今秋も福岡県・夜須高原に、地元筑前町の特産品・キズを収穫する「キズ狩り」に出掛けた。キズはユズに似て酸味の強い果実で、焼き魚や鍋料理に加えるとうまい。ただ、このイベントに毎年行くのには、味覚を楽しむのとは別の理由がある。「はるちゃん」こと久家治信さんの思いが詰まっているからだ。
久家さんは合併前の旧夜須町役場に勤め、地域おこしに奔走していた。だが、1999年春、志半ばにして闘病の末46歳でこの世を去った。畑は特産品PRのため彼がじっくり育ててきた。収穫祭は、その遺志を継ぐために活動をともにしてきた仲間たちが毎年開いている。
久家さんは生前よく言った。「地域おこしはね、故郷への愛情なんだ。だから手間ひまかけて育てていきたい」。畑は今年もきれいに雑草が刈られ、キズは実を大きく膨らませている。地域おこしの夢と情熱がぎっしり詰まっていた。 (斎藤康)
=2007/11/22付 西日本新聞朝刊=
久家さんは合併前の旧夜須町役場に勤め、地域おこしに奔走していた。だが、1999年春、志半ばにして闘病の末46歳でこの世を去った。畑は特産品PRのため彼がじっくり育ててきた。収穫祭は、その遺志を継ぐために活動をともにしてきた仲間たちが毎年開いている。
久家さんは生前よく言った。「地域おこしはね、故郷への愛情なんだ。だから手間ひまかけて育てていきたい」。畑は今年もきれいに雑草が刈られ、キズは実を大きく膨らませている。地域おこしの夢と情熱がぎっしり詰まっていた。 (斎藤康)
=2007/11/22付 西日本新聞朝刊=