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【社会】

再試験建材にも水分 耐火性能偽装のニチアス

2007年11月17日 朝刊

 建材メーカー「ニチアス」(東京)の耐火材性能偽装問題で、国土交通省が指示した軒裏用耐火材2種類の再試験に使う建材の一部に基準よりも多くの水分が含まれていることが判明、再試験を中止したことが分かった。

 社内試験で「基準を満たした」としていた4種類のうちの2種類で、ニチアスは「試験に使う部材を雨にぬらしてしまった」と国交省に説明しているが、当初の偽装が水を含ませる手口だっただけに、国交省は「雨にぬらすなど神経を疑う」と不信感を募らせており、再発防止を指導する方針。

 再試験が終わったほかの2種類もすでに「不合格」となっており、同社の法令順守の姿勢があらためて問われそうだ。

 ニチアスは偽装した耐火材20種類のうち、4種類は社内試験の結果「問題ない」としていたが、外部機関で4種類の再試験をすることになっていた。

 国交省によると、指定性能評価機関の建材試験センター(東京)が、13−14日に予定されていた再試験のため建材に基準以上の水分が含まれていないかを12日に検査したところ、15%以下と定められている含水率を大幅に超えたという。建材を乾燥させるなどして、17−18日に再度試験を行う予定。

 耐火試験は、軒の形に組んだ木材に耐火材を組み込み、高温の炉の中に置いて耐火材の内部が一定の温度以上にならないか調べる。

 ニチアスは「水を含んでいたのは耐火材を軒の形に組み込むための柱で、耐火材そのものではなかったため、そのまま試験を受けようとした」と説明。国交省は「そのまま試験をしていれば本来より良い結果となった可能性が高い」としている。

 【ニチアスの耐火性能偽装】 建材メーカーのニチアスが、住宅の軒裏などに使う耐火材20種類について、国交相認定を受ける際の試験で、部材に水を多く含ませるなどして性能を良く見せる不正をしていた問題。計10万棟の住宅などで使用。16種類は社内試験で性能が基準以下と判明し、国交相認定が取り消された。社内試験では基準を満たした残る4種類も外部機関で再試験し、2種類は基準以下と判明した。

 

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