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サイエンスの記事

ヒトの皮膚から「万能細胞」 日米の研究者が別々に

2007.11.21
Web posted at:  18:43  JST
- CNN/AP

ニューヨーク──日本と米国の研究者がそれぞれ別々に、ヒトの皮膚から胚性幹細胞(ES細胞)と同等の全能性を持つ「万能細胞」をつくり出すことに成功したと発表した。いずれも、ヒトの胚を破壊せずにES細胞と同等の全能性細胞が得られるため、倫理的な論争の的にならずに再生医療への道が開かれる可能性が高いとして、注目を集めている。

皮膚の細胞から「万能細胞」をつくったのは、京都大学再生医科学研究所の山中伸弥教授と、米ウィスコンシン大学マディソン校ジェームズ・トムソン博士の研究グループ。

山中教授は米科学誌「セル」に、トムソン博士は米科学誌「サイエンス」に、それぞれ研究成果を発表した。

山中教授のグループは36歳女性の顔の皮膚を用いて、トムソン博士のグループは新生児の包皮細胞を用いて、それぞれES細胞と同等の万能細胞をつくり出した。

ES細胞は、受精後間もない胚から取り出される細胞で、血液や脳、骨などあらゆる臓器や器官を形成することから「万能細胞」とも呼ばれる。人間のES細胞研究は、脊髄(せきずい)損傷や糖尿病、アルツハイマー病など、さまざまな疾病の治療に役立つとの期待が寄せられる一方で、将来はヒトに成長する胚を壊すため、生命尊重の立場から研究に反対する声も根強い。

今回、両研究グループが発表した内容は、将来はヒトに成長する胚を破壊しなくてよいため、各方面の科学者が業績を評価。

また、1996年に体細胞クローンのヒツジ「ドリー」をつくったスコットランドの研究者イアン・ウィルマットは、英紙デーリー・テレグラフに対し、山中教授らの研究成果を見て、ヒト・クローン胚の研究を断念したと述べている。




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