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EU、顔面+指紋認証のバイオメトリクス搭載パスポートを義務付け

2006/07/03

湯木進悟

Franco Frattini氏

欧州連合(EU: European Union)は、顔面認証に加えて、指紋認証に対応するバイオメトリクス搭載パスポートに関する最新技術仕様を正式承認した。2009年6月末までに、EU加盟国が発行する全パスポートが顔面および指紋認証のバイオメトリクス対応となる。

2004年にバイオメトリクス搭載パスポートに関するレギュレーション「EC 2252/2004」が規定されてから、EUはこれまで標準的な技術仕様の確立を目指してきたという。すでに2005年2月には、顔面認証に関する技術仕様が正式に承認。2006年8月末までに、EU加盟国が発行する全パスポートには非接触型ICチップが搭載され、顔面認証による本人確認を可能にする顔画像データが保存されるようだ。これにより、米国が2006年10月までに求めていた、ビザなし入国を認める旅行者のパスポートの、バイオメトリクス認証への対応も完了するとされている。

一方、今回承認された新たな技術仕様によって、EU加盟国が発行するパスポートには、顔画像データに加えて、2本の指紋データも保存されることになるという。また、十分なセキュリティ強化を図るため、パスポート管理では世界初とされる公開鍵暗号基盤(PKI: Pubic Key Infrastructure)を採用したシステムの導入がアナウンスされている。すでに幾つかのEU加盟国において、テスト運用も実施されたようだ。

EU副代表および司法・安全保障担当コミッショナーのFranco Frattini氏は「EU域内の人々に対して、より安全で信頼性の高いパスポートを提供するための重要な一歩を踏み出せたことを誇らしく感じている。国際民間航空機関(ICAO)標準に準拠して、(各国のシステムと)互換性を保ちつつ、ハイレベルな安全保障を実現する世界初のパスポート規格が立ち上げられる」とコメントした。

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