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35章
1
:
ポタリ案さん
:2007/11/02(金) 12:15:25
どなた様かお願いします。。。
『35章:キングズクロス駅』です。。。
2
:
<エバネスコしました>
:<エバネスコしました>
<エバネスコしました>
3
:
<エバネスコしました>
:<エバネスコしました>
<エバネスコしました>
4
:
<エバネスコしました>
:<エバネスコしました>
<エバネスコしました>
5
:
管理人
:2007/11/02(金) 18:36:25
2がウイルス感染誘導の悪質な書き込みであるとご指摘ありましたので、
ご指摘共々削除しました。ありがとうございました。
ここの掲示板に限らず、「いいサイト見つけたよ!」だけ書かれたような
わけのわからないものはクリックしないのが一番です。
自分のパソコンをプロテゴできるのは自分だけですから^-^
6
:
ポタリ案さん
:2007/11/03(土) 02:21:42
上手く訳せていませんが、少しだけ…
彼は静寂の中、うつ伏せになっていた。
彼の他には誰もそこにはいなかった。
彼は、自分自身がそこにいることに確信が持てなかった。
長い時間の後(あるいは全く時間が経ってなかったのかもしれない)
彼が肉体を離れてはいないで、そこに存在しているという結論に達しせざるを得なかった。
彼には横になった物の存在に触れている感覚があった。
ハリーこの結論に達すると同時に、自分が無防備であることを意識した。
しかし、他に誰もいないと思えたので、それは全く関係なかった。
感じることしか出来ないと思われたが、目を開くと見ることが出来た。
彼は今まで経験したことのなかったような明るい霧の中で横たわっていた。
霧は彼の周りを見えなくしていたが、すぐ側は見ることが出来た。
彼が横になった床は白(暖かくもなく冷えてもいない)であるようだった。
ただ平で何もなかった。
彼は無傷に見える体を起こし、顔にさわった。
彼はもはや眼鏡をかけていなかった。
7
:
ポタリ案さん
:2007/11/03(土) 02:22:13
パタパタ動いて、揺れ動き、奮闘した何かの小さな柔らかいすばらしいもののような雑音が
彼を囲んだまだ形を成さない無を通して、彼に届いた。
それは哀れな雑音だったが、少し野卑だった。
恥ずべきことをしたかのような不快な気分になった。
初めて、彼はこれがでっちあげの話であることを願った。
かろうじて、すぐ近くにローブが現れるのではないかという期待を持つことが出来た。
その期待は彼の気持ちを温めた。
彼は立ち上がり、あたりを見まわした。
彼がいるのは必要の部屋なのだろうか?
彼はそこにあるものをよく分かるまでじっと見つめた。
大きな、半球形のガラスの屋根は、日光で彼のずっと上にきらめいていた。
おそらく、それは宮殿だった。
霧の中をすぐ近くに変わった奇妙なすすり泣きを除いて、すべてはとてもとても静かだった。
ハリーはすぐにゆっくり回ると、彼の周りは彼の目の前に現われて来た。
広いオープンスペース、ガラスの丸ドーム型の天井により明るく綺麗で、どんなホールより大きかった。
そこには誰もいなかった。。
彼はそこにたった一人でいた。
8
:
ポタリ案さん
:2007/11/03(土) 02:22:54
彼は、音を立てていたものを見つけ怯んだ。
そこには幼い、裸の子供の形があった。
それは丸くなり、ただれて荒れた皮膚が、激しくたたかれたようだった。、
そして、不必要に、見えなく詰められるまま席の下で震えて、呼吸をする為に奮闘していた。
彼は、それが怖かった。
それが小さくて、もろくて、傷ついている物だとしても、彼はそれに近づきたくなかった。
しかし、いつでも飛び戻る準備をし、彼はより近くにゆっくり近づいた。
すぐに、それに触れる為に近づくべきだが、彼はそれをする気にはなれなかった。
彼は、臆病者のような気がした。
彼はそれを慰めるべきだったが、それは彼に嫌悪感を与えた。
「君は助けることは出来ない。」
彼は後ろを振り返った。
アルバス・ダンブルドアが彼の方へ歩いて来た。
そして、濃紺の広いローブを着て元気にそこに立っていた。
彼は大きく彼の腕を広げていた。
その彼の手は完全で、白くダメージを受けてはいなかった。
「君は、素晴らしい男の子だ。」
「君は勇敢だ、勇敢な人だ。」
「歩こう。」
9
:
ポタリ案さん
:2007/11/03(土) 02:34:34
今日はここまでです。本当に少しだけですみません。
途中、上手く訳せていない部分があるかと思います。
変な部分はどなたかご指摘、修正お願いします。
また、土日は出来ないと思いますので、
続き出来る方がいらっしゃったら、遠慮なくお願いします。
10
:
ポタリ案さん
:2007/11/03(土) 07:06:06
遅くまでありがとうございました!!
すばらしいです・・・・
11
:
ポタリ案さん
:2007/11/03(土) 09:38:45
素晴らしい訳をありがとうございます。
子供の形のものって、ハリーの中にあったヴォルの魂のかけらなんでしょうか。
ワクワクします。続きを待ち望んでいます。
12
:
ハリーファン
:2007/11/03(土) 10:47:18
すごいです!続きをどうかお願いします!
