁)分担執筆:森田美比

大正中期から昭和30年に至る時期の茨城県の反既成政党勢力(いわゆる右翼・左翼)の動向を,戦前と戦後を通じて分析したもの。

(20)昭和8?9年の軍部と「鈴木貞一日記」 共著 昭和52年10月 史学雑誌 86巻 10号(83-101頁)分担執筆:佐々木隆

鈴木貞一氏から提供された同氏の昭和8・9年の日記を基にその時期の軍部の状況を明らかにしたもの。

(21)南方・立地自然科学研究所の設立と廃止 共著 昭和53年 2月 東京大学史紀要 1 (101-120頁)分担執筆:鈴木裕子

東京大学に昭和19年に付置された南方自然研究所,それが戦後21年改組され,27年に廃止された立地自然科学研究所について大学が所有する史料その他と聞き取りを基に前史を含めてその歴史を解明したもの。

(22)戦後政党の形成過程 単著 昭和54年 8月 中村隆英編『占領期日本の経済と政治』(東京大学出版会,87-118頁)

戦後の日本進歩党・日本自由党・日本社会党・日本協同党・日本共産党・その他小党のそれぞれについて,その成立の経過と性格を分析したもの。★

(23)昭和17?20年の近衛-真崎グループ 単著 昭和54年10月 年報・近代日本研究 1 (山川出版社・221-252頁)

別記「真崎甚三郎日記」を中心に,他の一次史料を広く求めて,この時期の近衛文麿及び真崎を含むグループの反東条・木戸勢力の戦争終結を目指す運動の実体とその「統制派」=「赤」論の意味を追求したもの。★

(24)国民同盟の結成-安達謙蔵 単著 昭和56年 7月 「新熊本の歴史」編集委員会編『新熊本の歴史8・近代下』(46ー60頁)

満州事変を契機に最初に既成政党から分裂した新政党の国民同盟の歴史をそのリーダーであった安達謙蔵を中心に中野正剛と対比しながら性格付けしたもの。★★

(25)昭和史研究の諸問題 単著 昭和56年10月 立正史学 50 (1-14頁)

ファシズム論争に関連して,この時期までの議論についての見解を述べたもの。

(26)The Yamagata-Tokutomi Correspondence--Press and Politics in Meiji-Tisyo Japan. 共著 昭和56年 MONUMENTA NIPPONICA Vol.‡]‡]‡]‡Y,No.4.

徳富蘇峰と山県有朋の往復書簡を材料として,政治とジャーナリズムの関係の仕方について分析したもの。ジョージ・アキタとの共著

(27)吉田茂と宇垣一成 -昭和14年における- 単著 昭和57年10月 憲政記念館編『憲政記念館の十年』(61-68頁)

宇垣の遺族から提供された宇垣宛吉田書簡を中心にこの時期の政治状況を分析したもの。★★

(28)自由主義者」鳩山一郎-その戦前・戦中・戦後 単著 昭和57年10月年報・近代日本研究 4 (51-81頁)

昭和史研究における「親英米派」「穏健派」「自由主義派」をどう位置づけるかという問題意識から,鳩山一郎を取り上げ,彼の思想と行動を分析したもの。★★

(29)旧左翼人の「新体制」運動 単著 昭和58年11月 年報・近代日本研究 5(259-296頁)

昭和8年を中心に転向した共産主義者の多くが「革新」派化し,新体制運動の下部を支えていたのではないかと考え,その点を長野県の二つの団体,日本建設協会・国民運動研究会の長野支部を分析する事によって実証したもの。★★

(30)大正12?15年の陸軍機密費史料について 単著 昭和59年12月 みすず 12月号(13-22頁)

畑俊六の関係文書に含まれていた畑英太郎が記録していた機密費の史料を畑俊六の遺族から提供して貰い,それを分析する事によって,この時期の宇垣陸相と政治-特に田中義一政友会総裁等との関係を明らかにしたもの。★★

(31)宇垣一成の外交策論 -昭和十五年を中心に 単著 昭和60年 1月(67-78頁) 史学雑誌 94巻 1号

27と同様に宇垣の遺族から提供された史料を用いて,昭和15年の宇垣の外交論を分析し,当時の統制派の考えと異なり,逆に「現状維持派」から期待を持たれるような議論であった事を明らかにした。★★

(32)山県有朋と「人種競争」論 共著 昭和60年10月 年報・近代日本研究7(85-118頁)分担執筆:ジョージ・アキタ

大正3年の山県の意見書にみられる「人種競争」の語の理解を検討し,彼が一般的に理解されているような「人種競争論者」ではなく,むしろそれを避けることが日本の国益であると主張している事を明らかにした。

(33)高野清八郎と立憲青年党運動(上・中・下) 単著 昭和60年11月・61年4月・7月史 59(51-57頁)・60(10-15頁)・61(15-19頁)

尾崎行雄や永井柳太郎などを背景に,軍備縮小・普通選挙・社会政策の実現などを旗印に全国の青年党といった政治グループを結集し,既成政党に対抗する政治勢力を作ろうと試みた高野清八郎(後に陸軍統制派の理論家となる)の運動を,彼の機関誌『新使命』を中心に分析したもの。★★

(34)秋永月三研究覚書(上・中・下) 単著 昭和62年4月・7月・12月 史63・64・65

陸軍部内の「革新」派の中心人物で,企画院第一部長,後に総合計画局長官として革新官僚の総帥と目された秋永月三を,遺族からの若干の史料と関係者からの聞き取り,その他の史料によって,その思想と行動を分析したもの。★★

(35)毛里英於莵論覚書 単著 昭和62年11月 年報・近代日本研究 9(129-150頁)

秋永の下で革新官僚の三羽烏の一人でイデオローグといわれた毛里の遺族から残された史料を提供して貰い,それを中心に彼の昭和十年代の考え方を分析し,それを通じて企画院の革新派,ひいては「革新官僚」の考え方を明らかにしようとしたもの。★★

(36)「ファシズム論争」その後 単著 昭和63年11月 年報・近代日本研究 10 (310-323頁)

論文15をめぐって行われた私に対する批判に対してほぼ全面的に反論を加えたもの。★★

(37) 「国是」と「国策」・「統制」・「計画」 単著 平成元年 8月 中村隆英他編『二重構造・日本経済史6』(岩波書店,324-366頁)

大正中期から日中戦争開始までの時期の,国家目標の設定とその全体性・長期性,その達成の手段の綿密な計画の策定の必要と可能性をめぐる議論を通じてこの時期の歴史解釈を見直そうと試みたもの。★★

(38)「革新」派と社会主義 単著 平成 3年 1月 文化会議 1月号 (8-13頁)

日本文化会議のシンポジウム「昭和と社会主義」での報告で,昭和10年代の日本の「革新」派と共産主義,ファシズムとの関係を具体的に論じたもの。

(39) 国会開設百年 単著 平成 3年 7月 明治聖徳記念学会紀要 4 (1-15頁)

