ごみ収集車の火災が県内で後を絶たない。原因は使用済み家庭用カセットガスボンベなどをガス抜き処理しない“マナー違反”が大半。鍋料理でカセットコンロを多用する季節を迎え、各自治体は「分別とガス抜きを徹底して」と訴えている。
2007年度の岡山県内の収集車火災は15日現在、岡山市の7件をはじめ、津山市で4件、笠岡、井原、備前、総社、倉敷、高梁市でもそれぞれ1件発生。多くの場合、収集車内でボンベが圧縮され、残留ガスが漏れて引火したことが原因とみられている。
7日に岡山市平福のごみステーションであった収集車火災では、「ボンッ」という爆発音とともに荷台後方の開口部から炎が噴き出た。けが人はなかったが、消防車が駆けつける騒ぎになり、燃えたごみの中からはカセットボンベ、スプレー缶計約50本が見つかった。
同市ではボンベやスプレー缶は月1回収集の資源ごみの日に出す決まりだが、この日は不燃ごみの中に混入されていた。分別を守らないケースが相次ぐ現状に、岡山市の作業員男性=40代=は「軽い気持ちかもしれないが非常に危険。作業する身にもなってほしい」と憤る。
06年度に岡山市で起きたごみ収集車火災16件のうち、7件が11―2月に集中するなど、冬季は最も“危険なシーズン”。各自治体は火災があった町内会で注意を喚起するちらしを配布したり、ホームページで缶に穴を空ける手順を写真で紹介するなど啓発に力を入れている。
17日には東京都で、ごみの収集中にカセットガスボンベが爆発し、男性2人が顔などにやけどを負う事故も発生した。
総務省消防庁消防研究センター(東京)は「最近はフロンガスに替わって可燃性の高いガスを使うスプレーも多い。一人一人が危険性を認識し、責任を持って処理してほしい」と呼び掛けている。