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京大、ヒトの皮膚細胞から“万能細胞”作成に成功
京都大学物質―細胞統合システム拠点(再生医科学研究所)の山中伸弥教授、高橋和利助教らは、筋肉や神経、臓器(肝臓、すい臓など)などあらゆる細胞へと分化する“万能細胞”を人間の皮膚細胞から作製することに世界で初めて成功した。人間の受精卵から作る胚性幹細胞(ES細胞)と同等の分化能力を持ちながら、受精卵を壊さないため、倫理的な制約が少ない。また、患者自身の皮膚細胞から作ることから、培養した細胞を移植しても拒絶反応が起きる心配がない。
アルツハイマー病やせき髄損傷など、病気や事故で損なわれた組織を修復する再生医療への貢献は計り知れず、今後の研究に革命的な変化を与えると予想される。米科学誌「セル」の電子版に20日発表した。
作製した万能細胞は「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」と呼ばれている。06年に山中教授らがマウスで初めて作製に成功した。
(更新日 2007年11月21日)
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