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外国人の指紋採取を開始 「テロ脅威」「強制、最悪」

2007年11月20日06時26分

 日本に入国する外国人に指紋採取と顔写真撮影に応じることを義務づける制度が始まるのを前に、鳩山法相が19日、成田空港第1ターミナルの新しい入国審査システムを視察した。プライバシー侵害の懸念などから市民団体による反対運動が高まっていることに対し、法相は「テロは大きな脅威。価値の比較考量の問題で、我慢していただくしかない」などと理解を求めた。

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成田空港の入国審査場で外国人に指紋採取の説明をする入管職員=20日午前

 制度は20日から全国27空港と126海港で一斉に始まった。在日韓国・朝鮮人ら特別永住者と外交・公用の人を除く、16歳以上の外国人が対象だ。

 鳩山法相は視察後、報道陣に「アルカイダの関係人物が日本に何回も入国した事実がある。そういうことを防ぐ効果はあるだろう」と意義を強調した。

 一方、国際NGOのプライバシー・インターナショナル(本部・ロンドン)は19日、欧米やアフリカ諸国など約70の市民団体の共同署名で「指紋採取の強制は世界で最悪の国境管理だ」とする声明を法務省と鳩山法相にあてて送付した。

 ピースボートやアムネスティ・インターナショナル日本なども都内で合同記者会見を開き、「『外国人の問題』と見過ごされがちだが、日本が導入すれば他国も追随し、日本人も指紋を採られるようになりかねない」と制度の見直しを求めた。

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