13
:
Hippo
:2007/11/03(土) 15:12:38
ハリーはびっくりして、ダンブルドアについて行った。 それまで気が付かな
かったが、少し離れたところにキラキラ光る天井の下に、二つの椅子が置いて
ある。二人は腰掛けた。
ダンブルドアの長い銀色の髪の毛、ひげ、眼鏡の向こうの突き刺すような青
い目、曲がった鼻、全てハリーが覚えている通りだ。それでも・・・・
「でも、先生は亡くなられたのでは」
「その通りじゃ」ダンブルドアは当たり前のように言った。
「じゃあ、僕も死んだのですか?」
ダンブルドアは微笑みながら言った。
「ハハハ、それが知りたいか。わしは、まだ死んではいないと思う」
二人は見つめあった。ダンブルドアはまだ微笑んでいる。
「死んでいない?」ハリーが聞いた。
「死んじゃいない」
「でも・・・」ハリーは無意識に額のあざに手をやった。何もないようだ。
「死んでるはずだ、だって、自分を守ろうとしなかったもの。やつに殺され
ようとしたから」
「うむ、そうじゃ」ダンブルドアがいった。「まさにそれが、いちばん重要
だったんじゃよ」
ダンブルドアから幸せが光か炎のごとく湧き出しているようだ。ハリーがそ
れほど満足そうなダンブルドアを見るのは初めてだった。
「説明してくれますか?」
「でも、君は既にわかっているじゃろ」とダンブルドアが言った。
14
:
Hippo
:2007/11/03(土) 15:14:39
「僕は彼にわざと殺されようとした。ですよね?」
「そうじゃな」ダンブルドアは頷いた。「それで?」
「だから、僕の中にあった、彼の魂の一部が・・・・」
ダンブルドアは、うれしそうに、ハリーに続きを促すように、さかんに頷いた。
「・・・えっ、消えてしまったんですか?」
「その通りじゃ」とダンブルドア。「彼は自分で破壊してしまったのじゃ。
ハリー、もう君の魂は、完全に君だけのものじゃよ」
「でも・・・・」
ハリーは、椅子の下で震えている傷ついた小さな生き物を振り返って言った。
「あれは、何ですか、先生?」
「我々にはどうしようもない物じゃ」
「でも、もしヴォルデモートが殺傷の呪いを使ったとして、今回は誰も僕の
ために死んでいないのに、どうして僕はまだ生きているのですか?」
「君には分かっているじゃろう」とダンブルドアがいった。「思い出して
みなさい。彼が残酷な欲に駆られて、無知にも、何をしたのか」
ハリーは考えた。
15
:
ポタリ案さん
:2007/11/03(土) 16:05:09
Hippoさんありがとう!!ありがとう!!
16
:
Hippo
:2007/11/03(土) 16:22:09
視線がふと回りに振れた。もしこれが宮殿だとすると、不思議だ。椅子が、
いくつもの小さい列になって並び、手すりがそこここにある。しかし、
ここにいる唯一存在しているのはハリーとダンブルドアと、椅子の下の弱った
小さな生き物だけだ。
なんとなく答えが口をついて出た。
「彼は僕の血を取ったんだ」
「全くその通り。彼は君の血を取り、それを元に彼の体を再生したのじゃ。
やつの血管には君の血が流れている。つまり、ハリー、君のお母さんの魔法
がやつも君の両方に効いているのじゃ。やつは、自分が生きている限り君を
命綱で繋いでいるようなものだ。」
「彼が生きている限り、僕が死なないって?でも、それって、逆じゃなかった
ですか?確か、僕たちは、両方死ななければならない。それとも、それって
同じ事?」
ハリーは、パタパタと音を立てて苦しみながら動く小さい生き物に気をとら
れて、そちらの方を振り返った。
「本当に、何もしてあげられないんですか?」
「何もできないのじゃ」
「では、もっと説明してください」とハリーがいった。ダンブルドアは
微笑んだ。
17
:
Hippo
:2007/11/03(土) 16:23:49
「ハリー、君は、7番目のホークラックスだったのじゃよ。やつが、意図しな
かったホークラックスじゃ。彼は自分の魂をあまりにも不安定な状態にして
しまったものだから、子供を殺そうとして、その両親を殺してしまうという、
あの言語に絶する凶悪な行為に及んだとき、粉々に飛び散ってしまったの
じゃよ。しかし、あの時、あの部屋から何が逃げ出したのか、彼自身も知ら
なかった。彼の肉体を置き去りにしただけでなく、彼の一部が君、つまり
死ぬはずだったが生き残ってしまった者、に取り付いたのじゃよ。」
「しかし、ハリー、彼の知識は、どうしようもないくらい不完全だったの
じゃ。彼が価値を認めないものに対して、は理解しようともしなかったの
じゃ。ハウスエルフ、童謡、愛情、忠誠心、無邪気な心、に関して、
ヴォルデモートは、何もわかっていなかった、全く何も。それらが、
ヴォルデモートの持つ力よりもより強力な力をもっているということ。
どんな魔術もかなわない力を持っているという真実を、彼は理解できな
かった。」
「彼は、それが彼に力を与えると信じて、君の血を取った。彼は、君のお
母さんが死ぬときに君に与えた魔法のごく一部を体内に取り入れた。彼の体
が、君のお母さんの犠牲を活かしていたんじゃよ。でその魔法が生き残って
いる限り、君も生き残るというわけだったのじゃ。」
18
:
Hippo
:2007/11/03(土) 16:24:58
ダンブルドアはハリーに微笑んだ。ハリーはダンブルドアを見つめていった。
「先生は、それをご存知だったのですか?ずっと知っていらっしゃったので
すか?」
「推測していただけじゃよ。でもわしの推測は大抵あたるからのう」
ダンブルドアは、うれしそうに言った。それからしばらく二人は黙っていた。
後ろでは例の生き物が音を立てている。
「まだあるんです。それだけじゃないんです。どうして僕の杖は、彼が人から
借りた杖を折ったのですか?」
「それに関しては、はっきりしたことは分からない」
「じゃあ、また推測してくださいよ」とハリーが言うと、ダンブルドアは
笑った。
「ハリー、まず言っておきたいのは、君とロードヴォルデモートは今まで
誰も試したことのない魔術の領域に踏み込んだということじゃ。でも、
わしはこういう事だと思う。これは今までに起こったことが一度もないし、
どんな杖作りの職人も予測できなかっただろうし、ヴォルデモートに説明も
出来なかったことじゃ。」
19
:
Hippo
:2007/11/03(土) 16:25:35
時間切れです。また来ます。
20
:
ポタリ案さん
:2007/11/03(土) 16:28:21
お疲れ様です。
楽しみに待ってます。
21
:
ポタリ案さん&Hippoさんありがとう
:2007/11/03(土) 16:39:21
うわぁ〜いよいよ謎解きのクライマックスですね!
