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「遠州の医療」と題して講演する寺尾学長=浜松市中区のプレスタワー |
県西部の企業経営者らが集う静岡新聞社・静岡放送21世紀倶楽部(代表=松井純静岡新聞社・静岡放送社長)の11月例会セミナーが21日夜、浜松市中区旭町のプレスタワーで開かれた。浜松医科大の寺尾俊彦学長が「遠州の医療―よりよい地域医療体制の構築に向けて」と題して講演した。 寺尾学長は医師不足問題について、人口10万人当たりの医師数は県平均が172人、浜松圏は215人であるのに対し、中東遠は116人と極めて低く「患者が満足する高度な医療を提供するには程遠い実態だ」と指摘し、「医師不足と経営難の悪循環に陥っている。医師不足対策は地方自治体病院の統合・合併しかない」と強調した。 日本の病床数は米国の5倍もあるとのデータを示し、「病床数が多いのは自治体病院が多いから。病床数を減らし、あるところに医師を集めた方が有効な医療ができる」とした上で、24時間営業で30分程度で行くことができる「大手の大型ショッピングセンターに学べ」とした。 また、浜松医大の今後について、医療と光技術を組み合わせたメディカルホトニクスの将来性を説明し、「超ミクロの世界から人体まるごとまでを画像化する研究に取り組んでいる。われわれが最も得意としようとする分野だ」と述べた。同研究を心の治療にも活用し、他大学と連携して大学院を創設する構想にも触れた。 |