【書評】『在日外国特派員』チャールズ・ポメロイ総合編集
08/19 21:53更新
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■戦後日本での熱き活動記録
1945年8月28日、マッカーサー将軍に先立ち日本占領に到着した先遣隊には、約200人の新聞記者やカメラマンが同行していた。
報道の自由を掲げて彼らは東京特派員クラブを結成する一方、焦土と化した東京からミズーリ艦上の降伏式典や天皇陛下会見、極東国際軍事裁判と次々ニュースを送った。
本書はその発足から95年まで半世紀の記録である。在日外国特派員たちは戦後日本とアジアをどう伝えたか。10年ごとに元同僚のベテラン5人が分担しているが、意気揚々と活動するその傍若無人さも含めて、やはり面白いのは初期の時代だ。
とりわけ朝鮮戦争では、さながら中継基地となった特派員クラブに世界中からジャーナリストが殺到、戦場とクラブを往来する彼らの動静や戦況が時々刻々と描かれている。
時代は下り、74年の故田中角栄首相の会見顛末(てんまつ)記も興味深い。文芸春秋の「田中角栄研究-その金脈と人脈」に関連して、特派員たちから執拗(しつよう)に金脈を追及された田中首相は激高、席を蹴(け)って出ていく。
結局、これが田中失脚への序曲となり、その“戦果”はこのクラブの名声を大いに高めたのだった。
さて、戦後62年のいま、東京・有楽町の日本外国特派員協会に往時のクラブの熱気を感じることは難しい。大手メディアは自前のオフィスを持ち、インターネット、デジタル化の波は、もはやプレスクラブの存在意義さえ危うくしかねない。
いや、もっと懸念すべきは、昨今の外国メディアによる日本報道が、例えば米下院の慰安婦決議や柏崎刈羽原発被災に見るごとく、事実誤認やセンセーショナリズムの弊害からともすれば免れないことである。
日本の対外イメージの形成に外国メディアの果たす役割は小さくないだけに、ことは重大である。本書は公益事業の一環で翻訳されたものだが、在日特派員たちも、オリジナル版(英語)で戦後日本と先人たちの熱き活動を学んでほしいものだ。(ケイ・K・タテイシ写真編集、江口浩、佐藤睦訳/発行所・新聞通信調査会(電)03・3593・1081、1200円)
論説委員室 千野境子
◇
原書は『FOREIGN CORRESPONDENTS IN JAPAN』(日本外国特派員協会発行)。
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