ドキドキします。お二人ともありがとうございます。
楽しみにしています。
22
:
ポタリ案さん
:2007/11/03(土) 17:36:03
4巻で、ヴォルが蘇る時にハリーの血をとったと聞いてダン爺が一瞬目を輝かせましたね。
やっぱりあんな細かなシーンも重要な伏線だったんだ。
続きが楽しみでたまりません。
23
:
ポッタリ案
:2007/11/04(日) 01:11:57
では、つなぎをやります。
「心ならずもヴォルデモートは、君も知っての通り、人の形を取り戻した
ときに君との絆を倍加した。 彼の魂の一部はまだ君の魂に取り憑いていた。
そして、自分自身をより強くしようと考えて、彼は君のお母さんの犠牲を
彼自身の中に取り入れてしもうた。
もし、彼が犠牲というものの厳格で恐るべき力を理解していたおったなら、
おそらくは君の血に触れようとはしなかったはずなのじゃが・・・。
とは言え、そのときにもし彼が理解することができておったなら、彼は
ヴォルデモート卿にはなり得なかったじゃろう。そして、人を殺すことなど
決してしなかったじゃろう。
この2倍になったつながりに保証され、今までの歴史上のどんな2人の
魔法使いよりもしっかりと結びついた君たちの運命に包み込まれて、
ヴォルデモートは君への攻撃を開始したんじゃ。君と芯を同じうする杖を
振るっての。
さて、我々の知る通り、とても奇妙なことが起こった。
ヴォルデモートは君の杖が彼のと双子であることを知らなかったのじゃが、
彼が決して予想しなかった形で杖たちの芯が反応したわけじゃ。
彼はあの晩、君よりももっと恐怖を抱いていたんじゃよ、ハリー。
君は死の可能性をむしろ喜んで受け入れていたが、それはヴォルデモート卿
には決してできなかったことなんじゃ。
君の勇気が勝ち、君の杖が彼の杖を圧倒した。
24
:
Hippo
:2007/11/04(日) 07:14:54
その過程で、その二つの杖の間で何かが起こったのじゃ。その杖の持ち主た
ちの関係を反映するような何かがな。」
「わしが思うに、あの時、お前の杖は、ヴォルデモートの杖の持つ力と性質
を吸収したのじゃ。その杖には、ヴォルデモート自身が少なからず入り込ん
でいた。だから、やつがお前を攻撃しようとしたとき、お前の杖は相手が、
同類であり、しかも同時に死をかけて戦うべき敵であることに気がついた。
そして、吸収したやつの魔術をそのままやつに向かって吐き出したのじゃ。
ルシアスの杖が今まで一度も扱ったことのないような強力な魔術じゃ。その
時点で、お前の杖は、お前のとてつもない勇気と、ヴォルデモート自身の
必殺の技の両方を持っていたのじゃ。ルシアス・マルフォイのかわいそうな
杖にかなうはずがあるまい。」
「でも、もし僕の杖がそんなに強力だったのなら、なぜハーマイオニーが折
ることができたのですか?」とハリーが聞いた。
「ハリー、その驚くべき効果はじゃな、ヴォルデモートのに対してのみ働く
のじゃ。やつは魔術のもっとも深遠な法則を全く勘違いしていじくりまわし
てしまったからな。やつに対してだけ、お前の杖は、異常な力を発揮できた
のじゃ。それ以外では、あの杖は、普通のどこにでもあるような杖じゃよ
・・・・いやけっこう良い杖だったことは間違いないと思うがね。」
ダンブルドアは話し終わった。
25
:
Hippo
:2007/11/04(日) 07:16:20
ハリーはそこに座ったまましばらくの間、もの思いにふけった。いや、
ほんの数秒だったかもしれない。ここでは時間のようなものは、よく分から
ない。
「あの人は、先生の杖で僕を殺した」
「わしの杖でお前を殺そうとして失敗した、じゃろ」ダンブルドアは訂正を
した。「お前がまだ死んでいない、というのは同意できるな。もちろん、
お前さんが傷ついていないというつもりはない。それもかなり酷くな」
「でも、僕はいま気分爽快ですが」ハリーは傷一つない自分の手を見て言った。
「ここは、いったいどこなのですか?」
「いま、それを聞こうと思っていたところじゃ」ダンブルドアは周りを見回
しながら言った。「どこだと思うかね?」
ダンブルドアが聞くまでハリーは考えもしなかったが、答えがすぐに浮かん
だ。
「キングス・クロス駅みたいですね。ただ、もっときれいで、何も無くて、
列車も見えない。」
「キングス・クロス駅?」と言ってダンブルドアは笑った。「なんとまあ、
本当にそう思うのかい?」
「じゃあ、どこだって言うのですか?」
「ハリー、わしにはさっぱり見当もつかんわ。これは、いわゆる、お前さん
のパーティーだからな」
26
:
Hippo
:2007/11/04(日) 07:17:37
ハリーには、どういう意味か全く分からなかった。ダンブルドアが意地悪に
思え、ハリーはにらみつけた。しかし、今いる場所なんかよりも、もっと尋
ねてみたかった事があったのを思い出した。
「死の秘宝」彼は言った。その言葉を聞いた瞬間ダンブルドアの顔から笑い
が消えたのを見て嬉しくなった。
「おお、そうじゃ」とダンブルドアは言った。不安そうにさえ見える。
「それで?」
ハリーがダンブルドアに会って以来初めて、彼は若く見えた。まるで、悪い
ことをして見つかった少年のように。
「許してくれるかい?お前さんを信用しなかったのを許してくれるかい?
お前さんに言ったら、わしが犯したように、同じ間違いを起こすと思って、
何も言わなかったのを許してくれるかい?ハリー、わしは、しばらく前から、
お前がわしよりも立派な人間だということが分かった。」ダンブルドアの目
には涙が浮かんでいる。
「なんの話ですか?」ハリーはびっくりしていった。
「秘宝じゃよ、秘宝」ダンブルドアは口もごった。「情けないの者の夢じゃ」
「でも、あれは実在するんでしょ?」
27
:
Hippo
:2007/11/04(日) 07:18:28
「実在する。愚かな者を惹きつける危険な物じゃ」ダンブルドアは言った。
「わしは、そういう愚か者じゃった。でもお前さんはもう知っているじゃろ
う?お前さんに隠すことはもう何もない。知っているじゃろう?」
「僕がなにを知っているのです?」
ダンブルドアはハリーの方へ向きなおった。その鮮やかな青い目にはまだ涙
がキラキラ光っている。
「死を制する者、ハリー、死を制するものじゃよ。わしは、ヴォルデモート
よりもましか?」
「もちろんですとも、もちろん・・・なぜそんなことを聞くのですか?先生
は、避けることが出来るのならば、人を殺したりしない」
「それは、そうじゃ。でも、わしも、死を征服する方法を探そうとしたの
じゃ。」
「でも、彼のやり方とは全く違う」ハリーは言った。さっきまでダンブルドア
にあれほど腹を立てていたのに、この高い天井の下に座って、彼の弁護をし
ている。不思議だと思った。「ホークラックスじゃなくて秘宝ですから」
28
:
ポタリ案さん
:2007/11/04(日) 09:13:11
この謎解き・・・訳すの大変だったでしょう。
ありがとうございます!!
