生体展示販売反対関連: ペットビジネスの陰で悲惨 | |
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ペットビジネスの陰で悲惨 ◆犬14頭監禁、9頭餓死 -- 神奈川・小田原のペット美容師養成学校 (2003年10月2日) ◇売れぬ老犬処分のため? 神奈川県真鶴町の犬の飼育施設で、9頭の犬が餓死しているのが今月、見つかった。エサや水を与えずに放置し、うち6頭はすでに白骨化していた。同県小田原市のペット美容師養成学校「小田原ドッグビューティースクール」(市川路代校長)の運営で、調査した県動物保護センターは「明らかに放置による餓死」として、虐待をやめるように文書で指導した。 同校はトリマー(犬の美容師)を養成するかたわら、犬の繁殖事業も手がけている。飼育施設は山中の住宅2棟で、檻(おり)にラブラドルレトリバーやビーグルなど14頭の犬が1頭ずつ閉じ込められていた。生き残った5頭も極度の栄養失調と脱水状態だった。 関係者からの連絡で現場を調査した動物救助のボランティア団体「横浜ドッグレスキュー」の北浦清人さん(50)は「生き残った犬も骨と皮だけ。あんな悲惨な現場は見たことがない」と話す。 死がいを調べた横浜市の獣医師、畠中健さん(41)は「外傷はなかったが、目の周囲の脂肪がなく眼球が陥没していた。餓死に間違いない」と話す。 関係者によると、市川校長は自宅と学校、真鶴町の3カ所で多い時には約100頭の犬を飼育。学校では主に学生が世話をし、老犬や病気の犬を飼育施設に移すことが多かったという。 市川校長は「エサも水も毎日やっていたはず。連れ戻そうと思っていたが、(学校や自宅の)犬に病気が移る恐れがあった」と放置を否定。しかし、立ち入り調査をした県動物保護センターは今月25日、虐待をやめるよう文書で指導し、「改善されなければ告発もあり得る」としている。 また、北浦さんは、市川校長が繁殖できなくなったり、売れない老犬を処分しようとしたと見て、動物愛護法違反の疑いで神奈川県警に告発した。 ◇東京都動物保護管理協会理事で獣医の宮田勝重さんの話 国内では年間約50万頭の犬が取引されている。生後1カ月に満たない子犬に人気が集まり、2〜3カ月たつと売れない。利益を生まず、経費がかかる犬は捨てられるか殺される運命だ。こうした状況が変わらない限り、放置・遺棄はなくならない。 |
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