安倍首相辞任 歴代と比べ異例ずくめ 戦後初、代表質問なし
09/13 11:45更新
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12日に突如、辞意を表明した安倍晋三首相。衆参両院事務局によると、国会会期中の内閣総辞職は平成元年6月の竹下内閣など計8例あるが、首相の所信表明演説後に代表質問が行われなかったのは戦後初めて。歴代首相と比べても極めて異例の辞任劇といえる。
平成に入ってから首相になったのは安倍首相を含め12人。このうち、自民党総裁の任期を全うして退任したのは、小泉純一郎氏だけだ。
小泉氏と脳梗塞(こうそく)で倒れた小渕恵三氏を除く残る9人を大まかに整理すると、「選挙敗北型」「追い込まれ型」「突発型」に分けることができる。
「選挙敗北型」は宇野宗佑、宮沢喜一、橋本龍太郎の3氏だ。いずれも国政選挙で敗れた直後に退陣を表明した。宇野、橋本両氏は投開票日の翌日、宮沢氏は4日後。7月の参院選で大敗した安倍首相の場合、辞任表明は参院選の投開票から45日後だった。
「追い込まれ型」は竹下登、細川護煕、羽田孜、森喜朗の4氏だ。竹下氏はリクルート疑惑、細川氏は東京佐川急便疑惑を追及され、いずれも予算の成立と引き換えに退陣表明している。少数与党となった羽田氏は内閣不信任決議案を提出された2日後、衆院解散を選択せずに総辞職した。
森氏は就任直後から失言が重なり、平成13年2月の「えひめ丸」沈没事故の対応に世論の批判を浴びた。安倍首相も「政治とカネ」をめぐる問題で窮地に立たされた点では、「追い込まれ型」にも当てはまる。
「突発型」では海部俊樹、村山富市両氏。海部氏は政治改革の実現に向け「重大な決意」と表明したが、党内最大派閥だった竹下派(当時)の反発を浴び内閣総辞職に追い込まれた。村山氏は平成8年1月の通常国会召集直前に突如辞任を表明。ただ、その前からたびたび辞意を周囲に漏らしていた。
ちなみに、花道論でいえば、安倍首相の祖父である岸信介氏は日米安保条約の改定、鳩山一郎氏は日ソ国交回復と国連加盟の実現後に退陣した。
安倍首相は、インド洋における海上自衛隊による給油活動の継続について、根拠となる新法の国会提出すらできなかった。それだけに、安倍首相の辞任表明は過去のケースにもないほどの突然のタイミングであり、複合的な要素が絡み合った退陣ともいえそうだ。
◇
◆安倍政権の歩み
平成18年
9・20 自民党総裁選で安倍晋三官房長官(当時)が当選
26 安倍内閣発足
10・ 8 中国、韓国を歴訪(~9日)
22 衆院神奈川16区、大阪9区統一補選で自民が連勝
11・ 1 政府主催タウンミーティング(TM)のやらせ質問問題発覚
18 ハノイでブッシュ大統領と初の日米首脳会談
12・ 4 郵政造反組11議員が自民党復党
8 道路特定財源見直しを閣議決定
15 改正教育基本法が成立
21 本間正明政府税制調査会長が官舎への不適切入居問題で辞任
27 佐田玄一郎行政改革担当相が政治資金問題で辞任
19年
1・ 9 欧州歴訪、東アジアサミット出席(~15日)
10 松岡利勝農水相の事務所費問題が浮上
25 第166通常国会召集
27 柳沢伯夫厚生労働相が女性を「産む機械」と発言
26 19年度予算成立
4・ 6 日本版国家安全保障会議(NSC)創設関連法案を提出
11 温家宝中国首相が来日、日中首脳会談
22 参院福島、沖縄両選挙区統一補選で与野党が1勝1敗
27 ワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドでブッシュ大統領と会談。5月3日まで中東歴訪
5・14 憲法改正のための国民投票法成立
18 集団的自衛権行使の憲法解釈見直しを検討する有識者会議が初会合
24 2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量半減の長期目標を発表
28 松岡農水相自殺
6・ 6 主要国首脳会議(ドイツ、ハイリゲンダム・サミット~8日)
20 教育改革関連3法が成立
30 年金時効撤廃特例法、社会保険庁改革関連法、改正国家公務員法が成立
7・ 3 久間章生防衛相が原爆投下「しょうがない」発言で辞任
5 国会閉幕。首相、公的年金記録不備問題の対応策発表
7 赤城徳彦農水相の事務所費問題が表面化
29 第21回参院選。自民党は37議席と惨敗、与野党逆転。首相は続投表明
8・ 1 赤城農水相辞任
19 インドネシア、インド、マレーシア歴訪(~25日)
27 自民党役員人事、内閣改造
9・ 3 補助金不正受給で遠藤武彦農水相が辞任。坂本由紀子外務政務官も収支報告書の改竄(かいざん)で辞任
5 鴨下一郎環境相の政治資金収支報告書に「誤記」判明。上川陽子担当相も記載漏れ発覚
10 衆参両院で所信表明演説
12 首相が辞意を表明
◇
◆安倍晋三首相の主な発言
「私は自民、公明両党の連立政権の安定した基盤に立ち『美しい国づくり内閣』を組織した」(平成18年9月29日、所信表明演説)
「(靖国神社に)参拝に行くか行かないか言及しない。政治的困難を克服し、適切に対処していきたい」(10月8日、北京での胡錦濤中国国家主席との会談で)
「憲法を頂点とした行政システム、外交・安全保障などの基本的枠組みの多くが、21世紀の時代の大きな変化についていけなくなっている。これら『戦後レジーム』を大胆に見直し、新たな船出をすべきだ」(19年1月26日、施政方針演説で)
「辛酸をなめられた元慰安婦の方々に心から同情するとともに、極めて苦しい状況に置かれたことについて申し訳ない気持ちでいっぱいだ」(4月26日、米連邦議会で上下両院幹部に)
「大変残念だ。ざんきに堪えない」(5月28日、松岡利勝農水相の自殺について記者団に)
「米国の考え方について紹介したと承知している。原爆の惨禍に遭った長崎についてじくじたるものがあると、被爆地の考え方についても言及されていると聞いている」(6月30日、久間章生防衛相の原爆投下発言について記者団に)
「参院選で実績や政策を問いたい。私と小沢一郎民主党代表のどちらが首相にふさわしいか国民の考えを聞く」(7月1日、民間主催の党首討論会で)
「『社会保険庁、一体何をやっているんだ』という気持ちだが、現在の行政の長として皆さまにおわび申し上げたい。すべきことはすべてやっていく」(7月5日、社保庁の年金記録不備問題について記者会見で)
「私の国づくりはスタートしたばかり。政局運営は厳しい状況だが、改革を続行し、約束を果たすことが私の責任、使命だと決意している」(7月29日、自民党惨敗の参院選結果についてテレビ番組で)
「反省すべき点は反省し、人心を一新せよというのが国民の声だ」(7月30日、自民党本部での記者会見)
「今からすれば反省点はあると思います。その段階では法にのっとって処理をしているという話でありました」(8月1日、事務所費問題で更迭した赤城徳彦農水相を擁護したことについて記者団に)
「美しい国づくりに向けた政策実行内閣ではないか」(8月27日、内閣改造後の記者会見)
「(海上自衛隊の給油活動継続に)職を賭して取り組んでいく考えだ。(継続できなければ)私の職責にしがみつくということはない」(9月9日、シドニーでの内外記者会見)
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