県内学校、いじめ1477件 昨年度、1000人当たりでは全国上回る
2007年11月16日
文部科学省は十五日、平成十八年度の問題行動調査を発表した。県内の国公私立小中高校、特別支援学校が認知したいじめ件数は千四百七十七件、人口千人当たり一二・一件だった。昨年いじめ自殺が相次ぎ、被害者の気持ちを重視する形にいじめの定義を拡大、国私立校も調査対象に加えたため、前年度の百六十三件から急増した。全国では十二万四千八百九十八件で、千人当たりでは八・七件だった。
県教委が集計した国立、私立を除く県内公立小中高校と特別支援学校で認知された十八年度のいじめ件数は千四百十九件だった。人口千人当たりでは一二・三件で、全国公立平均の九・二件を三・一ポイント上回った。暴力行為は小中高校すべてで前年度より増加、児童生徒の問題行動が顕在化している。県教委は「兆候を早期に発見し、早期解決につなげたい」とし、スクールカウンセラーの活用など対策を強化する。
学校別の内訳は、小学校七百二件、中学校五百九十三件、高校百二十二件、特別支援学校二件。内容は「冷やかし・からかい」が半数近くを占め「軽くぶつかられたり、たたかれたりする」「仲間外れ」が続く。高校では「パソコンや携帯電話でのひぼう・中傷」も多かった。今年十月末に再調査した結果、未解決は小、中学校各九件で、98・7パーセントが「解消した」としている。
千人当たりの認知件数が全国平均より高かったことについて、県教委小中学校課は「個別面談やアンケートなどで詳細に調査した結果でもあるが、重く受け止めている」と強調。本年度からスタートした総合対策事業で、全中学校にスクールカウンセラーを配置し、教職員や保護者向けハンドブックの作成など、対策を進めており「芽が小さいうちに摘むことが重要。早期発見に努める」(同課)と話す。
暴力行為は、小学校が前年度より二十九件増の三十四件、中学校が二十件増の百三十九件、高校が二十五件増の八十件。小学校では不登校の出現率も全国平均を上回った。同課は「中学校に配置されたカウンセラーを小学校でも活用するなど、指導や対策を強化したい」としている。