明治聖徳記念学会での講演録で,帝国議会時代の議会に見られた動向を,いくつかの問題を取り上げて,大きく概観したもの。

(40)Sigemitu Mamoru and the 1955system. 単著 平成 4年 片岡鉄哉編 Creating Single-Party Democracy, pp.100-118(Hoover Institution Press)

1988年にフーバー研究所で開催されたワークショップに提出したペーパーで,重光を論じながら,戦後日本を分析する枠組みを提起したもの。

(41) 昭和初期の有馬頼寧と新政治組織計画 単著 平成 4年 5月 憲政記念館編『憲政記念館の二十年』(33-46頁)

かつて有馬頼義氏からコピーさせて頂いた昭和2年の有馬頼寧日記(その後原本が失われた)を利用して,昭和2年に近衛の火曜会に対応する形で衆議院で有馬を中心とする反既成政党の政治組織を作る計画があった事,その意義を分析したもの。

(42)山本勝市についての覚書・山本勝市日記1-2 単著 平成 7年 1月・ 8年 3月 亜細亜大学日本文化研究所紀要 1(25-105頁)・2(99-187頁)

自由主義経済学者であり,且つ日本主義者として,戦中期の統制経済に強く反対し,国民精神文化研究所の職を追われ,戦後はGHQによってG項で公職追放され,後自由党代議士として復活した山本勝市の関係文書を遺族から提供されたので,それを中心に山本の位置を分析しつつあるもので未完,併せて戦中期の日記をも解読して紹介している。

(43) 戦後日本の政治 単著 平成 8年12月 天川晃・五十嵐武士編 『戦後日本史と現代の課題』(築地書館,151-161頁)

敗戦の形態が戦後政治に与えた影影響,そのもとでの戦後政治の出発を論じたもの。

(44)戦後体制の出発-憲法 単著 平成10年10月五白旗頭真・北岡伸一編『開戦と終戦-太平洋戦争の国際関係』(情報文化研究,170-180頁)

戦後体制の根幹となる憲法が占領下で,占領軍の草案によって作成されたこと,その特異な第9条が講和に当たって日米安全保障条約にによって補完されたことを論じた。

その他

(1) 大正初期山県有朋談話筆記(1-5) 単編著 昭和41年5月・42年3・9月・43年2・7月 史学雑誌 75巻 5号 (63-78頁)・ 76巻 3号(68-86頁)・76巻 9号(62-81頁)・ 77巻 2号(65-79頁)・ 77巻 7号(63-83頁)

山県の秘書官の遺族から提供された新史料-元老山県が事柄のあった比較的近い時期に,その経緯を談話して秘書官が筆記し,更に山県が点検したもので,重要政策の決定過程を示すもの-を解説を付して紹介したもの。後に他の史料をも加えて本として出版した(その他39)。

(2) 木戸幸一日記(上・下) 共編 昭和41年 7月 東京大学出版会

遺族から提供された昭和5-20年の日記を木戸日記研究会として,研究会代表岡義武による解説を付して,出版したもの。校訂・人名索引等は主として伊藤が担当した。(1257頁,人名索引35頁)

(3)木戸幸一関係文書 共編 昭和41年11月 東京大学出版会

2と同じく遺族から提供された手記,来簡,諸文書を木戸日記研究会として編纂刊行したもので,主として伊藤が安井達弥と担当した。(641頁,筆者索引2頁)

(4)渡辺国武関係文書(上・下) 共編 昭和42年2・ 3月 社会科学研究18-4 (177-204頁)・18-5 (169-188頁)

明治期の大蔵官僚で蔵相をもつとめた渡辺国武の遺族から関係文書を提供して頂く事が出来たので,左記グループで解読し,坂野氏と共同で解説を書き,紹介したもの。共編者:宇野俊一,坂井雄吉,林茂,坂野潤治 (渡辺国武関係文書研究会の名で)

(5)大正後期警保局刊行社会運動史料 単編 昭和43年12月 日本近代史料研究会

大正期内務官僚で後に政治家となった小橋一太の関係文書を遺族から提供して貰い,その中に含まれていた大正後期の内務省警保局が内部資料として作成した秘文書を解説(1-14頁)を付して,タイプ印刷で刊行したもの。

(6)岩村通俊関係文書(1・2・3) 共編 昭和44年11月・12月・45年1月 史学雑誌78巻11号(36-80頁)・78巻(52-90頁)・79巻1号(44-104頁)

明治前期の内務官僚で,後北海道庁長官・農商務大臣となった岩村通俊の関係文書を遺族から提供して貰俊の関係文書を遺族から提供して貰う事が出来たので,坂野氏と共同で解読し,解説を付して紹介したもの。共編者:坂野潤治

(7)亀井貫一郎氏談話速記 共編 昭和45年 1月 日本近代史料研究会

昭和戦前期社会民衆党(後社会大衆党)代議士として活躍し,昭和十年代近衛新党を推進し,大政翼賛会東亜部長などに就任した亀井氏を竹山氏とともにインタビューし,その速記録を作成して,タイプ印刷で刊行したもの。共編者:竹山護夫

(8)岡田良平関係文書 共編 昭和45年 3月 社会科学研究 21-5・6合併号 (192-269頁)

明治期の文部官僚で,昭和期に文部大臣となった岡田良平の遺族から,その関係文書の提供をうける事ができたので,左記両氏と共に解読し,解説を付して紹介したもの。共編者:坂野潤治,竹山護夫

(9)加藤寛治関係文書-昭和八・九年を中心に- 単著 昭和45年 3月 東京都立大学法学会雑誌10-2 (165-234頁)

海軍のいわゆる「艦隊派」の総帥と目された加藤寛治の関係文書を遺族から提供されたので,やや詳しい解説(165-175頁)を付して紹介したもの。

(10)二・二六事件秘録1-3・別巻 共編 昭和46年 2月・5月・9月・47年 2月 小学館

いわゆる右翼の森伝の遺族から提供された二・二六事件の主として憲兵関係の膨大な史料を,上記の人々と共同で編纂刊行したもの。共編者:林茂,松沢哲成,竹山護夫, 有山輝雄

(11)現代史を創る人びと1-4 共編 昭和46年4月・8月・9月・47年8月 毎日新聞社

中村隆英,原朗の二人と行った一万田尚登,河野密,前田一,中山伊知郎,菅太郎(以上1),東畑四郎,原安三郎,志賀義雄,船田中(以上2),郷司浩平,迫水久常,佐藤喜一郎,加藤勘十,加藤シヅエ(以上3),高畑誠一,矢次一夫,松本俊一,新関八洲太郎,椎名悦三郎(以上4)の諸氏のインタビューを纏めたもので,最初『エコノミスト』に連載した。共編者:中村隆英,原朗

