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「ひとつは、勇気という目に見えない宝物をもらいました。あと、笑顔です。ピカピカ光る笑顔をもらいました。……そして、私の中にもピカピカ光るなにかができました」。小学校5年生の感想だ。 ある小学校の総合学習で、幼稚園、保育所との「ふれ合い会」が行われた。保育所や幼稚園の子どもたちが、スムーズに小学校生活を送れるよう、保育者、教職員らが出会い、打ち合わせをし、現場で重ねてきた「保幼小連携」の実践のひとつだ。 ふれ合い会の進行や内容について、小学校の教職員は指導はせず、縁の下の力持ちに徹した。小学生たちが自ら、園児らに喜んでもらえる会になるよう考えた。 と言っても、小学生を放りっぱなしにして任せていたのではない。例えば、計画を進める中で、「自分たちが楽しいだけではいけないよ」と言葉をかけ、小学生らは少し軌道修正したという。 準備に何日もかけたふれ合い会当日、手品、クイズ、合奏にお笑いといったプログラムが展開された。園児らの笑顔がはじけ、喜びに包まれて幕を下ろした。そして、冒頭の感想が述べられた。 小学生たちは、自分たちが楽しませてやるんだと、準備を進めてきた。ところが、終わってみたら、満ち足りた気分を味わったのは、自分たちだったと気がついた。身体と頭を使って接待した側の自分たちに、宝物が与えられたのである。 子どもの育ちはすごいと思う。育ちを支えた大人も、宝物が与えられたことに、ある日気づかされる。子どもと子ども、子どもと大人。人は関係の中で生かされる。 (大阪大谷大教授・川西市子どもの人権オンブズパーソン 桜井智恵子)
(2007年11月20日 読売新聞)
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