県が山間地域や島しょ部の医師不足解消対策として実施している「中山間地域等従事医師奨学金制度」で、今年度の応募学生があり、奨学生に内定した。定員枠を拡充するなど制度の充実を図ったものの、応募者がなく関係者をやきもきさせていたが、ようやく一息ついた格好。県は残る定員を満たすまで募集を続ける方針。
同制度は、県が06年度に設け、月額20万円の奨学金を貸し付け、奨学金の受け取り期間と同じ期間、県指定の中山間地域などの公的な医療機関で勤務すれば、返還を免除する仕組み。
昨年度は2人の募集定員枠に3人の応募があり、今年度は定員を4人に拡充した。対象も医学生や大学院生に加え、後期研修医まで拡大し募集したものの、今年7月の応募締め切り時点での応募者はゼロ。地域医療を維持するため、その後も募集を続けていた。
今年の10月下旬に県外の医学部4年生から応募があり、県は今月13日に審査会を開き、奨学生の内定を決めた。同室の宇津宮仁志・事業調整監は「志を持った学生が現れたことはありがたい。心強く思っている」と話し、今後も大学などを通じて残る3人の枠も募集を続ける方針。問い合わせは同室(082・513・3062)。【下原知広】
毎日新聞 2007年11月21日