豊後大野市緒方町の公立おがた総合病院(野田健治院長)に来年1月、竹田市久住町の大久保病院で産婦人科を担当する山上健医師(67)が移籍することが21日分かった。おがた総合病院の産科は医師不在のため昨年5月から休診しているが、診療に必要な設備は整っており、山上医師の着任に合わせて再開する方針だ。

 隣接する両市では、おがた総合病院や竹田市の竹田医師会病院など拠点病院が医師不足に陥っており医療体制再建が急務となっている。今回の移籍はこうした医師不足を補う工夫と言えそうだ。

 山上医師は1年前から大久保病院で勤務。妊婦の検診などを行っていたが、お産は緊急の場合を除いて受け付けていなかった。ただ、現在も週1回、おがた総合病院で診療している。着任後、5人の助産師と外科医のサポートを受けて産科診療に当たる。大久保病院にも週1回通い、診療を続ける。

 大久保病院の大久保健作理事長は「竹田医師会病院が内科医不足になるなどの問題が生じているが、1つの病院がすべてを担当できるわけではない。公立病院、民間病院がそれぞれの得意分野を生かし、患者の選択肢を広げることで、不便さをある程度取り除けるのではないか」と話している。

=2007/11/22付 西日本新聞朝刊=