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妊産婦の搬送先決定まで30分以上が急増/相模原市
- 子育て・教育
- 2007/11/22
救急隊が妊産婦を病院に運ぶ際、搬送する病院が決定するまでに三十分以上かかったケースが相模原市内で急増していることが、二十一日までの同市消防局の調査で分かった。今年一月から十月までの産科搬送件数の一割に当たる十七件で、昨年一年間の七件を大きく上回っている。決定まで一時間半もかかるケースもあり、同市の厳しい周産期救急の現状が浮き彫りになった。
同市内の産科救急医療について対策を検討する市医療対策協議会(産科医療対策)の二十日の会合で、市側が明らかにした。
それによると、救急隊の現場到着から搬送病院が決まるまでに三十分以上かかったのは二〇〇五年が三件だったのに対し、〇六年は七件、〇七年は十月までで既に十七件と急増。産科搬送件数に占める割合でも〇五年の1・4%から〇六年は3・2%、〇七年は10・3%となっている。
〇七年では、受け入れ決定までの依頼回数は七回が最高だが、所要時間が一時間を超えたケースが二件あり、最大一時間二十六分だった。
また横浜市戸塚区や海老名市など市外への搬送が四件あった。症状別では、切迫早産や切迫流産が多かった。
市消防局救急対策課は、分娩を扱う市内の医療機関が減少している上、適切な受け入れ先を探すための症状把握に時間を要するケースが増えているためと分析。「収容までの依頼回数だけでなく、時間短縮も大きな課題」と指摘している。
二十日に行われた医療対策協では、こうしたデータを基に対応策を議論。「症状別に一次・二次・三次救急の“線引き”を行うべき」「未受診者を減らすためにも妊婦検診の公費負担を増やす必要がある」といった意見が出された。同対策協は来年三月までに、相模原市の産科救急医療体制案をまとめる予定。
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