(12)伊藤博文関係文書1-9 共編 昭和48年1月・49年2月・50年3月・51年3月・52年3月・53年3月・54年2月・55年2月・56年2月 みすず書房

明治維新以来の政治指導者伊藤博文の膨大な関係文書(来簡)は明治政治外交史の基本史料である。国会図書館憲政資料室所蔵のものを中心に解読し,年代推定を行い,発信人別に編纂したもの。各巻によって異なるが,参加者全体は酒田正敏,鳥海靖,坂野潤治,山口利昭,渡邊昭夫,有馬学,福地惇,吉見義明,井上勲,佐々木隆,成田賢太朗,三谷博,宮崎隆次,劉明修,上山和雄,照沼康孝,森山茂徳,板垣哲夫,柴崎力栄,御厨貴,山室健徳,ジョージ・アキタ,北岡伸一,狐塚裕子,季武嘉嘉也の諸氏

(13)小川平吉関係文書‡T・‡U 共編 昭和48年 3月 みすず書房

立憲政友会の領袖であった小川平吉の遺族から膨大な史料の提供を受け,左記グループで,整理し,解読し,編纂刊行したもので,政党人,大陸浪人の庇護者であったことから,張作霖爆殺事件,昭和10年代の日中和平交渉関係他の貴重な史料が含まれている。岡義武,林茂,佐藤誠三郎,三谷太一郎,坂野潤治,松沢哲成,宇野俊一,鳥海靖の諸氏と小川平吉関係文書研究会名で。「小川平吉小伝並に主要文書解題」[5-122頁]を執筆

(14)大蔵公望日記第1-4巻 共編 昭和48年12月・昭和49年7月・昭和50年6月・昭和50年11月 日本近代史料研究会

満鉄の理事,貴族院議員,東亜研究所副総裁を勤めた大蔵公望の昭和7-20年の日記を遺族から提供され,左記グループで校訂・編集したもの。共編者:有馬学,吉見義明,佐々木隆,成田賢太郎

(15)近代史資料(44)国家総動員(二)政治 共編 昭和49年 7月 みすず書房

昭和13年及び15年を中心とする近衛新党-近衛新体制関係の史料を収集し(新たに発掘したものを含め),それを編纂刊行したもの。「資料解説」(xv-xcivk頁)を執筆した。共編者:今井清一

(16)津久井龍雄氏談話速記録 共編 昭和49年11月 日本近代史史料研究会

昭和期のいわゆる右翼運動の中で特異な存在であった津久井龍雄氏のインタビューを4回にわたって行い,その速記録を作成,編纂,刊行したもの。共編者:有馬学,吉見義明

(17)「江木千之・江木翼関係文書」「小泉策太郎関係文書」 単著 昭和50年 1月 社会科学研究 26-2(60-94頁)

史料収集活動の中で収集した文書の中から,表題の諸文書は,政治史研究のための重要史料を多く含んでいるので,その中の主要文書を解説しながら紹介したもの。

(18)改訂・古風庵回顧録の「解説」 単著 昭和50年 5月 読売新聞社(471-538頁)

昭和25年に若槻礼次郎によって書かれた回顧録を復刻するに当たって,その成立の経緯,若槻の人物像,若槻についての文献の紹介をした後,回顧録刊行後公刊されたり,公開された一次史料によって回顧録の補足・訂正を行ったもの。

(19)素顔の北一輝-原田政治氏に聞く 昭和50年12月 中央公論 歴史と人物 12月号 (108-117頁)

いわゆる政界浪人として北等とも交流のあった原田政治氏から北との交わりについて聞き取りを行い,それを整理して簡単な解説を付けて紹介したもの。

(20)語りつぐ昭和史1・4 共著 昭和50年12月・51年12月

1の「昭和史の視点」(5-42頁)及び松本重治「日中戦争と和平の動き」の「はじめに」(251-260頁),4の「新体制について」(81-106頁)を執筆。1の前者は朝日カルチャーセンターの同名の講座の全体の構想と,昭和史の当事者たちの話を聞くに当たっての心構え等を語ったもの,後者は松本氏の話の背景になるような話をしたもの,2は近衛新体制についての概要を話したもの。分担執筆:1は高橋亀吉,荒畑寒村,有竹修二,武内文彬,片倉衷,松本重治,4は赤松貞雄,上村伸一,藤山愛一郎,青地晨,重藤文夫,大井篤

(21)上原勇作関係文書 共編 昭和51年 3月 東京大学出版会

明治・大正期の陸軍の薩摩系の領袖であった上原勇作の関係文書が,東京都立大学図書館の書庫に眠っているのを発見し,研究会を作って解読,編纂刊行したもの。特に大正中期の政軍関係に関わる貴重な情報が含まれている。共編者:升味準之輔,刈田徹,北岡伸一,佐々木隆,酒田正敏,鳥海靖,成田賢太郎,坂野潤治,福地惇,利昭,吉見義明(上原勇作関係文書研究会名で)

(22)インタビュー構成・宰相近衛文麿とともに 昭和52年 1月 中央公論 歴史と人物1月号 (58-67頁)

近衛の女婿であり,また秘書官でもあった細川護貞氏の近衛との関係を中心としたインタビューを纏めたもの。

(23)新資料・井川メモが語る日米交渉(前編・後編) 単著 昭和52年1月・2月 諸君!昭和52年1月号(78-95頁)・2月号(175-190頁)

日米交渉の裏方として渡米して活躍した井川忠雄の遺族からその関係の史料を提供されたので,それを紹介しながら,日米交渉の経緯と意味を外務省の見解とは異なった視点から述べたもの。

(24)伊藤博文宛明治元勲の手紙 昭和52年6月号 共著 中央公論・歴史と人物昭和52年6月号(210-218頁)

上田市の出身の人物で伊藤家に寄宿していた事のある人物が持ち帰ったという伊藤宛の明治元勲の手紙を,その関係者から提供され,坂野氏と解読し,解説を付けて紹介したもの。坂野潤治との共著

(25)ドイツへの潜航一万五千カイリ 昭和52年8月号 中央公論・歴史と人物昭和52年 8月(64-73頁)

第二次大戦末期にドイツ駐在を命ぜられて,潜水艦でドイツに赴任した扇一登氏から,その時の日記を基にして,談話を聴取したが,その談話記録を整理して紹介したもの。

(26)デモクラシーとファシズム 単著 昭和52年 9月 歴史と地理(日本史の研究) 264 (49-51頁)

デモクラシーとファシズムの用語の用いられ方について論じたもの。★

(27)鈴木貞一日記-昭和8年・昭和9年 共編 昭和53年1月・4月 史学雑誌87巻1号(68-95頁)・87巻4号(57-82頁)

研究20の基になった鈴木貞一の日記を校訂し紹介したもの。

(28)Japanese History-Modern Period. 共著 昭和53年 2月An Intoroductory Bibriography for Japanese Studies Vol.‡U,Part2(pp.69-92)

1974・75年の時期の日本近代史の動向を紹介し,主立った業績の一覧を付したもの。有馬学との共著

(29)日中和平工作に関する一史料-松本蔵次関係文書から-(1・2) 共編 昭和53年3月・55年3月 東京大学教養学部人文科学科紀要66(227-292頁)・70(45-101頁)

