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【記者が語る安倍政権】(下)負の遺産抱えた後継者

09/19 10:03更新

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【記者が語る安倍政権】(下)負の遺産抱えた後継者■日米首脳会談 慰安婦問題、謝罪はなかった

 本紙政治部首相官邸キャップ阿比留瑠比、与党キャップの石橋文登両記者が17日に続き、まもなく幕を閉じる安倍政権の軌跡を振り返った。

 阿比留 「安倍晋三首相が昨年、総裁選に出なければ、1年早く福田康夫首相が誕生していただろう。そうなっていたら教育基本法改正防衛庁の省昇格も、国民投票法の成立もなかったはずだ。福田氏が好んで取り組む課題とは思えない。その意味でたった1年間だけど首相が残した功績は大きい。残念ながら参院選では評価の対象にならなかったけどね」

 石橋 「表に出ない成果もあるよ。中川昭一氏を政調会長に据え、人権擁護法案や皇室典範改正、民法改正などの動きをきっちり封印した」

 阿比留 「台湾の李登輝前総統の靖国参拝が実現したのも安倍政権だったからだよね」
 石橋 「僕は首相の保守再興路線と小泉純一郎前首相の構造改革路線が同一軸上にあるとは思えないんだ。首相は2つの路線に何とか折り合いを付けたいと思っていたようだが、『チーム安倍』はそのへんを理解していなかったんじゃないかな。公務員制度改革の進め方などはいかにも稚拙で、霞が関全体を敵に回しただけだった」

 阿比留 「首相は新自由主義的傾向が強い小泉氏とは違うタイプの政治家だったが、小泉氏の後継者として祭り上げられた。最初からまた裂き状態だったんだよ。歴代内閣は首相の真意や裏事情を周辺が巧みにメディアに説明し、流れを作っていくものなんだが、『チーム安倍』はそのへんも下手だったね。実は、官房副長官時代の首相はこれが実にうまかったんだけどね」

 ◆参院選の敗因

 石橋 「参院選の敗因は、年金記録紛失問題や赤城徳彦元農水相の絆創膏事件などが大きいが、6年前の参院選で小泉フィーバーが起き、自民党が勝ちすぎたことが根底にあるんじゃないか。勝てるはずのない候補は大幅に差し替えるしかなかったが、ほとんどメスを入れることができなかった」

 阿比留 「参院選で落選した候補には、選挙は衆院議員がやってくれると考え、6年間に1度も地元企業にあいさつに行っていない人もいた。それに格差問題など小泉前政権の『負の遺産』を背負っていたのも事実だろうね」

 石橋 「首相は早くから『政界のプリンス』といわれ、政権発足当初から衆院は与党が3分の2を占め、参院も過半数を維持。やろうと思えば何でもできる状態だった。『あらかじめ与えられし者』『銀のスプーンをくわえて生まれた者』へのあこがれはやがて嫉妬(しっと)や憎悪に変わっていった。『お坊ちゃま首相』『お友達内閣』などと揶揄(やゆ)されたのはそのせいじゃないかな」

 阿比留 「首相と敵対する勢力は、政権発足当初は危険な『タカ派政権』だと宣伝し、それがうまくいかないとみると『か弱い』『幼稚』『優柔不断』など、イメージダウン戦術に切り替えた。悔しいけどそれがうまくいったんだな」

 ◆靖国神社参拝

 石橋 「今さらだけど靖国神社参拝への対応はよかったのかな。靖国に行くとも行かないとも言わない『あいまい戦術』は妙案に見えるけど、小泉氏の靖国参拝をもっとも強く支持していたのは首相だからね。首相の本来の支持層を疑心暗鬼にさせ、自らも苦しむことになった。昨年8月15日に小泉氏が参拝した直後に、自らも参拝すべきだったんじゃないかな。自らの信条を通したことで総裁選に影響があっても別に構わなかったと思うんだが…」

 阿比留 「首相は、参拝するかしないかをカードにして、拉致問題解決に向けて中国の協力を得ようという算段だったようだが、やはり無理があったんだろうね。まあ、8月15日に参拝するかしないかが外交姿勢を示す踏み絵になってしまった現状こそが問題なんだけど…」

 石橋 「就任直後にいの一番に訪中したことも果たしてよい判断だったのだろうか。親中派の『口撃』を押さえ、国会運営をスムーズにしたのは確かだが、失ったものも大きかったのではないかな」

 阿比留 「対中外交では、村山談話に言及せず、過去の歴史について謝罪しないなどの原則を打ち立てていたが、なぜか『中国に屈した』とのイメージが先行した。欧州訪問の際にも、中国と欧州の接近にクギを刺していたし、インド豪州との安保対話強化や、自由貿易協定の推進も中国を牽制(けんせい)するためだったが、あまり理解されなかった」

 石橋 「それから計算外だったのは米国の変節だね。北朝鮮との対話路線への転換は、日本の『対話と圧力』路線を揺さぶった。米議会の話とはいえ、慰安婦問題をめぐる対日非難決議案も打撃となった」

 阿比留 「4月の日米首脳会談のとき、首相がブッシュ大統領に慰安婦問題で謝罪したと報じられているが、実は首脳会談では慰安婦問題は話題にならなかった。会談冒頭にブッシュ氏が『慰安婦問題と牛肉の対日輸出再開の件は話したことにしておこう』と言っただけだったが、共同記者会見で慰安婦問題の質問を受けたブッシュ氏が『安倍の謝罪を受け入れる』と一方的に答えたというのが真相なんだよ」

 石橋 「しかし、首相が辞任を表明したとたん、福田氏支持に雪崩を打つ現象は理解に苦しむ。総裁選の対抗馬だった麻生太郎幹事長が『安倍路線は正しい』といい、首相を熱烈に支持した人々が全く路線が異なる福田氏を祭り上げているさまはこっけいを通り越して哀れだ」

 阿比留 「政治思想も信条もおかまいなし。自民党議員の6、7割は、何のポリシーもなく、『勝ち馬に乗りたい』だけなんだよね」

 石橋 「民主党小沢一郎代表はほくそ笑んでいると思うよ」

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