楽しみです。
29
:
ポタリ案さん
:2007/11/04(日) 10:30:15
この章って一番大切なのに、私の英語力では歯が立たなかったんです・・・
やっと読めたーーーーーーーー。ありがとう!
30
:
Hippo
:2007/11/05(月) 15:33:21
なんか、途切れ途切れに訳しているので、日本語に統一性が無くてすみません。
どうも、上の訳はダンブルドアが、あまりにも古老のようになってしまって、
英語のニュアンスから少し外れたかなという気がするし、ハリーに対して
「お前」と呼ぶのか「君」と呼ぶのか、迷う所です。でも、そのままいきます。
31
:
Hippo
:2007/11/05(月) 15:35:05
「ホークラックスじゃなくて秘宝、その通りじゃ」ダンブルドアはつぶやいた。
後ろの生き物が啜り泣きをしていたが、ハリーはもう振り向かなかった。
「グリンデルワルドも秘宝を探してたのですか?」
ダンブルドアは目を閉じ、頷いた。
「わし達がお互いに惹かれたのは、何よりもそれがあったからじゃ。同じも
のに夢中になっていた二人の頭が良くて、傲慢な青年。もうお前さんも分
かっていると思うが、やつがゴドリックホロウに来たのは、
イグノータス・ペベレルの墓があったからだ。三兄弟の一番下が死んだ場所を
探りたかったからだ。」
「じゃあ、本当なんですか?」ハリーは聞いた。「全部?ペベレル三兄弟
は・・・・」
「・・・は、例の物語の中に登場する三兄弟」ダンブルドアは頷きながら
言った。「その通りじゃ。実際にその兄弟がさびれた道で『死』に出会った
かどうか・・・・本当のところは、ペベレル三兄弟はただ単に恐ろしく才能
があって、そういう非常な力を持つ物を作り上げるのに成功した魔法使いな
のだろう。死の秘宝のお話は、そのような創造物をめぐって生まれがちな
伝説じゃよ。」
32
:
Hippo
:2007/11/05(月) 15:41:55
「透明マントは、お前も既に気が付いているように、何世代にもわたって、
父から息子へ、母から娘へと受け継がれ、イグノータスと同じように
ゴドリック・ホロウで生まれた彼の最後の子孫に手渡されたのじゃ」
ダンブルドアはハリーに向かって微笑んだ。
「僕のことですか?」
「その通りじゃ。なぜお前の両親が殺された日に、わしが透明マントを持っ
ていたか知っているじゃろ。ジェームスが、その数日前にわしに見せてくれ
たのじゃ。それを使えば、やつが学校でしでかした、悪事の数々に説明がつ
くと言うものだ。でもな、わしは自分の目の前にあるものが信じられなかっ
た。だからジェームズから数日間借りて調べてみたのじゃ。その頃、
わしは三つの秘宝を全部集めるという夢をとっくにあきらめていた。
しかし、その透明マントをよくよく調べたくて仕方が無かった。それは、
わしが見たことがある透明マントとは全然違っていた。それは気が遠くなる
くらい古く、どの観点からも完璧だった。そして、お前のお父さんは亡く
なった。わしは秘宝のうちの二つを手に入れたのじゃ。
ダンブルドアの声は耐えられないくらい悲痛だった。
33
:
Hippo
:2007/11/05(月) 17:02:39
「でも、あのマントがあっても、僕の両親はやられたでしょう」ハリーは
言った。「だって、ヴォルデモートは両親の居所を知っていたし、あの
マントでは呪いは防げなかったはずだから」
「確かに、その通りじゃな」ダンブルドアはため息をついた。
ハリーは、しばらく待ったがダンブルドアはそれ以上何も言わなかった。
そこで
「つまり、あのマントに出会ったとき、既に秘宝を探すのをあきらめてい
らっしゃったというわけですね」
「うん、そうじゃ」ダンブルドアは力なく言った。必死でハリーの目から
視線をそらさないように努力をしているように見える。「何が起こったか
知ってるじゃろ。わしは自分を軽蔑しきれないぐらい軽蔑しておるんじゃよ」
「でも、僕は、先生を軽蔑なんかしていません・・」
「ならば、軽蔑すべきだ」ダンブルドアはそういうと、大きく息をすった。
「わしの妹の病気の秘密を知っているじゃろ、あのマグルの少年達が何をして、
彼女がその結果どうなったか。わしの気の毒な父親が仕返しをしようとして、
そのせいで、アズガバンで死んだことも、わしの母親が人生をなげうって
アリアナの面倒を見たことも、しっておるじゃろ」
34
:
Hippo
:2007/11/05(月) 17:03:51
「ハリー、わしは悔しくて仕方がないのじゃ」
ダンブルドアは、しっかりと落ち着いて、¥言った。そしてハリーの頭越し
に遠くを見つめながら続けた。
「わしは才能に恵まれていた。頭が良かった。逃げたかったんじゃよ。栄光
に輝きたかったのじゃ」
「でも、誤解しないでくれ」ダンブルドアの表情を痛みが覆い、彼はまた歳
を取って見えた。「わしは、みんな愛していた。両親も弟も妹も。でもわし
は自分勝手だった。お前さんのように驚くほど無私無欲な人間には想像も
出来ないほどな。」
「だから、母が亡くなり、傷ついた妹と、気まぐれな弟の面倒を見なければな
らなくなったとき、村に帰ってきたわしは、悔しくて怒りに満ちていたの
じゃ。このまま閉じ込められ、才能が無駄になる、と思った。そのとき、
他でもない、彼がやってきた・・・」
ダンブルドアはまたハリーの目を直視した。
「グリンデルワルド、彼の考え方にどれほど惹かれたか、お前さんには想像
もできないだろう。マグルを抑圧して、魔法使いが勝利する。
グリンデルワルドとわしという栄光に輝く二人の若い革命のリーダー」
35
:
Hippo
:2007/11/05(月) 17:05:12
「まったく気が咎めなかった訳ではない。でも自分の良心を、中身のない
文句で押さえつけたのじゃ。全ては、より偉大な善のため。その為に多少の
犠牲は仕方がない。その百倍の恩恵が魔法使いにもたらされるのだから、
とね。でもグリンデルワルドがどんな人間か分かっていなかったのかって?
