保護者からの理不尽な要求や苦情への対応に苦慮する学校や市町村教育委員会の支援のため専門家などで組織する「学校問題解決支援チーム」の年内発足に向けて、県教育委員会は20日、発足検討委員会を開いた。支援チームは弁護士、臨床心理士、精神科医、警察関係者、保護者代表など7、8人で構成し、支援チームの中で事例に即して数人のチームをつくり個別対応する方針だ。
山中久司義務教育課長は「問題解決のため教職員だけではなく保護者に対してもサポートしていけるよう支援チームを立ち上げる」と意義を述べた。
県教委は9月に41市町村教委と84県立学校に対し、保護者からのクレームなどへの対策についてアンケートを実施した。8割の市町村教委と7割の県立学校が「何らかの対策をしている」、または「対策を予定している」と回答した。
今後の検討内容として、(1)クレーム対応のマニュアルの作成(2)研修の実施(3)対策委員会やサポートチームの設置―などが上げられた。
一方、現場に寄せられるクレームの事例として、小中学校では「子どもへのいじめに対して、学校側が十分対応しても納得せず次々要求してくる」など学校生活に関する要求が多く、高校では「部活動や授業での騒音」など学習に伴う地域からの苦情などがあるという。
山中課長は「年々学校では対応が難しい例が増えている。今は学校内で解決しているが、将来的に対応に苦慮する事例が起こったときのためにも早めに支援チームを立ち上げたい」と述べた。
2割の市町村教委と3割の学校で対策の予定がないことについては「必要を感じていても対策が難しいところに対しては県で十分支援していきたい」と話した。
(11/21 9:54)