萱野長知や小川平吉の下で日中戦争期和平工作に活躍した松本蔵次の関係文書を遺族から提供されたので,簡単な解説を付して紹介したもの。共編者:鳥海靖

(30)宮下弘『特高の回想』聞き手と解説「治安維持法・特高警察・日本共産党」(291-320頁,★)の執筆 昭和53年6月 田畑書店刊

ながく特高警察官であった宮下氏から中村智子氏と共にインタビューし,それを本に纏めるに当たって,かなり長い解説を書いた。

(31)演習古文書選・近代編(上・下) 共編 昭和53年7月・54年5月 吉川弘文館刊

近代史研究を志す人々のために,各種史料を選択し,その写真を掲げ,その解読,解説を付したもの。共編者:大久保利謙,坂野潤治,酒田正敏(日本歴史学会の名で)

(32)時流と政治 単著 昭和54年1月 向坊隆他編『東京大学公開講座28・流れ』(248-272頁)

東京大学公開講座で,昭和戦前期における「時流」のイメージの構造という事で講演したもの。

(33)茨城県議会史・戦後編 共著 昭和54年 3月 茨城県議会事務局

「第一期・混乱の中での模索(昭和22年?25年)」(23-175頁)を執筆。辻清明・三沢潤生・雨宮昭一・高木鉦作・福地誠の諸氏と茨城県議会史編さん委員会の名で分担執筆

(34)岸信介元首相連続インタビュー1?10 昭和54年 9月? 55年 6月 中央公論 昭和54年9月号?55年6月号

矢次一夫氏と共に,岸元首相の生い立ちからこの時期に至る回想のインタビューを行い,若干の背景説明を書いて,連載したもの。のちにその他43として出版された。

(35)真崎甚三郎日記(消光録・昭和13年) 共編 昭和54年10月 年報・近代日本研究 1 (253-370頁)

皇道派の総帥と言われた真崎甚三郎の日記を遺族から提供されたので,その一部分を校訂し,紹介したもの。のちにその他40の一部分となった。共編者:木村良行,佐々木隆,季武嘉也,照沼康孝

(36)牧達夫氏談話速記録 単編 昭和54年11月 木戸日記研究会・日本近代史料研究会

木戸日記研究会で中心になって行った新体制期の陸軍省軍務局内政班長の牧達夫氏のインタビュー記録を,同氏の戦後書いた手記と纏めてタイプ印刷で刊行したもの。(363頁)

(37)木戸幸一日記・東京裁判期 共編 昭和55年 7月 東京大学出版会

昭和20-23年の巣鴨獄中の日記及び裁判関係の諸史料を編纂刊行したもの。(502頁)共編者:三谷太一郎,鳥海靖,山口利昭(木戸日記研究会の名で)

(38) 伊藤律氏の何が「問題」なのか 単著 昭和55年11月(74-84頁) 中央公論昭和55年11月号

北京の伊藤律氏が帰国した際に,多くの評論が行われたが,それらを批判し,国際共産主義運動の変化の中で歴史的に捉えなければならないことを,主張したもの。★

(39)Japanese History-Modern Period. 共著 昭和55年10月 An Intoroductory Bibriography for Japanese Studies Vol.‡V,Part2(pp.65-97)

1976・77年の時期の日本近代史の動向を紹介し,主立った業績の一覧を付したもの。分担執筆:有馬学

(40)真崎甚三郎日記1-6 共編 昭和56年1月・7月・57年2月・58年10月・61年10月・62年1月 山川出版社

荒木貞夫とともに陸軍皇道派の総帥と言われた真崎甚三郎の,二・二六事件前後の陸軍と政治の動き,事件後の裁判の状況,そして敗戦に至るまでの反統制派の動きを示す日記を,遺族から提供されて,校訂編纂刊行したもの。1の解題は編者全員で執筆,2の解題(3-25頁),5の解題(3-16頁)を執筆。(447頁・425頁・470頁・524頁・478頁・510頁)共編者:佐々木隆,照沼康孝,季武嘉也

(41)大正初期山県有朋談話筆記・政変思出草 単編 昭和56年 1月 山川出版社

前者は,元老であった山県有朋が秘書官であった入江貫一に対して行った,自己の政治活動についての談話記録。大正政変から大隈内閣の崩壊の時期までのもの(その他1を補充した)。後者は入江が見聞した高橋是清内閣から護憲三派内閣に至る時期の政変の実状を手記したもの。いずれも入江の遺族から提供されて,校訂編纂刊行した。解題(3-23頁)を執筆。(200頁)

(42)海軍大将小林躋造覚書 共編 昭和56年 1月 山川出版社

昭和期の海軍の穏健派といわれた小林躋造が戦前・戦中・戦後に書き残した記録・回想等を遺族から提供されて編纂刊行したもの。ロンドン条約問題,日中戦争期から太平洋戦争期にかけての海軍を中心とした動き,終戦への運動の記録などを含む。解題は野村氏と協同執筆。(254頁)共編者:野村実

(43)岸信介の回想 共著 昭和56年 6月 文芸春秋

その他34を纏めたもの。岸氏から提供された巣鴨獄中の手記・日記をも収録した。(403頁)分担執筆:岸信介,矢次一夫

(44)1980年の歴史学界-回顧と展望・日本近現代総説 単著 昭和56年 5月 史学雑誌 90巻 5号(141-142頁)

1980年の歴史学界で発表された研究の動向を概観したもの。

(45)井川忠雄日米交渉史料 共編 昭和57年 6月 山川出版社

昭和15年末に接触が始まりやがて公式のものになる日米交渉の発端から最後まで関与した井川忠雄の残した日米交渉に関する史料(回想・書簡・交渉メモ他)を遺族から提供され,塩崎氏と解読・編集・解題を書き刊行したもの。その他23はその一部。(519頁)共編者:塩崎弘明

(46)本庄繁日記1・2 共編 昭和57年6月・58年10月 山川出版社

満州事変時の関東軍司令官であり,その後も昭和天皇の侍従武官長 を勤めた陸軍大将本庄繁の大正14年から昭和8年に至る期間の日記を遺族から提供され,共編者とともに解読・校訂・編纂・刊行したもの。当時の陸軍・天皇周辺の動きを知るための貴重な史料。(387頁・391頁) 共編者:柴崎力栄,季武嘉也,照沼康孝,山室建徳

(47)徳富蘇峰関係文書1 共編 昭和57年10月 山川出版社

徳富蘇峰の関係文書をその秘書であった塩崎彦市氏から閲覧を許されたので,グループで整理・解読・校訂・編纂をし,解説を付して刊行したもので,この巻には主として文筆家からの書簡を収録した。(310頁)共編者:酒田正敏,坂野潤治,有馬学,有山輝雄,板垣哲夫,梅沢ふみ子,高野静子,柴崎力栄,鳥海靖,成田賢太郎,広瀬順晧,福地惇,三谷博,村瀬信一,山室建徳

