フィリピンでのエビの養殖に投資すると偽って約4万人から約600億円を集めたとして、警視庁の捜索を受けた投資会社「ワールドオーシャンファーム」(東京都台東区)が今年2月、国内の郵便口座から米国内の口座に4000万ドル(約48億円)を一度に送金していたことがわかった。
米連邦捜査局(FBI)は「犯罪関与資金の疑い」で米国の口座を凍結。警視庁は国際的マネーロンダリング(資金洗浄)容疑で捜査している。大型詐欺事件の被害金の流出先が確認されたのは極めて異例。昨年12月には、国が没収した犯罪収益を被害者に分配する法律が施行されており、被害者救済の道が開く可能性もある。
警視庁やFBIの調べによると、不正送金の窓口になったのは、同社が2001年の設立当時に本社を置いていた栃木県小山市内の郵便局。今年2月中旬、同郵便局にある同社の口座から4000万ドルが米カリフォルニア州にある会計事務所のドイツ系銀行の口座に送金され、さらに翌日、同州在住の日本人名義の米大手銀行の口座に移された。