分かっていたと思う。でもわしは、目をつぶったのじゃ。もし計画通りに
いけば、私の夢は全てかなうはずだった」
「その計画の中心にあったのが、死の秘宝じゃよ。どんなに彼を魅了したこ
とか。どんなにわしら二人を魅了したことか。無敵の杖、それは我々を権力
へと導いてくれる武器。死者を復活させる石。わしは、知らない振りをして
いたが、彼にとっては、その石はインフェリ(操られる死体)の軍隊を作る
道具だった。わしにとっては、告白すると、両親を復活させて、兄弟の面倒
を見る役目から逃れるためだった。」
「それから、透明マントだが・・・あれに関してはあまり話題に上らなかっ
た。何故かと言うと、わしらは、二人ともそんなもの無しに、自分達を隠す
術を身につけていたからな。もちろん、あのマントの本当の価値は、自分だ
けでなく、他の人も隠せるということなんだがね。わしは、もしあれを見つ
けたら、アリアナを隠すのに使えるかもしれないとも考えたが、わしらの
関心は、むしろそのマントが三つの秘宝の一つであるということだった。
なぜなら、伝説によると、その三つを集めた者が本当の死を制する者にな
るということだからな。『死を制する』と言うことを、『無敵になる』と
いうことだと解釈していたのじゃ」
36
:
ポタリ案さん
:2007/11/05(月) 17:11:06
Hippoさま ありがとうございます!!
37
:
ポタリ案さん
:2007/11/05(月) 17:24:24
ん〜ん、すごい!
すばらしいくてわかりやすい訳です。
ほんとに、ほんとにありがとうございます。
38
:
ポタリ案さん
:2007/11/05(月) 18:19:59
Hippoさま GJ!GJ! 超GJ!
39
:
ポタリ案さん
:2007/11/05(月) 22:34:34
爺も完全な人じゃなかった。とても人間臭い人だったんだ。
なんだかいいなあ。Hippo様、超GJです!
40
:
ポタリ案さん
:2007/11/05(月) 22:59:09
夢中で読みました。
Hippoさま 本当に感謝しています!
ありがとうございます。
41
:
Hippo
:2007/11/06(火) 04:07:40
「無敵の死の王者、グリンデルワルドとダンブルドア、気が狂ったような
2ヶ月、残酷な夢、私に残されたたった二人の家族は放ったらかし、
そして・・・・」
「そのあと何が起こったか知っているじゃろう。粗野で無学だが、わしとは
比較にならないほど立派な弟に現実に引っぱり戻されたのじゃ。やつは、
わしに真実を突きつけ、怒鳴る声をわしは聞きたくなかった。か脆弱で
不安定な妹を連れて、秘宝を探しに行く事は到底無理だという現実を受け
入れたくなかった。」
「口論がやがて喧嘩となって、グリンデルワルドは理性を失った。わしは、
それまでなんとなく気が付いていたのだが、知らぬ振りをしていた。しかし、
やつはついにその恐ろしい正体を現したのじゃ。そして、気が付くと、
アリアナは・・・・・床の上で冷たくなっていた。あれほど母親が注意して
世話をしてきたのにな・・・」
ダンブルドアは本気で泣き出した。ハリーは手を差し伸べた。彼に触れる
ことが出来るのが嬉しかった。腕をしっかりと握っていると、ダンブルドア
は次第に気を取り戻した。
42
:
ポタリ案さん
:2007/11/06(火) 07:25:02
お疲れです。自分はどうもこのエピソードに弱い…
43
:
Hippo
:2007/11/06(火) 07:52:30
「グリンデルワルドは逃げた。当然じゃよな。でも、わしには信じられな
かった。やつは権力を手に入れる計画、マグルの拷問の仕方、わしと共に
作り上げた死の秘宝の夢、その全てを持って、消えてしまったのじゃ。わし
が、妹を埋葬し、後悔と、悲しみと、恥とともに生きることを学んでいる間、
やつは逃げ続けた」
「何年かたって、やつの噂が聞こえてきた。とてつもなく強力な杖を手に入
れたらしいとね。わしは、そのころ、魔法大臣の仕事を薦められていた。
それも一回ではなく何回もな。当然、わしは断った。自分は権力の座に於い
ては信頼に値する人間ではないと悟ったのじゃよ」
「でも、先生は、ファッジやスクリムゴアなんかよりも、ずっとずっと良い」
ハリーは叫んだ。
「そうだろうかね?」ダンブルドアは聞いた。「わしにはわからんね。権力
という魅力に惑わされる、それがわしの弱点だということが若いときに証明
されたのじゃ。不思議なものでな、権力の座というのは、そういうものに全
く興味がない者に最も適しておるのじゃ。お前さん自身のように、リーダと
しての地位を他から押し付けられ、仕方無しにやってみると、意外と上手く
出来るんで、本人も驚く、というようなね」
44
:
Hippo
:2007/11/06(火) 07:57:22
「わしは、ホグワーツにいた方が世の中は安全だったのじゃ。わしは先生と
しては悪くなかったと思う・・・」
「先生は最もすばらしい」
「お前は優しいのう。しかし、わしが若い魔法使いの教育で忙しくしている
間、グリンデルワルドは自分の軍隊を作り上げた。彼らによると、
グリンデルワルドは、私を恐れていたらしい。しかしわしの方がもっとやつ
を恐れていたに違いない」
「いや、死を恐れた訳じゃないぞ」ダンブルドアは、ハリーの問いかけるよ
うな視線に応えて言った。「やつに魔術でどうこうされる、ということじゃ
ない。魔方の腕では、わしの方がわずかだが上だったからな。わしが恐れた
のは真実じゃよ。わしは、妹が死んだとき、直接その呪いをかけたのは
グリンデルワルドかわしのどちらだったのか、本当のところ分からなかった
のじゃよ。臆病者だろう。その通りじゃ。わしは、自分の傲慢さや、間抜け
さが妹に死をもたらした、という以上に、自分がかけた呪いが直接妹の命を
奪ってしまったのではないかという可能性を何よりも恐れていたのじゃ」
「彼は、それを知っていた。彼はわしが何を恐れていたのか知っておった。
わしは、自分自身の恥ずかしさに耐え切れなくなるまで、やつと会うのを避
けていたのじゃ。やつのせいで人々がどんどん死んでいった。誰もやつを止