(48)片倉衷氏談話速記録(上・下) 単編 昭和57年12月・58年10月 木戸日記研究会・日本近代史料研究会

昭和期の陸軍軍人の一つの代表ともいえる片倉衷氏から私が中心の聞き手として木戸日記研究会が談話聴取を行ったが,その速記録を纏めて刊行したもの。(上386頁・下278頁)

(49)水野直日記-大正一一・一二年- 共編 昭和58年 3月 社会科学研究 34-6 (169-204頁)

大正期から昭和初期にかけて貴族院研究会の中心人物であった水野直の日記を遺族から提供して貰い,共同で解読・校訂し,解説を付したもの。共編者:西尾林太郎

(50)続現代史資料・陸軍・畑俊六日記 共編 昭和58年 3月 みすず書房

昭和13年中支那派遣軍司令官,翌年侍従武官長等を歴任した陸軍元帥畑俊六の日記を遺族から提供して貰い,共編者と解読し,解題を付して刊行したもの。(541頁)共編者:照沼康孝

(51)Japanese History- Modern Period. 共著 昭和59年 9月 An Intoroductory Bibriography for Japanese Studies Vol.‡W,Part2 (pp.61-101)

1978・79年の時期の日本近代史の動向を紹介し,主だった業績の一覧を付したもの。分担執筆:有馬学

(52)東京大学史・通史2・3 共編著 昭和60年3月・61年3月 東京大学

(東京大学史全体の編集委員会副委員長であったが,特にこの巻の執筆を行った。執筆したのは2の第五編一?三章,第六編一?四章の概説と,第六編第四章第一節一?四,七,第二節一?四,第三節一?三,3の第七編一?四章,第八編一?五章の概説と第八編第五章第二節一?五,第六章第一節一?四)

(53) 岡崎邦輔関係文書・解説と小伝共編著 昭和60年 8月 自由民主党和歌山県支部連合会

明治期以降議会政治家として特異な存在であった岡崎邦輔(陸奥宗光との関係が密接であった)の関係文書を遺族から提供され,酒田氏と共同で解読し,詳細な解説と小伝を付して刊行したもの。(224頁)共編著者:酒田正敏

(54)重光葵・戦争を後にして 共編 昭和61年4月・5月・6月 中央公論 4・5・6月号

重光葵の遺族から膨大な史料を提供され,その中の「戦争を後にして」と題する,東久邇内閣の外相時代から,翌年の突然のA級戦犯容疑者としての巣鴨収監,東京裁判の初期までについての手記を解読し,注を付して,毎回解説を執筆して紹介したもの。共編者:渡辺行男

(55)栗栖三郎「泡沫の三十五年」の解説 単著 昭和61年 8月 中央公論社

同書が中公文庫に収録されるに当たってその解説として,彼の履歴・本書の成立事情・本書の中心になっている日米交渉について執筆したもの(261-266頁)。★★

(56)石射猪太郎「外交官の一生」の解説 単著 昭和61年11月 中央公論社

同書が中公文庫に収録されるに当たってその解説として,彼の履歴・本書の成立事情・関係史料の所在等を中心に執筆したもの。★★

(57)重光葵手記 共編 昭和61年11月 中央公論社

外交官で東条・小磯・東久邇内閣の外相を勤め,東京裁判でA級戦犯容疑者として有期刑を受け,出獄後改進党総裁となり,鳩山内閣の外相を勤めた重光葵の遺族から,関係史料を提供して貰い,その中から戦前読し,編纂し,解説(671-692頁★★)を付して刊行したもの。

(58)昭和史史料の探訪 単著 昭和62年1月 学士会会報 774(87-91頁)

これまでの史料収集の経験について述べたもの。

(59)斎藤隆夫「回顧70年」の解説 単著 昭和62年 7月中央公論社

同書が中公文庫に収録されるに当たってその解説として,斎藤の略歴・本書成立の背景・昭和11・15年の演説の評価について述べたもの。★★

(60)Japanese History-Modern Period. 共著 昭和62年11月An Intoroductory Bibriography for Japanese Studies Vol.‡X,Part2

1980・82年の時期の日本近代史の動向を紹介し,主だった業績の一覧を付したもの。分担執筆:有馬学

(61)沢本頼雄海軍次官日記-日米開戦前夜 共編 昭和63年 1月 中央公論 1月号

沢本倫生氏から提供された沢本氏の父で開戦時に海軍次官であった沢本頼雄の日記を解読し,抄録し,かなり詳しい解説をつけながら紹介し共編者:沢本倫生,野村実

(62)田中隆吉「日本軍閥暗闘史」の解説 単著 昭和63年 3月 中央公論社

同書が中公文庫に収録されるに当たって,解説として書いたもので,遺族の協力をも得て,田中の陸軍部内における位置づけを行った。★★

(63)続重光葵手記 共編 昭和63年 5月 中央公論社

その他57出版以後重光家から新たに発見され,提供された史料の中から,57の手記を補うもの,改進党総裁として活動した時期を中心とする日記等を編纂し,「解説」(807-821頁★★)を付して刊行したもの。共編者:渡辺行男

(64)1987年の歴史学界-回顧と展望・日本近現代総説 単著 昭和63年 5月 史学雑誌 97巻 5号(163-164頁)

1987年の歴史学界で発表された研究動向を概観したもの。

(65)渡辺銕蔵「自滅の戦い」の解説 単著 昭和63年 9月 中央公論社

本書が中公新書に収録されるに当たって,この回想録を補充する形で書いた解説(441-446頁★★)。

(66)昭和史をどう見るか 単著 平成元年 9月 学士会「午餐会・夕食会講演特集号」(57-68頁)

この年4月に学士会午餐会で行った講演で,昭和史研究の現状や問題点を纏めて述べたもの。★★

(67)神兵隊事件と安田銕之助 単著 平成 2年 1月 日本歴史 500(65-67頁)

かねて遺族から閲覧を許されていた安田銕之助関係文書を一部用いて,安田の昭和史における役割を述べたもの。

(68)昭和史の中の松本重治 単著 平成 2年 1月 国際文化会館「追想松本重治」刊行委員会編『追想松本重治』(308-311頁)

同盟通信の幹部として近衛側近であり,追戦後国際文化会館を通じて国際交流に尽力された松本氏についての回想をしながら,同氏の昭和史での役割を彼自身の述べている事に疑問を呈したもの。

(69)「語りつぐ昭和史」1-3の解説 単著 平成2年7月(314-323頁)・8月(384-393頁)・9月(349-357頁) 朝日新聞社

その他20を選択的に編纂し朝日文庫に収録するに当たって,回顧談をした人々(高橋亀吉・有竹修二・片倉衷・横溝光暉・鍋山貞親・有末精三・加瀬俊一・細川護貞・赤松貞雄・大井篤・青地晨・保科善四郎・大和田啓気・太田剛・三文字正平・佐藤功・西村熊雄の諸氏についてと関連の文献・史料などを解説したもの。また冒頭に多少手を加えた「昭和史の読み方」を収録した。(7-28頁)

