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【岐阜】

いじめ認知、全国3位 低学年の多さ特徴

2007年11月16日

 文部科学省が15日公表した調査で、昨年度の県内の公立小中学校、高校、特別支援学校の「いじめ認知件数」は7492件に上った。国立、私立を含めた児童生徒1000人当たりの件数は30・1件と全国3位。東海3県でも愛知の12・8件、三重の4・3件を大きく上回った。

 県教育委員会学校支援課は、件数の多さについて「いじめを一つでも多く発見し、解決しようという現場の努力が表れた」と分析。調査で用いる「いじめの定義」の変更も件数の大幅増につながった。

 内訳は、小学校4978件▽中学校2265件▽高校221件▽特別支援学校28件。小学生は各学年いずれも800件前後で、中学1年の991件でピークを迎えた後、学年が上がるごとに減少する。全国的な傾向と比べ、小学低学年でも多くのいじめを認知しているのが特徴。同課は「軽微であっても、児童の気持ちを重視したため」と細やかな対応の結果とした。

 態様は、冷やかしやからかいなどの「悪口」が5055件、仲間はずれなどの「無視」が1452件、軽くぶつかられたり、たたかれたりする「軽暴力」が1365件と続いた。

 いじめの解消状況は、「解消している」87・7%、「経過観察中」10・1%、「取り組み中」1・9%、「転学・退学」0・4%の順。認知のきっかけは「本人からの訴え」が最も多く約26%で、「アンケートなど学校の取り組み」が約24%、「学級担任の発見」が23%だった。

 同課は、いじめ追放を目指した「県民運動」の展開▽早期発見に向けた教師用手引書の活用▽いじめに関する年3回の定期的な調査の実施−を挙げ、「一つでも多くのいじめを早く発見し、一つ一つ丁寧に解消する取り組みを続けていきたい」とした。

 調査は小中学校、高校での暴力行為についても実施。公立学校での発生件数は934件で、前年度の541件を大幅に上回った。小学校91件(前年比37・9%増)中学校653件(同126・7%増)高校190件(同1・6%増)で、低年齢化が目立った。形態は生徒間暴力が46%、器物損壊が36・7%と続いた。

 (河原広明)

 

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