めることは出来そうになかった。わしは、やるべきことをやらねばならな
かった」
45
:
Hippo
:2007/11/06(火) 08:01:28
「その後、どうなったかは知っての通りじゃ。わしは決闘に勝った。杖は
わしの物になったのじゃ」
また沈黙が訪れた。ハリーはダンブルドアが最終的にはどちらが直接
アリアナを殺したのかつきとめたのかどうか聞かなかった。知りたくなかった。
それ以上に、ダンブルドアにそれを言わせたくなかった。少なくとも、
ハリーはダンブルドアが、みぞの鏡の中に何を見るのか知っていたし、
ダンブルドアがなぜハリーがみぞの鏡のとりこになったときに分かってくれた
かのかも知っていた。
ハリーとダンブルドアはしばらく黙って座っていた。後ろですすり泣く生き
物はもう殆ど気にならなくなっていた。
そして、やっとダンブルドアが口を開いた。
「グリンデルワルドは、ヴォルデモートが杖を探すのを阻止しようとした。
やつは、そんな杖は最初から持っていなかったと、嘘をついたのじゃ」
ダンブルドアは頷いた。ひざを見つめる彼の曲がった鼻の上でまだ涙が
キラキラと光っている。
46
:
Hippo
:2007/11/06(火) 08:05:39
「やつは、晩年になって、ナーメンガードの牢屋の中で一人、自分の犯した
罪を反省していたといわれている。それが本当だと信じたい。やつも最終的に
は自分が引き起こした恐怖と恥を感じることができた、とわしは思いたいの
じゃ。ヴォルデモートに嘘をついたと言うことは、せめてもの償いだったの
じゃろうか。ヴォルデモートが秘宝を手に入れるのを防ごうとして・・」
「先生のお墓を掘り起こすのを防ごうとしたのでは?」ハリーが言うと、
ダンブルドアは目をぬぐった。
しばしの沈黙のあと、ハリーが聞いた。
「先生は死者を蘇らせる石を使おうとしたでしょう」
ダンブルドアは頷いた。
「秘宝のうちでも、わしが最も喉から手が出るほど欲しかったものじゃ。
若いときには、別の理由で欲しかったのだがね。ガウンツの忘れ去られた
家でやっとそれを見つけたとき、わしは前後の見境がつかなくなってしまっ
た。わしは、それがホークラックスであって、呪いがかけてあるに違いない
事をすっかり忘れてしまったのじゃ。わしは、それを拾い上げると指にはめ
た。アリアナや母親や父親に会って、皆に自分がしたことをどんなに悔いて
いるのか伝えるところを想像しながらね」
47
:
Hippo
:2007/11/06(火) 08:08:48
「ハリー、」わしは本当に大馬鹿者じゃよ。この期に及んで、わしは何も学
んでなかった。わしは、三つの秘宝を統合するのに値しない人間だということ
を、今まで何回も何回も証明してきたが、それが最後の証明だ」
「どうしてですか?先生が家族にもう一度会いたいと思われるのは自然なこ
とでしょう?それのどこが悪いんです?」
「恐らく百万人に一人くらいは、死の秘宝を統合することが出来るも者がお
るのじゃろう。わしは、その秘宝の中で一番卑劣なもの、一番たいしたこと
のないものを持つ力しかなかったのじゃ。わしは、エルダーの杖を持つこと
は出来た。自慢もしなかったし、それで人を殺したりもしなかった。わしは、
それを使い馴らす事を許されたのじゃ。なぜなら、わしは自分の為にではなく、
他人を救うために手に入れたからじゃ」
「しかし、透明マントはな、わしは、好奇心から手に入れたものだから、
わしには使えなかった、本当の持ち主であるお前さんのようにはね。
それから、あの石じゃが、わしは安眠している者達を引っぱり戻すために使
おうとした。お前さんのように、自分を犠牲にするために手に入れたのでは
なくてな。お前こそ、秘宝を所有するに値する人間じゃ」
ダンブルドアはハリーの手をポンポンとたたいた。ハリーが見上げると、
ダンブルドアは微笑んでいる。嬉しさを隠せないかのように。ハリーの
ダンブルドアに対する怒りはどこかへ行ってしまった。
48
:
Hippo
:2007/11/06(火) 08:17:16
「でも、なぜ、あんなに難しい謎解きにしなければならなかったのですか?」
「申し訳ないが、わしはグレンジャー君に、お前さんが突っ走らんように
抑えてくれることを期待したのじゃ。わしは、お前の熱くなった頭が、
お前の良心に打ち勝ってしまうことを恐れていたのじゃよ。もしそのような
魅惑のある物の秘密をそのまま明かしたら、お前さんは間違った時期に、
間違った理由で、秘宝をすぐさま手に入れてしまうのではないかと、
それが怖かったのじゃよ。もしお前が、それを手に入れるのなら、もっと
安全にやってほしかったからね。お前さんこそ、正真正銘の死を制する者
じゃ。なぜなら、本当に死を制する者は、死から逃げようとしたりしないから
じゃ。死ななければいけないという事を受け入れ、世の中には、死ぬことよりも
もっともっと酷いことがあるのだと言うことをわかっておるのじゃ」
「ヴォルデモートは、秘宝のことを知らなかったのですか?」
「そのようじゃな。なぜなら、死者を蘇らせる石を見てもそれが何か分から
ずに、ホークラックスにしてしまったくらいだからね。でも、もしやつが
秘宝のことを知っていたとしても、おそらく、一番目の秘宝以外には目も
くれなかったじゃろうな。マントなど必要なかっただろうし、石に至っては、
やつが、蘇らせたいと思う人間などいないだろうからな。やつは死を恐れているし、
愛というものをしらない」
49
:
ポタリ案さん
:2007/11/06(火) 08:19:31
分単位の更新楽しみです。
毎朝、この時間に連ドラのように楽しませて頂いてます。
ダン爺の弱いところはなんか見たくない。
訳されている方感謝です。
50
:
Hippo
:2007/11/06(火) 08:23:29
「しかし、先生は彼があの杖を探すと思っていたでしょう?」
「あのリトルハングルトンの墓地で、お前の杖がヴォルデモートの杖を破っ
て以来、やつが杖を探すのは確実だとおもっておった。最初、やつはお前に
魔術の技で負けたのではないかと恐れていた。しかしオリヴァンダーを誘拐
して、ツインコア(双子の芯)の存在を知ったら、やつは、それが負けた