(70)牧野伸顕日記(抄)張作霖爆殺事件と昭和天皇・国際聯盟脱退への道 単編 平成2年 8月・9月 中央公論 8・9月号

遺族から提供された牧野日記の内,サブタイトルのような部分を選び,「解説」を付して紹介したもの。

(71)東条内閣総理大臣機密記録・東条大将言行録 共編 平成 2年 8月 東京大学出版会

広橋氏が所蔵していた東条総理秘書官が残した記録と言行録を編集し,「解題」(1-30頁)を執筆して,刊行したもの。(561頁,人名索引13頁)共編者:広橋真光,片島紀男

(72)日本近代史の見方をめぐって 単著 平成 2年 7月 拓殖大学『世界の中の日本‡T‡]』(47-69頁)

拓殖大学で行った講演記録で,マルクス主義的でない日本近代史の見方について述べた。

(73)西南戦争日録・尾崎三良文書による史料構成 共編 平成 2年11月 中央公論 11月号(266-303頁)

後述の尾崎三良日記にはない尾崎の西南戦争期の日記を,尾崎の文書や関係者の記録から創作したもの。共編者:坂田恭子,樋口隆正,森優子,山口輝臣,田浦雅徳,長井純市,西川誠

(75)斎藤隆夫日記(抄)111 共編 平成 2年12月 中央公論 12月号

斎藤の遺族から提供を受けた斎藤の,いわゆる反軍演説の前後の日記を,解読し,解説(316-319頁)を執筆して,紹介したもの。共編者:渡辺行男

(75)牧野伸顕日記 共編 平成 2年11月 中央公論社

遺族から許可を得て,大正10年から昭和13年に至る時期の,主として宮内大臣,内大臣時代の牧野伸顕の日記を解読,編集し,解説(703-746頁)を執筆して,刊行したもの。共編者:広瀬順晧

(76)斎藤隆夫日記(抄)-終戦から日本進歩党結成へ 共編 平成 3年 1月 中央公論 1月号

74に続いて,遺族から提供された昭和20年8月から12月の斎藤の日記を解読し,解説(148-150頁)を執筆して,紹介したもの。共編者:渡辺行男

(77)天皇独白録を再検討する 単著 平成 3年 2月 宝石 2月号 (76-86頁)

話題を呼んだ『昭和天皇独白録』の性格についてさまざまな解釈が行われたが,この記録の意味について私の見解を述べたもの。

(78)荒木貞夫日記 単編 平成 3年 3月 中央公論 3月号

遺族から提供された荒木の日記の昭和12年5月末から6月22日に至る記述を解読し,解説(250-254頁)を付して紹介したもの。

(79)石射猪太郎日記 単編 平成 3年 5月 中央公論 5月号

穏健派外交官で宇垣外相時代にその信任を得ていた石射の日記を遺族から提供されたので,日中戦争開始時の部分を解読し,解説(271-274頁)を付して紹介したもの。

(80)尾崎三良日記(上・中・下) 共編 平成3年8月・9月・4年2月 中央公論社

尾崎春盛氏から提供された尾崎三良(明治期の高級官僚)の日記(慶応4年から断続的に明治25年8月21日までの分はほぼ原文の侭,以降36年12月29日までの分は抜粋)をグループで解読し,解説(上1-22頁)を執筆して,刊行したもの。共編者:尾崎春盛,ジョージ・アキタ,梶田明宏,狐塚裕子,長井純市,西川誠,村瀬信一,山崎有恒

(81)尾崎行雄日記(抄)・続 共編 平成3年10月・11月 中央公論 10・11月号

尾崎行雄が逼塞していた(不敬事件で圧迫されながらこの年の翼賛選挙で当選した)昭和17年の日記を遺族から提供されたので,杉村氏と解読し,解説(298-300頁,続351-354頁)を付して紹介したもの。共編者:杉村静子

(82)彼は果たして黒幕だったか・真崎大将遺書 単編 平成 4年 3月 THIS IS 読売 3月号(222-236頁)

40に公刊された真崎日記をも含め,この時には国会図書館憲政資料室に寄贈されていたが,その中の「現世相に関する特別備忘録」(二・二六事件直後に書かれた手記)と昭和20年A級戦犯容疑者として巣鴨に収監された時の日記を広瀬順晧氏が編集したものに,解説のような形でその意味を述べたもの。

(83)片倉衷日記(抄)青年将校の動向と人脈・昭和8年の国家改造計画 共編 平成4年3月・4月 中央公論 3・4月号

東京大学教養学部が本人生存中に寄贈された文書の中の昭和6-8年の日記を解読し,抄録して,解説(3月号304-305,4月号302-304頁)を付して紹介したもの。共編者:服部英里子

(84)酒井三郎「昭和研究会」の解説 単著 平成 4年 7月 中央公論社

本書が中公文庫に収録されるに当たって,関連の文献の紹介・昭和研究会の意義等を中心に解説したもの。(346-358頁)

(85)有馬頼寧日記-昭和20年・新党への動き 単編 平成 4年 9月 中央公論 9月号

国会図書館憲政資料室に寄贈された有馬の日記中,昭和20年の敗戦の日から年末に巣鴨に収監されるまでの時期の日記を解読,解説(326-328頁)を付して紹介したもの。

(86)岡義武著作集第三巻の解説 単著 平成 4年12月

岩波書店から出版された岡義武著作集第三巻-『転換期の大正』を中心に大正期を対象とする業績を中心としたもの-の解説として,大正期の政治史研究の状況,岡教授の研究の意義を中心に執筆したもの。(307-316頁)

(87)ついに閲覧できた二・二六事件裁判記録 共著 平成 5年 5月 月刊 ASAHI 5月号(102-107頁)

北氏と共に東京地検に数年来懇請し続けてきた二・二六事件の判決原本を中心とする裁判史料をついに閲覧の許可が出たので,その経緯と内容を紹介したもの。分担執筆:北博昭

(88)東京大学年報第一-第六巻 共編 平成5年3月・6月・8月・11月・6年2月・3月 東京大学出版会

東京大学の前身である開成学校以来の年報を纏めて復刻したもの。共編者:阪口豊,寺崎昌男,原朗,益田宗,渡辺正雄,中野実,所沢潤(東京大学史史料研究会の名で)

(89)一九九二年の歴史学界-回顧と展望・日本近現代総説 単著 平成 5年 5月 史学雑誌 103巻 5号(157-158頁)

1992年の歴史学界で発表された研究動向を概観したもの。

(90)石射猪太郎日記 共編 平成 5年 7月 中央公論社

石射の遺族から提供された日記(昭和11年から19年-ただし15・16年を欠く)を解読し,解説(773-797頁)を執筆して,刊行したもの。(人名索引を含めて810頁)共編者:劉傑

(91)真崎大将は黒幕ではない-二・二六事件裁判記録を読む 共著 平成 5年 9月 月刊 ASAHI 9月号(192-199頁)

