以前、野田秀樹さんの舞台を見に行った時のことです。お客さんと舞台の出演者が一体になって、泣いたり笑ったりできることに驚き、感動したんです。でも同時に、少し自信をなくしてしまいました。私はきれいにメイクしてもらって、新しい服を着て、カワイイと言われてるけど、泣きたい気持ちとかハッピーな気持ちを表現できているのかなとか、誰にも伝わってないんじゃないかなと思ったんです。
でも、「私にもできることがきっとある。きっときっと伝わるから、モデルの仕事を頑張ろう」と自分に言い聞かせたんです。今、撮影現場がどんなに寒くても思い切り笑えるのは、そんな「伝えたい」という気持ちがあるからなんです。これからも仕事を通して自分の好きなもの、好きな気持ちを表現していけたらいいなと思っています。
最近は、商品をプロデュースするお仕事もいただいています。ジュエリーとかスイーツなどはもともと好きで、「こういうのがあったらいいな」と思っていたことを自分でプロデュースしてそれが商品化されることをすごく楽しんでいます。一方で、なじみの薄かったジャンルにも挑戦しています。温泉宿とか着物がそうですね。
着物をプロデュースすることになった時は、「本当に着物が好きな人の期待に応えられるか」と最初は不安でしたが、いろんな方のお話を伺ってるうちに、「着物は敷居が高いと思っていた自分だからこそ、より多くの女性たちにとって身近な視点で表現できるものがあるんじゃないか」とポジティブに考えられるようになりました。敷居を取り払う意味でも、自分が何かを提案したり伝えられるのではないか、と。これからもこんな気持ちが持てるものには、どんどん挑戦していきたいですね。
また、いつかは着物を世界に広めていけたらいいな、と思います。私があこがれているような海外のセレブの方に、私がプロデュースした着物を着ていただいて、その魅力を伝えられたら本当にうれしいですね。それには私も日本文化を学び直し、英語で説明できるようになって、「着せて」って言われたら着付けできるようにしておかないといけないですね。そのためにも英語をしっかり話せるようになりたい。