2006年度に全国の国公私立の小中高校が認知したいじめの件数は計12万4898件だったことが15日、文部科学省の問題行動調査で分かった。昨年いじめ自殺が相次ぎ、被害者の気持ちを重視する形にいじめの定義を拡大、国私立校も調査対象に加えたため前年度2万143件の6・2倍に増えた。
いじめが絡む自殺者は6人いた。
いじめ件数は1994年に愛知県で起きた中学2年大河内清輝君=当時(13)=のいじめ自殺などを機に、学校が確認したケースに限らず、被害者側の申告があれば計上するようにしたため、94年度は前年度の2・6倍に急増、その後は減少傾向が続いていた。
調査によると、今回認知したいじめの81%に当たる10万1089件は「解消した」とされ、文科省は「件数は真摯に受け止めるが、学校現場が多くのいじめを把握、解決の努力をした結果」としている。だが関係者からは「実態を表していない」との声も出ている。