実際に二・二六事件裁判記録を読む事ができるようになったので,真崎関係のものを読んで,真崎が巷間言われているような事件の黒幕であったという証拠を見いだせなかった事を述べたもの。分担執筆:北博昭

(92)品川弥二郎関係文書1-3 共編 平成5年9月・6年12月・7年12月 山川出版社

十数年前から遺族から提供された品川弥二郎関係文書をグループを作って解読,編集してきたもので,現在は品川宛書簡を差出人別に,五十音順に編纂しており,現在までにさ行まで進行している。今後数年を要する予定。共編者:ジョージ・アキタ,狐塚裕子,木畑和子,酒田正敏,佐々木隆,柴崎力栄,季武嘉也,照沼康孝,鳥海靖,成田賢太郎,沼田哲,広瀬順晧,福地惇,村瀬信一,三島義温,上田和子(尚友倶楽部品川弥二郎関係文書編纂委員会名で)

(93)マンガ日本の歴史・現代編1-7 平成 5年12月-平成6年6月 中央公論社

原案執筆と各巻に6頁の時代概説を執筆。

(94)近代史と史料 単著 平成 6年 1月 尚友倶楽部会報 62(36-51頁)

尚友倶楽部午餐会での講演で,日本における近代史研究における史料収集の現状を話したもの。

(95)昭和史の論点-戦前と戦後 単著 平成 6年 1月 第45回福島県高等学校社会科研究会総会並びに研究大会集録 (12-19頁)

前年福島県高等学校社会科研究会で行った講演で,昭和史を様々な論点から論じたもの。

(96)続現代史資料海軍・加藤寛治日記 共編 平成 6年 8月 みすず書房

遺族から提供された海軍大将加藤寛治の大正後期から昭和13年に至る日記を解読し,解説(7-32頁)を書いて,刊行したもの。(解説を除いて633頁)共編者:鈴木淳,小池聖一,田浦雅徳,古川隆久

(97)新訂 二・二六事件判決と証拠 共編 平成 7年 2月 朝日新聞社

二・二六事件の判決全文を出版したもの。共編者:北博昭

(98)松本学日記 共編 平成 7年 2月 山川出版社

国会図書館憲政資料室所蔵の松本学関係文書の中の日記の内,昭和4-13年の分を解読,編集し,解題(1-33頁)を付して,刊行したもの。(解題を別に314頁)共編者:広瀬順晧

(99)日本海軍史全11巻 平成 7年11月 財団法人海軍歴史保存会

編纂刊行した財団法人海軍歴史保存会日本海軍史編纂委員の一人として全体に関わると共に,第二巻通史第三編の担当者として,その「総説」を執筆。

(100)日本近代史の一側面 単著 平成 7年12月 私立大学図書館協会会報105 (78-87頁)

同会の総会での講演で,日本近代史についてのトピックスを話したもの。

(101)尚友倶楽部調査部編『[貴族院]憲法改正案特別委員会小委員会筆記要旨』の解説 単著 平成 8年 1月 社団法人尚友倶楽部

尚友倶楽部が所蔵していた上記要旨を復刻を刊行するに当たって,その解説として,史料の性格・内容の重点等を書いたもの。(6-14頁)

(102)町田忠治-伝記編・史料編 共著 平成 8年 2月 財団法人桜田会

柴崎力栄・季武嘉也・山室建徳・照沼康孝の諸氏と町田忠治伝記研究会を作り,代表者として,「はじめに」を執筆。

(103)近代日本と海軍(1・2) 単著 平成 8年4月・5月 水交 495 (1-4頁)・496 (1-3頁)

「日本海軍史」の完成祝賀会での講演で,日本近代史における海軍の役割について論じたもの。

(104)終戦と米内光政 単著 平成 8年 4月 米内光政会会報 9(5-20頁)

前年の米内会での講演で,海軍の終戦工作と言われるものについて,一般的に言われているのとは違うのではないかという事を米内海相と関連させて話したもの。

(105)中曽根康弘『天地有情・五十年の戦後政治を語る』の聞き手(佐藤誠三郎氏と) 平成 8年 9月 文芸春秋

中曽根元首相の戦後政治の中での歩みをインタビューし,まとめたもの。

(105-2)新しく発見された福沢諭吉書簡について 単著 平成 9年 1月 『日本歴史』584(98-102頁)

新たに品川家から発見された品川弥二郎関係文書中にあった福沢諭吉の明治24年の書簡を紹介しながら福沢と藩閥の関係について論じたもの

(106)「帝国議会衆議院秘密会議事速記録集」について 平成 9年 2月 学鐙 2月号 (4-9頁)

公開された衆議院秘密会議事速記録の性格とその特に戦中期の秘密会での演説の内容について論じたもの。

(107)笹川良一「巣鴨日記」の校訂 監修 平成 9年 2月 中央公論社

A級戦犯容疑者として巣鴨に収監された笹川の日記及び獄中からの書簡も校訂編纂したもの。

(108)佐藤栄作日記 第1-5巻? 平成 9年 6月 朝日新聞社

昭和27?50年の佐藤栄作の日記の編纂刊行事業で最後の6巻は平成11年4月刊行予定。第1巻564頁,索引22頁,第2巻558頁,索引23頁,第3巻526頁,索引22頁,第4巻496頁,索引20頁,第5巻531頁,索引24頁,編集協力者は梶田明宏,季武也,田浦紺徳,千葉 功,土田宏成,照沼康孝,長井純市,西川 誠,古川隆久,角瀬 孝。

(109)戦後封印された「明治のダイナミズム」を再評価すべきだ 単著 平成 9年 7月 SAPIO23日号(16-18頁)

明治人の建国エネルギーの再評価を提唱したもの

(110)明治人による近代朝鮮論影印叢書(全20巻) 平成 9年 7月? ペリカン社

明治期の近代朝鮮論の多くが現在手に入らなくなってるので,それを監修(滝沢誠氏と)復刻するもの(現在までに5巻を刊行)

(111)佐藤栄作日記第5巻,監修 平成 9年10月 朝日新聞社

108に続き昭和47年?48年分を収録(531頁,索引24頁)

(112)最高権力者の対人感覚-『佐藤栄作日記』(第四巻) 単著 平成 9年10月『一冊の本』10月号(8-13頁)

『佐藤栄作日記』の史料価値,そこから読みとれる戦後政治の側面について述べたもの

(113)「人事」と「早耳」で畏れられた宰相の秘話・『佐藤栄作日記』の行間を読む,対談(楠田実氏と) 平成 9年10月 『諸君!』10月号(124-139頁)

佐藤栄作内閣の総理秘書官をつとめた楠田実氏と『佐藤栄作日記』(第四巻)を読みながら氏から思い出を伺ったもの

(114)「満州建国」裏面史の解明に光 単著 平成 9年11月 『THIS IS 読売』11月号(59-66頁)