理由だと思い込んだ。しかし、そう信じて人から借りた杖もお前さんの杖の
前にはたいしたことはなかった。ヴォルデモートはお前のどんな性質がお前
の杖をそれほど強力にしたのか、やつの持っていないどんな才能をお前が
もっているのかは考えもせず、どんな杖よりも強いとされるエルダーの杖を
探しに出たのじゃ。やつは、ハリーポッターに対するのと同じくらい
エルダーの杖に取り付かれたのじゃ。エルダーの杖はやつの最後の弱点をな
くし、本当に無敵になれると思い込んだ。セヴェルスにはかわいそうな事を
した・・・」
「もし、先生がスネイプと死を計画したのだったら、彼の手に杖が渡る予定
だったわけでしょう?」
「その通りじゃ。しかし、わしが意図した通りには事は運ばなかったよう
じゃのう」
「そうですね、その部分だけはうまく行きませんでしたね」
例の生き物が後ろでうめき声を上げながら、ビクビクと動いていたが、
ハリーとダンブルドアは、何も言わずそのまま座っていた。その間、ハリー
の心に今から何が起こるのかという思いがまるで降り積もる雪のように
だんだん重くのしかかってきた。
51
:
Hippo
:2007/11/06(火) 08:26:03
「僕は、戻らなきゃいけないんですよね」
「それはお前さん次第じゃ」
「僕に選択権があるのですか?」
「もちろんじゃ」ダンブルドアは微笑んだ。「お前さん、ここは、
キングスクロス駅だと言ったじゃろ。もし、戻りたくないのであれば、
例えば・・・列車に乗って」
「その列車はどこに行くんです?」
「前に進んで行く」ダンブルドアはそれだけ言った。
また沈黙が訪れた。
「ヴォルデモートはエルダーの杖を手に入れたんです」
「そうじゃ、ヴォルデモートはエルダーの杖を持っている」
「でも、僕に戻れと言うのですか?」
「もし、お前が戻れば、やつが永久に葬られる可能性があると思う。
約束は出来んがな。でもじゃな、これだけはいえるぞハリー、お前さんは
ここにまた戻って来ることを、やつほど怖がる必要はない」
52
:
Hippo
:2007/11/06(火) 08:31:08
ハリーは、遠くの椅子の下の暗がりで、震えたりむせたりしている塊を
チラッと見た。
「ハリー、死んだものを哀れんじゃいかん。生きてるものを哀れむのじゃ。
特に愛を失う者をな。お前が戻れば、殺される人が減り、離れ離れになる
家族も減るじゃろう。もしそれが、価値のある目標だと思うのならば、
お前とは、とりあえずお別れじゃな」
ハリーは頷き、ため息をついた。この場を離れるのは、森に向かって歩いて
いったときほど大変ではない。しかし、ここは温かく、明るく、平和だ。
戻るということは、は痛みと大事なものを失う恐怖に向かって行くことだと
いうことは分かっていた。ハリーは立ち上がった。ダンブルドアも立ち上
がった。しばらくお互いの顔を見つめあった。
「もう一つだけお願いします」ハリーは言った。「これは、現実なんですか?
それとも僕の頭の中で起こっている事なんですか?」
ダンブルドアは笑った。また明るい霧が降りてきて彼の姿がかすんで見えな
くなってきたにも関わらず、彼の声は大きく力強くハリーの耳に響いた。
「もちろん、お前さんの頭の中で起こっていることじゃよ。でもハリー、
それだからといって、現実じゃないということにはならんじゃろう?」
53
:
Hippo
:2007/11/06(火) 08:33:22
35章はこれで終わりです。お疲れ様。
54
:
ポタリ案さん
:2007/11/06(火) 08:37:54
朝早くから、有難うございます!
息をつく間も惜しいほどの名訳に感動しています!
何とお礼を申し上げたらいいのかわかりません。
55
:
ポタリ案さん
:2007/11/06(火) 08:38:31
キャー!!感激です!!!
ありがとうございました!!
56
:
ポタリ案さん
:2007/11/06(火) 08:44:12
Hippoさん、他の訳者さん最高です。
自分ではここまで訳せません。
しかも、非常に分かりやすい訳で物語の情景が浮かんでいきます。
本当に感謝です。
57
:
ポタリ案さん
:2007/11/06(火) 08:53:37
Hippoさん
お疲れ様でした。
ありがとうございます。
感動してなんだかため息がでました。
58
:
ポタリ案さん
:2007/11/06(火) 08:57:04
またまた夜の間に魔法がおこなわれていたかのように嬉しさです。
本当にありがとうございました。
結局、自分の欲の為にはどんな宝物も役に立たないのですね・・・
1巻の賢者の石もそうでしたね。
我々一般に置き換えても耳の痛い教訓です。
爺もつらかったんだなあ。
あと1章になりました。本当にここまで続くなんて信じられないくらいです。
ぜひ最後まで読ませてください、訳者の皆様m(__)m
59
:
ポタリ案さん
:2007/11/06(火) 09:09:19
Hippoさんお疲れ様です!
ありがとうございました。朝から感動です
60
:
ポタリ案さん
:2007/11/06(火) 11:00:25
GJ!!!訳者GJ過ぎだぜ!!!!!
61
:
ポタリ案さん
:2007/11/06(火) 11:25:24
英語のできない私にとって、Hippoさん他、訳者の皆様は魔法使いのようです。
いつも素敵な時間をいただいています。
ありがとうございます。
62
:
ポタリ案さん
:2007/11/06(火) 14:06:11
Hippoさん、私からもありがとうございました。
数々の疑問が氷解しまし、ハリポ全巻の話がよく見えてきました。
本当にありがとうございました。
63
:
<エバネスコしました>
:<エバネスコしました>
<エバネスコしました>
64
:
ポタリ晏
:2007/11/09(金) 15:47:27
ちょっと疑問があります。
33章を訳していた時、ふと引っかかったんです。
ダンブルドアがハリーとヴォルの秘密について推測を明かすところで、
『閉ざされた建物の中で唯一生きていた魂に(ヴォルの欠片が)入り込んだ』
というような記述がありましたよね?
