2006年度の県内公立校のいじめ認知件数が05年度と比べ、小学校で10倍、中学校で約2倍に増えたことが、県教委の調べで分かった。いじめ調査の対象を加害者から被害者に変えたのが増加要因だが、県教委は「いじめ自体は増えている。減らすために生徒指導など各取り組みをしているが残念な結果」と話している。 文部科学省の指示を受け、毎年度行っている児童生徒の問題行動の調査で、県教委が県内の状況を調べた。 いじめの調査は05年度まで、自分より弱い者に攻撃し相手が深刻な苦痛を感じた件数として、加害者側からの認知件数を調べていた。06年度からは精神的な苦痛を受けたという被害者側から見た定義に変更した。 県教委が把握したいじめは、公立小学校(308校)で05年度比81件増の90件、公立中学校(138校)で同57件増の116件になった。 内容は「冷やかし」「からかい」「仲間はずれ」が増加しており、最近ではインターネットの掲示板への悪口、ひぼう中傷などの書き込みによる「ネットいじめ」も発生しているという。 県内高校のいじめ認知件数は59件で05年度比41件増。1年生43件、2年生8件、3年生8件で1年生のいじめ件数が多かった。 国立や私学も含めた県内小中高全体のいじめ認知件数は308件で1000人当たり2・5件、全国平均の8・7件に比べると少ない。 暴力行為の発生件数は、公立小学校で10件増えて17件、公立中学校で99件減り459件。暴力行為は全体的に低年齢化しているという。高校では教師に対する暴力が05年度より9件増え16件。生徒間暴力も43件増え158件だった。 県立高校の留年者数は全日制で16人増え259人。在籍生徒数の1・1%で0・1ポイント高くなった。定時制では37人減少し、在籍生徒数の7・8%で3・2ポイント低下した。 中途退学者は、全日制で53人減り445人、在籍生徒の1・8%で0・1ポイント低下した。定時制は32人増え在籍生徒の12・3%で2・2ポイント高くなった。