提供された河本大作関係の関係文書と中国で刊行された河本の戦犯容疑での取調書類を元に,満州某重大事件と河本について論じたもの。主題である日中戦争研究の課題を論じたもの。

(115)明治の群像・知れば知るほど,監修 平成 9年12月 実業之日本社「監修のことば」(3-4頁)を執筆

(116)日中戦争の課題 単著 平成 9年12月 軍事史学会編『日中戦争の諸相』(綿正社)3-7頁

軍事史学会の会長として,本書の主題である日中戦争研究の課題を論じたもの

(117)桂上奏文案をめぐって 単著 平成10年 1月 『日本歴史』596号

現在尚友倶楽部で整理中の児玉秀雄関係文書中に含まれている児玉源太郎関係の僅かな文書の中から、桂の地租増徴延長問題についての上奏文案を発見し、これを紹介しながら、明治35-6年における地租をめぐる政争について論じたもの。

(118)書評・秦郁彦著『盧溝橋事件の研究』 単著 平成10年 3月 『日本歴史』598(119-121頁)

(119)書評・村川一郎編著『日本政党史辞典・1868-1989年』 単著 平成10年 3月 『自由新報』1853号

(120)政策とオーラルヒストリー,共編(政策情報プロジェクト編) 平成10年 4月 中央公論社

平成9年11月1-2日に開催した開学記念シンポジウムの内容を整理したもの、全体254頁、私の報告は101-108頁、発言は108-110、193-196、242-244頁

(121)日本近代史の考え方 単著 平成10年 3月 社団法人日本経済調査協議会『歴史認識と歴史教育』76-90頁,平成9年2月27日の同会での報告の記録

(122)歴代編集長が語る『日本歴史』の歩み,座談会 平成10年 5月 『日本歴史』600(4-23頁)

皆川完一・黒川高明・瀬野精一郎の諸氏と雑誌『日本歴史』の回顧を語ったもの

(123)私とコンピューター 単著 平成10年 6月 『日本歴史』601(48-51頁)

私の研究とコンピューターについて述べたもの

(124)福沢諭吉と藩閥 単著 平成10年 5月 『尚友倶楽部会報』75(12-25頁)

105-2をもとにして、福沢を含む民間と藩閥との関係を日本近代史の中でどうみるかを尚友倶楽部で講演したものの記録

(125)『佐藤栄作日記』にも書かれなかったこと,座談会 平成10年 7月 『論座』7月号

佐藤総理の秘書官であった田中敬・本野盛幸・西垣昭の諸氏に、日記には表現されることにない秘書官達の行動と秘書官からみた佐藤総理について語って貰った

(126)吉田と鳩山を取り持つ立場の機微ー「石井光次郎日記」が語るもの 単著 平成10年 7月 『THIS IS 読売』7月号(230-235頁)

遺族から提供を受けた石井光次郎日記の内、戦後政治に関わる分を抜粋して紹介し、その意義を述べたもの

(127)政策研究大学院大学創設記念シンポジウム・オーラルヒストリーと政策研究 平成10年 6月 政策研究院報告シリーズ

政策研究院報告シリーズ98-98-11,シンポジウムの正式な記録

(128)後藤田正晴著『情と理ー後藤田正晴回顧録』上・下,共同監修(政策情報プロジェクト) 平成10年 6月 講談社

平成7年から28回に亘って行った後藤田正晴氏のオーラルヒストリーを纏めたもの

(129)尚友倶楽部・西岡香織編『坊城俊章 日記・記録集成』,編纂援助 平成10年 6月 芙蓉書房

編纂の課程での援助と冒頭に「坊城俊章 日記・記録集成について」(3-4頁)を書いた

(131)国体と憲政の妥協と闘争,対談(長尾龍一氏と) 単著 平成10年 7月

大石真・高見勝利・長尾龍一編『憲法史の面白めぐる諸問題を論じたさ』信山社(154-200頁) 日本政治史における大日本帝国を

(132)猪瀬直樹『黒船の世紀・ガイアツと日米未来戦記』「解説」 単著 平成10年 9月 芸春秋(531-537頁)

同書が文春文庫に収められるに当たって、同書の取り扱った諸問題及び同書の意義を書いたもの

(133)書評・小林よしのり『新ゴーマニズム宣言スペシャル・戦争論』 平成10年10月 『正論』10月号(328-329頁)

(134)渡辺恒雄政治記者一代記1?,共同の聞き手(御厨・飯尾両氏と) 平成10年11月? 『中央公論』11月号?

政策情報プロジェクトの仕事として行った渡辺恒雄氏オーラルヒストリーを纏めて連載中

(135)シンポジウム「今、明治時代に何を学ぶべきか?明治維新130年シンポジウム」,パネリスト他に坂元多加雄・唐津一・桶谷英昭の諸氏司会は桜井よしこ氏) 平成10年10月 産業経済新聞10月23日

23日日付(後『正論』平成11年1月号にも掲載)

(136)浅井一太郎著『臨床医六十年の軌跡ー病院医 療への証言』,インタビューアーとして 平成10年11月 名著刊行会,主たるインタビューアーとして「あとがき」(201-203頁)を執筆した

(137)尚友倶楽部・西尾林太郎編『水野錬太郎回想録・関係文書,編集指導協力』,編集指導協力 平成10年12月 芙蓉書房

(138)東京裁判と木戸幸一ー二男・孝彦氏に聞く,聞き手(渡辺昭夫氏と) 平成10年12月 『20世紀 どんな時代だったのか読売新聞』12月28日

28日付(後読売新聞社編戦争編・日本の戦争』[平成11年3月、読売新聞社]に収録)

(139)有馬元治オーラルヒストリー,政策情報プロジェクトのオーラルヒストリーとして共同研究員楠精一郎氏と聞き手 単著 平成10年12月 有馬元治著『有馬元治回顧録』第一巻(太平洋総合研究所、430頁)

(140)矢次工作が拓いた国交交渉 単著 平成11年 1月 『THIS IS 読売』1月号(41-48頁)

国策研究会を主宰していた矢次一夫が残した極僅かな史料を紹介し、彼の日韓交渉再開に果たした役割を述べたもの

(141)正十四年の児玉秀雄宛吉田茂書簡 単著 平成11年 1月 『日本歴史』608(124-128頁)

児玉秀雄関係文書から発見された吉田茂書簡を紹介しながら、張作霖政権と日本との関係をのべたもの

(142)書評・西鋭夫著『国破れてマッカーサー』 平成11年 2月 『正論』2月号

(143)昭和を語る・昭和政治史(上),談話 平成11年 2月15日 『昭和』増刊15号,インタビューに答えたもの

(144)鳩山一郎・薫日記上巻鳩山一郎篇,共編 平成11年 4月 中央公論新社(780頁)

昭和13年?26年の鳩山一郎の日記を復刻したもの、共編者は季武嘉也氏、編集参加者は河野康子・酒田正敏・照沼康孝・古川隆久・村瀬信一・百瀬孝・山室建徳の諸氏



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