U.K.版p.550のラスト3行辺りなのですが……(解釈、間違ってます?)。
で、その後、出てきた手紙では、ポッター家は猫を飼ってましたよね?
……その猫は……いなかったのですかね?それとも、殺された?
幾らヴォルでも…或いは、ヴォルだからこそ、そんな矮小な生き物(←ヴォル視点)、
かかずらわっていられるか、だと思うので、殺しはしない気がするんです。
主人の為に攻撃してきたりしたら、やられそうですけど。
または、ヘドウィグのように偶然アバダに当たることも考えられますが。
いえ、どうということはないのですが、もしかしたらヴォルの欠片が、
猫ちゃんの中に入り込んでしまっていた、なんて可能性もあったのかな〜、
なんて思ったら、ちょっと笑えてしまったもので。
不謹慎ながら、ハリーで良かったね、と思ったり……。
まぁ、犬と違って出歩く生き物ですから、居合わせなかったとしても不思議はないですが、
だとしたら、それはそれでどうなったのかな〜、などなど気になります。
事件を逃げ延びて、その後、ゴドリック・ホロウで野良化しながら、
たくましくご主人様の家の跡を守っていたりしたのでしょうか……。
65
:
ポタリ晏
:2007/11/09(金) 15:49:23
御免なさい!
『雑談スレ』に書き込もうとして、間違えてしまいました!
目障りでしょうから、どうぞエバネスコして下さい。
66
:
ポタリ案さん
:2007/11/13(火) 23:41:02
この章で何回も出てくる、「椅子の下の小さな生き物」とは何なんですか?
67
:
ポタリ案さん
:2007/11/14(水) 01:35:26
ハリーの中に入り込んでいた
ヴォルデモートの一部、つまりホークラックスではないかと
68
:
ポタリ案さん
:2007/11/14(水) 13:50:36
ホークラックスは入れ物のことだから、この生き物は
ヴォルの魂のかけらだと思います。
69
:
ポタリ案さん
:2007/11/15(木) 02:10:37
第7番目のホークラックスであったハリーの中にあったヴォルの魂というか分身は、
ヴォルがElder Wandを使うことによって破壊されてしまったのではなかったですか?
70
:
ポタリ案さん
:2007/11/15(木) 02:15:46
ハリーの脳内の話しだから、破壊されたものがまだうごめいていてもよいのですかね?
71
:
ポタリ案さん
:2007/11/15(木) 08:57:54
この章の舞台はこの世ではなく、亡きダンブルドアと語り合える場所なんだから、
破壊されたものがうごめいていて良いのです。
72
:
ポタリ案さん
:2007/11/15(木) 09:00:21
ハリーの中に入ってしまった魂ではなくて、ヴォルの真実の姿なのでは?
甦りの石から出てきたルーピン先生も「やつも早く終わらせて欲しいと思っている」
みたいなことを言っていたし、森の中で生贄になる為に向かったハリーが
目撃した、ヴォルが犠牲者の数を数えていた(反省しかけていた?)様子
この場面のあと気を失い気がついた時の怯えた様子、最期ヴォルは倒された後
小さく縮んでしまった・・などから、ホークラックスを全て(あの時点では
まだナギニに1個あったけどゴール間近ですよね)破壊された本体は
4巻の甦りの前の赤ん坊状の生命体よりも傷ついた情けない姿であった・・
みたいなことじゃないか?と想像します。
73
:
ポタリ案さん
:2007/11/15(木) 09:12:01
ヴォルが反省するのであれば、このようなことにはならないかと・・
早く終わらせてほしい=早くハリーを殺させてほしい(予言を終わらせてほしい)
なのでは?
74
:
ポタリ案さん
:2007/11/15(木) 10:56:20
ルーピン先生が発した言葉・・というのが重いのですが・・
その時点ではハリーは自らがヴォルに殺されることはヴォルの命を終わらせる
1つのステップと認識していて甦りの石から出てきた面々もハリーと同じ認識
だったと思います。
生前、楽ではなかったルーピンはヴォルの真の姿を想像できたのではないか?
確か、キリスト教では臨終間際に懺悔をすることによってそれまでの罪を払拭・・
までは、図々しいかも?だけど軽減できる。みたいなことありますよね?
ヴォルを擁護する気は全くない(ダンブルドア並みにw)のですが
赤ん坊のころから不遇でホグワーツで愛や友情信頼、両親からの犠牲による守り
を知ったハリーはダンブルドアよりも目を覆うことなくヴォルの因縁を見たのでは
ないでしょうか。
ヴォルは救いを知らないままに育った赤ん坊・・力と知識だけ発達し
自尊心と自分を捨てた親や世間への劣等感と侮蔑で恐怖政治の支配者となっていった
・・そんなヴォルに最期の懺悔を求めたハリーは意図せずに同化された被害者では
あったけど、ヴォルに引導を渡せる唯一の分身だったのではないか・・と
また、ハリーの血によって甦ったヴォルの体の中ではそれまでの罪を苛める
葛藤が、封じ込めようとはしても封じ込めれば封じ込めるほど自らを痛めつける
ものがあって それらを認め開放してあげればあれほどの醜い姿で怯えていなくて
いいよ・・と
・・とはいっても、もしも寸前にヴォルが懺悔をしても生きながらえることは
ないでしょうしお馬鹿なままに自らの刃で自滅・・で ヒールとしてはお仕事完了
なのでしょうね。(もしも生きていたら民衆が汚れ役になってしまうしね・・)
75
:
ポタリ案さん
:2007/11/15(木) 19:16:22
あの、こういうのすごく良い推測の出しあいだと思うのですが、ここでやると今週末になくなっちゃうんですよね。
雑談スレでやれば残るので、あっちにコピーしませんか??
もったいなーい!
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Harry Potter and the Deathly Hallows (Harry Potter 7)(UK) Adult Edition
/ J.K. Rowling
7巻原書(UK版)。カバーが大人で素晴らしいデザインです。
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